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生産性向上設備投資促進税制のすゝめ
~応援します!設備投資(教育の力編)~
担当課室:地域経済部地域経済課

最終更新日:平成27年10月1日

 「生産性向上設備投資促進税制」は、質の高い設備投資の促進により事業者の生産性向上を図ることを目的に平成26年1月20日に創設された新しい税制です。同税制にはA類型「先端設備」、B類型「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」の2種類の要件があり、何れかの要件に該当する設備を導入する際に税制上の特典を得られます。

 今回は、生産性向上設備投資促進税制(B類型)を活用して設備投資を行った企業の中から、幼保一体型バイリンガル保育園を新たなビジネスとして確立させた株式会社キンダーキッズの教育に懸ける熱き思いをご紹介します。

1.株式会社キンダ-キッズ

経験を活かした起業で自らの想いを実現

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代表取締役 中山貴美子氏

 中山社長は元々英会話教室で勤務されていましたが、結婚を機に退職され、ご出産後、「自分の子どもはバイリンガルに育てたい!」という想いを実現するため、育児をしながら働けるよう「幼保一体型バイリンガル保育園」の創業・起業を決心されました。

 まずは、商工会議所の起業塾に通い、起業のノウハウを学ぶことから始められました。そこで出会った人達と起業の想いを語り合っていたところ、東大阪で倉庫を借りて体操教室を開く事業者から、「上の階が空いているのでそこで事業をやってみないか」というお誘いを受けました。当初想定(20坪程度)よりも優に大きな場所(150坪程度)でしたが、格安の料金で借り受けられる条件であったため、その場所での創業を決心したことが同社の事業者としてのスタートです。

想定以上の反響に対応する開校ラッシュ

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保育園外観(神戸シーサイド校写真)

 場所の確定後、資金的余裕もないため、中山社長自ら手刷りで2万部のチラシを作成。このチラシで数十人でも問い合わせがあれば良い方だろうと考えていたそうですが、実際に東大阪市内に配ってみると、問い合わせの電話が鳴り止まないような想定外の反響がありました。嬉しい誤算ながらも開業手続きと並行しながら入園希望者への説明会など、中山社長お一人で奔走され、なんとか2000年1月に最初の保育園(東大阪校)の開設となりました。

 その後まもなく、隣接する八尾市の不動産会社から、同市においても良い物件があるため開設してみないかとの誘いがありました。キャッシュフロー的には苦しいところもありましたが、元々コンピュータ教室の居抜き物件であったため、内装工事等もほとんど必要無く、初期コストが限りなく安価でかつ賃料も格安であったことから開校を決定。東大阪校開校の2ヶ月後、に八尾校を開校することとなりました。

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日常保育の様子

 創業から事業展開の間、多くの人々のアドバイスや情報提供に助けられましたが、新規開校の資金繰りには苦労が絶えませんでした。しかしながら、教育事業特有の月謝・年会費などの「先払い」による資金調達が可能であったことから、無融資でここまでの事業展開を実現することが出来たのではないかと中山社長は当時を振り返ります。

 さらに、開始当初のメンバーであったオーストラリア人の同僚の「保育園を運営するにはカリキュラムを整えることが非常に重要だ!」という言葉の元にカリキュラムを整えていたことも新規開校手続き等に奔走しつつも園の運営が順調に行えていたポイントだったとのことです。

 上記2校開校後、「これはビジネスになる」と意識しはじめ、「やるなら大阪の中心で!」と大阪市内で自ら物件を探し、北区に大阪本校を開校。

 この頃に地方の情報番組で「面白い保育園がある!」と紹介されるなど知名度が飛躍的に向上していくこととなりました。

 同番組放映後は、兵庫県内にも芦屋校、西宮校と立て続けに開校。さらにその需要が見込めそうな豊中、宝塚等にも開校を続けていきましたが、この開校ラッシュも2004年あたりに一度小休止します。

事業拡大を支えた「カリキュラム・マニュアルの統一化」

 これは開校当初から大切にしていた「教育カリキュラム・マニュアル」をより充実したものにするため、社内の体制整備に時間をかける決断をされたためです。

 結果として、この体制整備が以後の他都市圏進出の大きな柱として役立っていくこととなります。

 なお、この体制整備以降の新規開校については自社から物件を探すというよりも、大手デベロッパーなどから開校依頼が舞い込むようになり、それらの物件を精査しながら急ぐことなく、各地に開校をしていきました。

 同社の最大の強みは「カリキュラム・マニュアルの統一化」です。

 先の体制整備において全国どの校でも同じ授業を同じタイミングで出来るように統率を図ったため、親の転勤で通えなくなってしまう園児も、「トランスファーシステム」で転勤先でも同じ教育を引き続き受け続けることが可能となっています。

 さらに、マニュアルが徹底されているため、外国人保育士の教育も安定的に行うことができます。

保護者の声から実現する「学びの環境整備」

 加えて同社保育園では卒園後は通常の小学校に通う生徒が多く、同社としても「日本の文化」を学べるよう日本の学校に進むことを推奨しておられるため、卒園後の生徒の英語能力を継続的にブラッシュアップできるよう卒園生限定の『グラッドクラブ』を運営しています。

 具体的には週1~2回程度放課後などに継続的に英語に触れることの出来る環境を作ると共に、海外での実地体験学習なども生徒の自主性に基づいて学び続けられるシステムにより、卒園生に高いレベルでの語学教育を通常の義務教育と並行的に受講できる体制を構築しているのです。

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グラッドクラブの様子

 さらに中山社長は「保護者は『話せる』ことを求めるが、実際の英語教育には『話せて読み書き出来ることが重要』」という方針をお持ちであり、このような保護者との解釈の差異も解消するため、気軽に運営側に利用者が声を上げられる雰囲気と両者間で理解を深められる関係構築を大切にしているとのことでした。

 また、利用者(保護者)の声も積極的に事業運営に活かしておられ、通常保育後の学習授業も充実してほしいという声に応じ、延長保育授業として様々な授業(日本語学習クラス・英検クラス・サイエンスクラス・受験対策クラス・体操クラス・知育クラス)を設置されています。

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様々な延長保育授業

「日本式教育」の海外輸出

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キンダーキッズ カナダ校

 また、海外進出については2014年にカナダ校を開校。

 現地では幼稚園は「遊ぶところ」であり、小学校以降で読み書きを学ぶことが通常のため、読み書きから教え込む「日本式教育」が「エリート教育」として差別化要因となっています。

 特に「みんなで大合唱」「みんなで組み体操」などは現地の利用者に衝撃的な印象を与えるようです。

 今後も、「英語圏の本場でも実績を上げている『キンダーキッズ』」として国内に限らず海外展開も含め、益々のご活躍を期待したいと思います。

<施策ご活用の内容>

 今回は利用者増大に伴う既存保育園の移転拡大を図る投資において生産性向上設備投資促進税制をご活用頂きました。

掲載関連情報

企業名
株式会社キンダーキッズ(代表取締役 中山貴美子)外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
大阪市北区池田町3-1ぷらら天満ビル2F

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 地域経済部 地域経済課
電話:06-6966-6065

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