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「産学連携サービス経営人材育成事業」による人材育成
~大学とサービス産業界が連携した教育プログラムの開発~
担当課室:クリエイティブ産業ユニット

最終更新日:平成27年12月1日

 経済産業省では、今年度「産学連携サービス経営人材育成事業」を実施しております。これは、サービス産業における次世代の経営人材・マネジメント人材を育成することを目標に、大学等の教育機関がサービス事業者とコンソーシアムを組成し、専門的・実践的なサービス経営のための教育プログラムを共同で開発することに対し、必要な経費を国が補助することで支援を行うものです。

 サービス産業は、日本全体及び地方の経済規模の約7割を占め、その割合は拡大傾向にあり、日本及び地方の経済成長を実現していく上で、サービス産業の活性化と生産性向上は重要な課題です。

 消費者嗜好が多様化し競争が激化する現在において、サービス産業の活性化・生産性向上を図り、継続的に新しい付加価値を生み出すために、サービスについて熟知し、イノベーションを起こすことができる人材を育成することは大変重要になっています。しかし、わが国ではサービス産業の経営に特化した専門的、実践的な教育機関が不足していると言われています。

 このような現状を背景に、この「産学連携サービス経営人材育成事業」では、今年度、全国で17大学等、近畿経済産業局管内では関西学院大学と立命館大学の2大学に対して支援することとしております。ここでは、当局管内の2校の具体的取組についてご紹介いたします。

関西学院大学
「診療所を中核とした地域医療経営人材育成プログラムの開発」

MBAにおける地域医療経営人材育成

 関西学院大学では、開発する教育プログラムのテーマを「診療所を中核とした地域医療経営人材育成プログラムの開発」とし、兵庫医科大学との連携のもと、地域での医療サービスを改善し、診療所の経営を円滑に行える地域医療経営人材を育成することを目指しています。

写真:以下に解説
関西学院大学西宮上ケ原キャンパス

 受講対象者は、地域医療機関の従事者(病院の事務関係者、看護師、薬剤師等)や医院の経営者、将来開業を考えている勤務医、介護関係者や製薬メーカーの医療関連産業の従業員などの社会人を想定しています。またビジネススクールの講義(大学院レベル)と連携させ、知識の活用を促進することにしています。

 具体的には、既存のビジネススクールでの履修内容に加え、当事業によって開発する「地域医療経営」、「ソーシャルマネジメント」、「医療機関事業継承」、「医療機関事例研究」の4つの科目を新設し、2016年10月~2017年5月には実際にこのプログラムを開講する予定です。

 これら新設科目では、「地域医療経営」において、ICTの利用も含めた新しい地域医療システムや地域包括ケアシステム(住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム)について、「ソーシャルマネジメント」では、医療機関のみならず社会性の高い企業のマネジメントについて、また「医療機関事業継承」では、医院、病院を含めた医療機関の継承問題について、「医療機関事例研究」では、医療機関の経営上の課題について豊富なケースを利用して実践的な知識を学ぶ内容になっています。

 また将来的には、ビジネススクールに、履修証明プログラムを複数有する「サービス経営人材育成センター」を設置することを想定しています。

「地域医療経営人材育成コンソーシアム」の活動

写真:以下に解説
地域医療経営人材育成コンソーシアム 第1回運営委員会

 当事業の実施にあたり、関西学院大学では、産学コンソーシアムである「地域医療経営人材育成コンソーシアム」を組成し、プログラムの策定に取り組んでいます。コンソーシアムは運営委員会、プログラム策定委員会、プログラム評価委員会の3つの会で構成され、アドバイザーとして幾つかの組織が参加しています。構成メンバーは、それぞれの役割のもとで活動しています。

 コンソーシアムのメンバーは、医療機関として兵庫医科大学病院、淀川キリスト教病院、池岡診療所、扇町レディースクリニック、上ヶ原病院、田中消化器科クリニック、医療法人ホスピィーGROUP、浦田クリニック、 泉岡医院、医療関連事業者として(株)ニシイチドラッグ、(株)STB、医療経営関連事業者として (株)日本総合研究所、上田公認会計士事務所といった地域医療に携わる多方面の事業者で構成されています。

