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生産性向上設備投資促進税制のすゝめ
~活用実績及び実例紹介~
担当課室:地域経済部地域経済課

最終更新日:平成27年7月1日

 「生産性向上設備投資促進税制」は、質の高い設備投資の促進により事業者の生産性向上を図ることを目的に平成26年1月20日に創設された新たな税制です。同税制にはA類型「先端設備」、B類型「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」の2種類の要件があり、何れかの要件に該当する設備を導入する際に税制上の特典を得られます。

 今回は、その活用実績や、特に大きな節税効果が期待できるB類型「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」制度をご活用いただいた企業をご紹介します。

1.「生産性向上設備投資促進税制」の活用実績

 生産性向上設備投資促進税制の活用実績が本年1月に経済産業省より公表されております。参考リンク外部リンク 新しいウィンドウで開きます

 以下『図1』、『図2』は上記公表資料の抜粋ですが、A類型、B類型共に、制度開始当初から右肩上がりで件数が伸びていることがわかります。

図1 A類型活用実績(平成26年12月末時点)
写真:以下に解説
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 まずA類型においては、設備メーカーによる営業ツールとしての活用が普及の要因として考えられます。

 今回の税制は『利益が出ている企業が活用できるのだろう』というお声をいただきますが、このA類型につきましては、「(1)最新モデル要件」「(2)生産性向上要件」の2要件を満たす設備を製作しているメーカーであれば、“自社製品を売り込むため”の営業ツールとして活用頂くことが可能です。

 つまり、本税制を活用(販売促進)することで売上げを伸ばす相乗効果が生まれており、これが当該税制の大きな普及要因と考えられます。


 次にB類型につきましても、先のE!KANSAI10月号(平成26年)の特集記事でもご紹介させていただいているとおり、『業種制限がない』ことや、『建物が対象になる』など幅広い活用方法から大きく普及が進んでいると考えられます。

 特に、製造業者だけでなく、建設業や流通業、飲食業に農業者まで、また青色申告をしている個人事業者から大企業に至るまで幅広くご利用頂ける制度となっていることも大きな要因と考えられます。(下記図3参照)

図2 B類型活用実績(平成26年12月末時点)
写真:以下に解説
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図3 B類型確認書発行件数における企業規模割合
確認書発行件数 割合
中小企業者等 2,464件 51.7%
大・中堅企業 2,303件 48.3%
合計 4,767件

 今後も益々の利用増加が想定されるところです。

※実例については過去のE!KANSAIにてご紹介しておりますのでご参照ください。

平成26年10月号≫ ≪平成27年1月号≫ ≪平成27年5月号

 また、今回も過去のE!KANSAIに引き続き、B類型をご利用いただいた企業の中から、地域に根ざし、夏の生活必需品ともいえる『蚊取線香』を製造している『ライオンケミカル株式会社』をご紹介させていただきます。

2.利用企業のご紹介

ライオンケミカル株式会社(和歌山県・殺虫剤・蚊取線香製造)

地域の除虫菊を活かした創業

写真:以下に解説
ミカン畑越しの本社工場

 ライオンケミカル株式会社は、創業130年(平成20年に和歌山県の百年企業表彰受賞)、和歌山県有田市に本社を置く殺虫剤・蚊取線香製造メーカーです。

 有田市は除虫菊・蚊取線香発祥の地で、1885年(明治18年)除虫菊の花を乾燥し粉末にした「のみとり粉」を製造販売したのが同社の創業。除虫菊を原料とする棒状の蚊取線香、渦巻蚊取線香と移り変り、1943年(昭和18年)同社が世界初の蚊取線香自動製造機を発明した事により大量生産が可能となり、世界中で感染予防商品として広く使用されるようになりました。

製造管理及び品質管理から生まれる安心と信頼

写真:以下に解説
ライオンケミカル(株)製品一例

 同社の品質管理は、防除用医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準である殺虫剤GMP(Good Manufacturing Practice)基準に準じ、常に製品の安定した品質と維持に心掛け、消費者に安心して買って頂ける製品作りをおこなっています。

 「安全で継続的に信頼できる商品づくりをする」を念頭に、商品開発・製造に取り組んでおり、長年培ってきたノウハウと共に、紛体及び液体の調合・充填・固形品の成型・打錠等の新しい技術の習得・開発にも積極的に取り組む等、多くのお客様から信頼を頂ける製品群として、大手販売店のプライベートブランドにも取り上げて頂いています。

 また、洗浄剤(塩素系・酸素系)の打錠技術(入れ歯洗浄剤や、洗浄タブレット製造時に使用)は、和歌山県産業表彰制度事業の「1社1元気技術」に登録されています。

 さらに3種類の香りの異なる線香が入った「ライオンかとりせんこう アソートパック 30巻」は、一般社団法人 日本印刷産業連合会が主催する「第54回ジャパンパッケージングコンペティション(JPC)」の一般雑貨部門賞を受賞しました。

写真:以下に解説
1社1元気技術(和歌山)表彰
写真:以下に解説
第54回JPC 一般雑貨部門賞 受賞

積極的な設備投資で安定供給・高品質を実現

 ここ数年、売上は伸びているが、製造場所は増えていないという状況が続いており、限られたスペースでより多くの製品を作るよう努力していましたが、今後のさらなる増産も視野に入れ、工場の増設や配送センターの検討も必要となったところ、今回の『生産性向上設備投資促進税制』の存在を知りました。

写真:以下に解説
新設された上中島倉庫

 新規設備導入や配送センターの新設は、高品質な製品を安定製造、省コスト化を促し、お客様へより良い製品を提供できることになるため非常に重要な投資でありますが、資金的余裕がない中小企業にとっては難しい判断を迫られます。

 そのような中で、本税制は「即時償却」が認められる点から投資の意思決定の非常に大きな後押しとなりました。

 結果、有田川町に700坪強の土地を借りて、上中島倉庫(倉庫兼配送センター)を建設。それまでは、場所が少ない為、製品を高く積み上げたりしていたところ、上中島倉庫が出来たことにより、荷物の移動作業がスムーズにおこなえるようになりました。

 設備投資は、安定した品質の製品を作れるようになるだけでなく、原価管理やコスト管理をする為にも非常に重要です。特に地方の企業においては人手不足のため、作業効率化の投資が生産性向上に不可欠であり、このような税制は非常に使い勝手が良いと思います。

地域を支える”中核企業”としてさらなる開発を

 近年では積極的に新製品開発を推し進め、家庭用殺虫剤はもとより衣類用防虫剤や・洗浄剤・消臭剤・浴用剤など、ご家庭で幅広くご使用頂ける生活日用雑貨の製造に取り組んでおります。

 今後も引き続きこれらの製品を通じ人々の生活向上に努め社会に貢献していくと共に、地域を支える中核企業として活躍していきたいと考えています。

【近畿経済産業局担当者の一言】

 夏の必需品とも言える蚊取線香を中心に、様々な製品を開発製造している同社の製品はドラッグストアやスーパーでよくお見かけします。

 今回は倉庫兼配送センターの導入に生産性向上設備投資促進税制をご活用いただきました。

掲載関連情報

企業名
ライオンケミカル株式会社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
和歌山県有田市辻堂1-1

関連施策へのリンク

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 地域経済部 地域経済課
電話:06-6966-6065

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