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アジアで挑戦を続ける関西企業 ~環境・省エネ分野で海外へはばたく~ 第2回
株式会社日吉
担当課室:国際事業課

最終更新日:平成26年10月1日

 関西・アジア環境・省エネビジネス交流推進フォーラム(Team E-Kansai)では、環境・省エネ関連企業のアジアでのビジネス展開を促進するため、現地の政府や業界団体との協力の枠組みを構築し、両国の官民連携 による取組を強化するとともに、ビジネスマッチングやフォローアップなど個別ビジネス支援及び現地ニーズに対応したプロジェクトの推進に取り組んでいます。今回はTeam E-Kansaiのメンバーの中から、株式会社日吉(滋賀県近江八幡市)をご紹介します。

“はかる・みる・まもる”の視点から環境問題解決をトータルサポート

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代表取締役社長 村田弘司氏
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滋賀県近江八幡市の日吉本社

 株式会社日吉は1955年創業の環境総合サービス企業です。当初は地元滋賀県近江八幡市の生活廃棄物の処理事業からスタートし、処理場施設の維持管理、水質管理、化学物質の測定・分析などへ徐々に事業分野を拡大してきました。

 現在では、水道水の検査や放射能検査、食品添加物分析や土壌分析といった “はかる”事業、上下水道や廃棄物処理場の施設管理、それらに付随する薬品販売といった“みる”事業、そして、一般廃棄物処理や産業廃棄物処理、下水道や道路の維持管理といった“まもる”事業など、多岐にわたる分野で環境に関するサービスを幅広く提供しています。

 会社は社会に貢献しなければ存続できない、またそれを支える技術をもって初めて社会に貢献できるという考えから「社会立社・技術立社」を社是とし、地場に根ざし生活環境・産業活動を支えることを大事にしています。地元近江八幡市では、1990年から日吉社員が小学校で環境啓発を行ったり、地域の小・中学生や先生を対象としたごみ収集体験学習を毎年実施しています。

 また、環境問題解決をトータルでサポートするには「人材」が重要であるとの考え方から人材育成には特に力を入れており、社員のスキルアップや資格取得を奨励・支援しています。社員数は280人ですが、環境計量士や食品衛生管理者等の有資格者の延べ数は1,700以上にのぼります。

環境サービスの国際展開~交流からビジネスへ~

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日吉アワード授賞式
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日吉インディアの環境分析ラボ

 日吉の国際交流の取り組みは比較的早く、1983年の滋賀県と中国湖南省との姉妹県提携に先立ち、1982年に湖南省建設庁の行政担当者が来社したことから始まりました。

 以来「環境問題に国境はない」という考えのもと、発展途上国とも積極的に連携しており、中国を始めインド、ベトナム、インドネシアなど世界各国から社会人や学生の研修生を受入れ、日吉のノウハウを世界に伝える人材を育成しています。これまでに受け入れた研修生は延べ19カ国、200名以上にのぼります。

 また、JICA等の依頼で海外への技術者派遣やセミナー講師派遣や、世界各国の大学・研究機関との共同研究といった活動も積極的に展開しています。

 元々、社会貢献活動として始めた国際交流ですが、同社で研修を受けて帰国した研修生が母国で働く場所がないことを聞き、開発途上国において環境ビジネスのニーズがあることと、国内における公共事業を巡る環境変化もあって、これまで培ってきた世界中の日吉のネットワークを活かし、2011年頃から本格的に国際事業化を進めることになりました。

 例えば、100名以上の研修生を受け入れて来たインドでは、研修生の「HIYOSHI同窓会」も組織され、毎年スピーチコンテストや国際インターンシップ、日吉アワードの非営利活動を行っており、このような活動を経て構築されたネットワークを活用し、2011年にインドに排水処理施設の維持管理や環境分析を行う現地法人「日吉インディア」を設立しました。

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中国国家環境分析センター(北京)との
共同ラボ設立契約調印 (2011年)

 また、中国浙江大学や清華大学、台湾正修科技大学、マレーシアUKM大学等の大学や現地研究機関と共同研究を進めており、今後はこれらの成果を事業化していきたいと考えています。

 最近では、地元滋賀県らと協力し、JICA草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)のベトナム国ハイフォン市の観光島カットバの水環境改善に向けた協働体制づくりや、環境省アジア水環境改善モデル事業のベトナム国水産加工工場における排水処理の水質と施設運営の改善事業にも参画しています。

ダイオキシン類簡易測定法の標準化

 近年同社が力を入れているのは、ダイオキシン類簡易測定法の標準化によるアジア展開です。ダイオキシン類を簡便・迅速に測定する生物検定法の一つであるCALUX(ケイラックス)法は、1998年にアメリカのXDS社が発明した技術です。日吉は、当該技術についてXDS社と共同開発を行い、2000年にアジア地域での総代理店契約を締結しました。

 ダイオキシンの測定方法には、「生物検定法」以外に「機器分析法」がありますが、機器分析法は非常に精度が高いというメリットがある反面、分析に時間がかかり、コストが高く(機器が高額)技術者の育成にも長期間かかります。また、機器を動かすためには安定した電源が必要であり、電力事情の悪い開発途上国には不向きです。

 それに比べCALUX 法は、少量の試料で分析可能なこと、分析コストが安いこと、分析時間が短いこと、仕組みや操作が簡単なこと、そして分析精度も比較的高いといった多くの利点があり、途上国のニーズにも合致しています。

 これまでに、日本(2005年環境省告示、2009年JIS規格化)、EU(2002年食品飼料規制スクリーニング方法)、アメリカ(2008年EPAメソッド)、台湾(2010年土壌分析)において公定法として認定されました。

 このように日吉では、アジア諸国で主力分析法の標準化を進めることにより、事業機会の拡大を目指しています。

※ 分析化学、微生物培養等において、特定の物質の定性、定量分析を行う場合に国際機関や国、公的機関等によって指定された試験方法のこと

今後の展望~世界に広がるHIYOSHIの輪~

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お話を聞かせてくださった海外事業企画室の黄さん、法さん、技術部分析研究課の中村さん

 海外事業展開において、同社の強みは、長年培ってきた研修生・大学等とのネットワークです。サービスは良質であることの証明が特に難しいため、優れた日本のサービス技術を理解し、現場で使えるよう橋渡ししてくれる人材が豊富にいることは、今後の事業展開において優位といえるでしょう。お話を聞かせて下さった海外事業企画室の黄さん、法さんは台湾、中国のご出身で、日吉ではグローバル人材が第一線で活躍されています。

 また、お話を伺った会議室にはたくさんの化学の実験器具が置かれていました。技術部分析研究課の中村さんにお聞きすると、日吉は化学分析技能士試験の試験会場になっており、会議室も試験準備の場として提供もしているとのことで、地元に根ざしたボランティア精神豊かな会社だと改めて感じました。

 CALUX法のアジア標準化も視野に、株式会社日吉の今後益々の飛躍が期待されます。

掲載関連情報

企業名
株式会社日吉外部リンク
所在地
滋賀県近江八幡市北之庄町908
電話番号
0748-32-5111(代)

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このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 通商部 国際事業課

電話:06-6966-6051

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