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関西における環境ビジネスをサポート!
~近畿バイオマス産業セミナーin滋賀~
担当課室:環境・リサイクル課

最終更新日:平成27年12月1日

 環境・リサイクル課では、関西における環境ビジネスの推進に取り組んでいます。その取組の一つとして、平成25年度よりバイオマス産業に関するセミナーを開催しています。

 今回は、初めて地方自治体と連携し、滋賀県で開催した「近畿バイオマス産業セミナーin滋賀」の様子をご紹介します。

バイオマス利活用の推進に向けて

 バイオマスを含む再生可能エネルギーについては、閣議決定された第四次エネルギー基本計画に基づき、2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していくこととなっています。

 再生可能エネルギーを用いたエネルギーシステムの構築は、地域に新しい産業を起こし、地域活性化につながるものであるとともに、災害時等に大規模電源からの供給に困難が生じた場合でも、地域において一定のエネルギー供給を確保することが可能となります。その中でも特にバイオマスエネルギーは、地域に密着した分散型エネルギーとして注目を浴びています。バイオマスの利用には自治体をはじめ、地域が主体となり農林漁業と調和を取りながら導入を図ることが重要です。

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セミナー当日の様子

 当課では、自治体とバイオマス産業関連企業との交流・出会いの場、最新の情報提供の場としてバイオマス産業に関するセミナーを平成25年度から大阪市内で開催していました。

 今年度は「琵琶湖森林づくり県民税」を設け、木質バイオマス利活用促進事業などにも熱心な滋賀県のご協力を得て「近畿バイオマス産業セミナーin滋賀」を11月9日、滋賀県庁東館大会議室にて開催しました。

「近畿バイオマス産業セミナーin滋賀」

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大阪府立大学 川口教授

 当日は、バイオマス産業関連企業関係者及び滋賀県内外の自治体関係者、約90名の参加がありました。

 第一部の基調講演では、大阪府立大学 教授(地域連携研究機構 産学官研究連携戦略室長)川口剛司(たかし)先生より、「植物性バイオマス利活用戦略とバイオリファイナリ」をテーマにお話いただきました。最新の研究内容に基づくお話は、参加企業・自治体の関心を集めていました。

大阪府立大学川口教授 基調講演の概要

  • 植物は太陽エネルギーを蓄えており、その固定量の10%ほどの活用で全世界の消費エネルギーを十分にまかなえるといわれている。
  • 化石燃料の枯渇が唱われる中循環型社会構築に向けて、21世紀の社会では、石油化学からバイオマスベース化学(グリーンケミストリー)への変換が求められている。
  • 食材資源との競合を回避するため、トウモロコシなど「デンプン系バイオマス」ではなく、「セルロース系バイオマス」を活用すべきという基本方針が立てられた。
  • しかしセルロース系バイオマスはデンプン系バイオマスに比べ、バイオエタノールを生成する過程の糖化が容易でないという課題があり、効率的にバイオ燃料などの有用物質を製造する技術(=バイオリファイナリ)の研究が活発になされている。
  • そのなかで酵素を利用した糖化法は薬品を用いず環境負荷が少ない方法であるが、効率やコストの面で課題がまだ多い。また、バイオマス原料やそれらの前処理法ごとに最適な酵素が異なることが、大規模栽培等で単一のバイオマスを利用しにくい日本では特に障壁となっている。
  • そのため、より高効率な糖化酵素の研究や酵素の大量生産技術の開発が進められており、「セルロース系バイオマス」はクリーンエネルギーの切り札として大きな可能性を秘めている。
  • 直近の研究では酵素AaBGL1【Aspergillus aculeatus(糸状菌の名前)由来のβグルコシダーゼ】を利用し、さらにそれを変異させることで加水分解活性を高め、糖化の効率を上げることに成功した。今後とも関係機関との連携を図っていきたい。
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交流会の様子
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企業プレゼンテーションの様子

 また、近畿農政局より「バイオマス産業都市の推進について」、滋賀県エネルギー政策課より「『(仮称)新しいエネルギー社会の実現に向けた道筋』の検討について」をテーマに、バイオマスに関する施策等をご説明いただきました。

 第二部では、参加企業15社によるショートプレゼンテーションが行われ、各社が誇るバイオマスエネルギー技術などを参加自治体にPRいただきました。

 その後、プレゼン会場を取り巻くように設置した各社ブースを参加者が自由に行き来し、名刺交換やバイオマス導入に向けた相談を行える交流会を実施しました。

参加自治体・企業の感想(一部抜粋)

  • 各地から自治体が出席され、また興味深い企業が多く参加されていて大変勉強になりました。
  • このようなセミナーは地道に回を重ねていくことが、将来の実りにつながるものではないかと思います。
  • バイオマスボイラーなどの設備導入の補助金は種類が多く、様々な省庁のものもあるので、それらをまとめて、わかりやすく説明いただくような機会があれば非常に助かります。
  • 今後は企業からのPRだけでなく、ワーキンググループのような感じで各自治体の課題を上げてもらい、各自治体の課題に対して各会社の取り組みの中でどう克服できるのか提案できれば、さらに面白いかもしれません。
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地元メディア取材の様子

 なお、地元TV局・新聞社からの注目も高く、多数の取材をいただきました。

 セミナーの様子は、夕方のニュース番組でも取り上げられました。

~参加自治体の声~

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甲賀市産業経済部林業振興課 山本 泰彦 課長

甲賀市市民環境部生活環境課 相原 功志 主査

 甲賀市は、面積の約7割が森林であることから、森林資源の活用は重要な課題と考えています。

 今回参加させていただき、川口先生の基調講演、バイオマス産業都市の概況説明及び関連企業との交流など、今後の事業を考える上で意義深いセミナーでした。

~参加企業の声~

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アーク大阪株式会社 代表取締役 大塚 憲昭 さん

 当社の国産高効率薪ボイラーの紹介をし、かつ薪燃料でのエネルギー地産地消の重要性をPRしました。いくつかの自治体から高い関心をいただくとともに、滋賀県内の自治体との新たな出会いがあり、大変有意義なセミナーでした。

最後に

 今回初めて滋賀県のご協力を得てセミナーを行いました。バイオマスの推進に関心が高い多くの市町に参加いただき、バイオマス産業関連企業と交流いただきました。また、その様子は地元TV局などのメディアでも取り上げられ、反響の大きさは予想を超えるものでした。

 バイオマスエネルギーは地産地消のエネルギー源として地域経済に持続的な恩恵をもたらしてくれる可能性を大いに秘めていますが、産業化への課題もあります。川口先生のご講演等を伺い、官民あげて課題を克服していくことの重要性を改めて感じました。

 今回、ご参加いただいた自治体、企業の皆さんからいただいた多くのご意見を活かし、今後もバイオマスの推進に向けて有意義な情報提供・交流の場を提供したいと考えています。

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課
電話:06-6966-6018

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