 このコンソーシアムでの議論により、地域医療の現場での人材育成上の課題やニーズが明確になり、開発するプログラム内容の充実が図られることが期待されます。

掲載関連情報

団体名
関西学院大学研究推進社会連携機構社会連携センター外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155
電話番号
0798-54-6342(産学連携サービス経営人材育成事業事務局)

立命館大学
「食サービス分野における高度マネジメント人材育成」

開発するカリキュラムとその新学部における活用

写真:以下に解説
立命館大学びわこ・くさつキャンパス

 立命館大学では、「食サービス分野における高度マネジメント人材育成」をテーマに、日本や世界の食文化を理解し、食ビジネスをグローバルに展開して地域社会に貢献できる経営者・マネージャーなどを育成する実践教育プログラムを開発し、後述する新学部「食科学部(仮)」において活用します。

 カリキュラム内容は、フィールドワークや統計等の調査技法等を基礎スキルとして学ぶとともに、国際的な食文化を理解する科目群,食ビジネスをグローバルに展開できるビジネススキルを修得する科目群などから構成されます。

産学連携コンソーシアムでの取組

 当事業の実施において、立命館大学では「食サービス分野における高度マネジメント人材育成 産学連携コンソーシアム全体会議」を設置し、その中に学習領域に応じて「食文化部会」、「食ビジネス部会」、「食科学部会」を設置してカリキュラム開発に係る検討を進めています。

 このコンソーシアムには、がんこフードサービス(株)、スーパーホテル(株)、アサヒビール(株)、(株)ANA総合研究所等の外食、ホテル、流通、航空、食品分野の企業のほか、教育機関からル・コルドン・ブルージャパン(株)、研究機関から国立民族学博物館が参画し、多方面からの検討を進めています。

国際連携への取組

 本事業では、コンソーシアムのメンバーであるル・コルドン・ブルーの国際ネットワークの活用はもとより、イタリア食科学大学やアジア、オーストラリアの諸大学との連携、協力関係を強化し、世界的観点からも通用性を持つカリキュラム開発を進めていきます。

国際シンポジウムなどを通じた食科学分野での貢献

 また本年10月には、本事業の一環として国際シンポジウム「食の未来;食のイノベーション」を開催しました。当シンポジウムでは、分子ガストロノミーの世界的権威であるエルヴィ・ティス博士をメインゲストに迎え、分子物理学の食への応用から介護食、食を通した観光ビジネスに至るまで、食に関わる教育、研究の最先端の展開を紹介することができました。

「食科学部(仮称)」設置構想について

写真:以下に解説
食科学部(仮)のカリキュラム構成イメージ

 本年10月、立命館大学は、平成30年度の開設を目指し、びわこ・くさつキャンパスに「食科学部(仮)」の設置を進めることを発表しました。

 これは、人文科学・社会科学・自然科学の学際的な視点で「食」を総合的に教育研究し、「食」を総合的に分析・理解する人材養成を目的とする、わが国で初めての学部です。

 この新学部では、人間、社会の最も根源的な活動である「食」を、人文科学・社会科学・自然科学の領域から総合的・包括的に捉え、「食」の問題を俯瞰的にかつ深く理解し、実践的な課題解決能力やマネジメント能力を有する人材の育成を目指した教育を行います。

 カリキュラムは、哲学・歴史・地理学・文化人類学などの観点から食文化を学ぶ「フードカルチャー科目群」、社会システムにおける食の役割や食の生産と消費に伴う環境影響と食の財務・会計、経営組織、流通、国際展開などを学ぶ「フードマネジメント科目群」、食や食品の特性・変形・摂取・認知、および安全などを学ぶ「フードテクノロジー科目群」の3分野が想定されており、このカリキュラムには当事業の成果が活用されます。

掲載関連情報

団体名
立命館大学(http://www.ritsumei.jp)外部リンク 新しいウィンドウで開きます (12/14以降はhttp://www.ritsumei.ac.jp外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
京都市中京区西ノ京朱雀町1
電話番号
075-813-8137

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 クリエイティブ産業ユニット
電話:06-6966‐6053

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