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『播州織』と国産表示制度「J∞QUALITY」
〜産地を守る取組みと国産表示への期待〜
担当課室:製造産業課

最終更新日:平成27年12月1日

『播州織』とは

 兵庫県の西脇市、多可町を中心に加西市、加東市、丹波市の4市1町で製造している織物で、糸を各種の色に染め、細い糸を縦と横に使ってキメが細かく多彩な模様に織り上げ、繰り返し使用しても色が落ちにくく、丈夫で肌触りが良い生地で、シャツ、シーツ、ハンカチ、テーブルクロス等のあらゆる製品として国内の先染織物(染められた糸を使って織る)80%のシェアを誇っています。

 播州織の始まりは、寛政4年(1792年)西脇市の比延庄村の大工「飛田安兵衛」が京都の西陣織からその技術を取り入れたと言われており、明治時代初期には60〜70戸が織布業を営んでいたと言われています。

 その後も順調に発展し、昭和に入ると世界各国への大量輸出もあり、業者数、生産額が飛躍的に増大し、年間生産数量3億8千平方メートルを超える黄金時代が到来します。

 しかし、昭和40年代には、オイルショック、60年代にはプラザ合意による急激な円高、輸出の環境悪化で産地は大打撃を受け、その後もバブル景気崩壊やデフレ、安価な海外製品の流入が続き、今日まで厳しい状況が続き、生産量は全盛期の10分の1程度まで落ち込んでいます。

播州織工業協同組合 地域ブランド『播州織』その取り組み

写真:以下に解説
『播州織』の生地表面

 このような中、播州織整理加工協会(播州織工業協同組合・東播染工株式会社)は、播州織産元協同組合と兵庫県繊維染色工業協同組合と播州織工業組合と共に、平成20年に地域団体商標「播州織」を登録して、産地で考案、糸染め、織り、加工されたものの中で一定の品質基準に達したものを地域ブランド『播州織』として認定することとし、認定製品にはロゴタイプのシンボルマークを添付しています。地域団体商標の登録により、『播州織』としての地域ブランド意識の高揚を図り、高い品質基準の維持・向上に努め、情報発信に努めています。

 また、播州織工業協同組合は、新商品開発も積極的に挑み「クラッシュ」というよこ糸配列を柔らかな曲線に移動させる技術で、世界で類を見ない加工法を開発し、「第1回ものづくり日本大賞」内閣総理大臣賞をはじめ、ものづくりやテキスタイル分野で様々な賞を受賞しています。

 また、片面ずつ異なった機能を持たせた加工生地で、肌に触れる面は吸汗して表面には汗ジミを目立たせないシャツ「ミラクルコットン」という画期的な商品も開発しています。

 21世紀を迎え、これまで幾多の困難を乗り越えてきた『播州織』ですが、常に新商品開発と品質基準維持にたゆまぬ努力を続けています。

写真:以下に解説
『クラッシュ』
写真:以下に解説
ミラクルコットン:片面ずつ異なった機能

東播染工株式会社 『播州織産地』を守る全工程対応一貫生産工場

 日本で唯一の染色・サイジング・織り・加工まで一貫で行う先染め織物に特化したテキスタイルメーカーが、東播染工株式会社(以下、東播染工)です。

 近年は、安価な海外製品の流入により、播州織産地の受注量が減る中、東播染工では、10数年前に6台から始めた織機を現在95台にまで増台して対応するなど、生産の全工程を一貫して対応出来る強みを活かし、高級ブランドシャツなど様々なアイテムの生地を国内外へ数多く出荷しています。

 一貫生産工場では、経験と知識を持ったプロフェッショナルが、全工程を管理しており、色・柄・織り方・加工方法まで細部にわたるオーダーへの対応が可能です。また、試作品についても社内で生産しているため、本体生産時と限りなく近いものを提供できる利点があります。

 メードインジャパンの生地は品質が良いという評価の高まりと共に海外からの見学者も増えており、加えて円安による国内生産回帰の動きも重なって受注も増えつつあります。

 東播染工は、国産にこだわり、一貫生産で伝統を守り続けながら、新技術を取り入れて従来に無い商品開発を行い、リーディングカンパニーとして産地を支え続けています。

写真:以下に解説
様々な容量の染色機:
多品種小ロットに対応
写真:以下に解説
染め上がった経糸を織機に乗せる準備工程

写真:以下に解説
織布工場:最新のエアージェット織機を配置
写真:以下に解説
加工工程:生地に風合いや機能性を付与

期待膨らむJ∞QUALITY商品認証事業

 平成27年2月に「日本ファッション産業協議会」が、業界の自主制度として新たに純正国産商品に対する「J∞QUALITY商品認証事業」をスタートさせています。

 海外からも多くの日本商品について注目が集まる今、日本のモノづくりの価値を業界として維持発展させながら、改めて国内外の消費者に国産品へのより深い認識と愛着を持っていただくことが重要と考え、「織り・編み」、「染色整理加工*」、「縫製」の全ての工程を日本の高品質な工場技術と匠のこだわりで仕上げた純国産品であることを証明する統一ブランドで、2015年秋冬物より店頭展開しています。

 現在の原産国表示制度では、最終工程の縫製が日本で行われていれば「日本製」と表示できますが、J∞QUALITY事業は、原産国表示とは別に付加価値を付けて差別化を図る取り組みです。

 播州織工業協同組合と東播染工は、「企業認証」(織り・編み、染色の各工程において、製造業者として安全・安心に配慮し、コンプライアンスを遵守する企業、優れた縫製技術を持つ企業を認証)を取得済みで、「J∞QUALITY商品」に対応できる体制を整えている等、純国産商品の大幅な拡大に期待をしています。

*:染色整理加工は、反物の洗浄、ハリ、コシの風合い付加、色染め、羽毛の長さなど外観調整、撥水加工など機能性向上をさせること。

西脇市の産地振興

 西脇市では、播州織産地の活性化に取り組む具体策として平成27年度中に「西脇ファッション都市構想」を策定し「播州織」を切り口とした産地振興を進めることとし、先行事業として、デザイナー育成などの人材育成事業、J∞QUALITY認証取得に係る申請料の半額の補助金を交付する支援、研修事業などの産地活性化事業を行っています。

産地で団結

 『播州織』産地では、『播州織』を守るため、新たな商品開発や創意工夫で課題を克服し、国産認証制度も利用しながら産地を活性化させるため、市、組合、企業等が一つの方向に向いて進んでおり、今後更なる発展が期待されます。

掲載関連情報

団体名
播州織工業協同組合外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
兵庫県西脇市鹿野町162
電話番号
0795-22-1818

企業名
東播染工株式会社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
兵庫県西脇市高田井町224番
電話番号
0795-22-1000

自治体名
西脇市 産業活力再生部 商工観光課外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
兵庫県西脇市郷瀬町605
電話番号
0795-22-3111

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近畿経済産業局 産業部 製造産業課
電話:06-6966-6022

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