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第6回「ものづくり日本大賞」の受賞者が決定しました!
~近畿ブロックの受賞案件のご紹介~
担当課室:製造産業課

最終更新日:平成28年1月4日

 「ものづくり日本大賞」は、 日本の産業・文化の発展を支え、豊かな国民生活の形成に大きく貢献してきたものづくりを着実に継承し、さらに発展させていくため、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や、伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、ものづくりの第一線で活躍する各世代のうち、特に優秀と認められる方々を顕彰する制度です。本賞は、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携し、平成17年より隔年で実施しており、今回で6回目を迎えました。

 本賞の受賞者が、2015年10月28日に発表され、このうち、経済産業省関係では、近畿ブロックから、経済産業大臣賞2件(全国15件)、特別賞5件(同12件)、優秀賞5件(同27件)、計12件の受賞が決定し、2015年11月30日に帝国ホテル大阪で、近畿ブロック表彰式を開催しました。

 本号では、各受賞案件の概要を御紹介します。

経済産業大臣賞

特別賞

優秀賞


近畿ブロック表彰式の様子
写真:以下に解説

各受賞案件の概要

経済産業大臣賞

製造・生産プロセス部門

『日本の社会基盤を支える平均ロット5個特化型の大型コイルバネ製造ライン開発』
(東海バネ工業株式会社(兵庫県豊岡市)[受賞者4名])
写真:以下に解説
技術道場『啓匠館』(けいしょうかん)
写真:以下に解説
スーパーコイリングマシン「YUKI」

 平均製造ロットが少量(5個)で機械化が困難、かつ高温下で危険が伴う大型コイルバネの製造工程において、熟練工のノウハウを数値化し、コイル巻き技術等の自動化システムを開発。国内で唯一同社が有する製造技術を継承し、若手技術者を中心とする生産体制での製品の安定供給を実現しました。

 また、機械による自動化と併せて、社内に技術道場『啓匠館』を設置し、熟練工の匠の技を地元出身の若手技術者に継承していく取組を行うなど、地域経済にも大きく貢献しました。

製品・技術開発部門

『世界初の大豆分離・分画技術USS製法による豆乳・豆腐の新カテゴリー製品開発』
(不二製油株式会社(大阪府泉佐野市)[受賞者7名])

※受賞者のうち3名は、相模屋食料株式会社の共同開発者

写真:以下に解説
(不二製油)     (相模屋食料)
写真:以下に解説
「USS製法」イメージ

 新たに確立した「USS製法(Ultra Soy Separation)」の独自の特殊遠心分離・分画技術により、加水した大豆を「低脂肪豆乳」、「豆乳クリーム」、「おから」に分離することに成功しました。

 この「豆乳クリーム」を用いて、女性をターゲットにした、濃厚かつ滑らかな味わいの “新食感とうふ”を開発し、新たな市場を創出するなど、従来の“飲む豆乳”から料理や加工食品素材の“食べる豆乳“へと、大豆の用途を大きく広げました。

 大豆は、他の食物に比べてたんぱく等の栄養価値と生産効率が高いことから、本製品は、将来、世界的に危惧されている食料難問題の”切り札”としても大きく期待されています。

特別賞

製品・技術開発部門

『産業廃棄物を削減する全自動の汚泥回収・脱水装置「ドライセパレータ」』
(株式会社アメロイド日本サービス社(兵庫県加古川市)[受賞者2名])
写真:以下に解説
産業廃棄物の排出量比較
写真:以下に解説
全自動スラリー回収脱水装置「ドライセパレータ」

 めっき専業者などからの改善ニーズが高い、排水汚泥処理の効率化及び産業廃棄物(汚泥)の削減を可能とした全自動スラリー回収脱水装置「ドライセパレータ」の開発に成功しました。

 脱水機と乾燥機が一体となった全自動型であるため、従来の手作業工程が効率化され、産業廃棄物(汚泥)も、含水率が半分以下のパウダー化に成功したことにより1/3以下となり、環境面はもちろん処理費用のコストダウンにも大きく貢献しました。

製品・技術開発部門

『光学設計の概念を変える超精密自由曲面部品の高速製造技術の開発』
(株式会社クリスタル光学(滋賀県大津市)[受賞者5名])
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超大型精密自由曲面鏡
写真:以下に解説
回転同期加工を実現した加工機

 基準軸を持たない自由曲面形状の加工において、加工機の回転角度(C軸)と工具座標(XZ軸)を同期させる高度な技術を確立するとともに、独自の形状測定技術の導入により、「回転同期加工法」の実用化に成功しました。

 直径700mmの大型自由曲面の精密加工や、難易度の高い軟質アルミ表面の超精密研磨技術も確立。これらの技術による高付加価値化製品の開発により、試作開発の段階から最上流である顧客の開発設計者と直接関わるビジネスモデルへ変革を遂げ、下請けから脱却しました。

製品・技術開発部門

『"さびで錆を制す" 鉄鋼インフラを長寿命化する反応性塗料の研究開発』
(株式会社京都マテリアルズ(京都府京都市)[受賞者5名])

※受賞者のうち2名は、株式会社クロサキ、長瀬産業株式会社の共同開発者

写真:以下に解説
反応性塗料の構造
写真:以下に解説
鋼板の大気暴露後の外観比較

 従来の防食塗料とは異なり、環境の力を借りながら、鋼材の表面に微細かつ強固な腐食膜層を形成させ、耐食性を飛躍的に向上させる画期的な反応性塗料の開発に成功しました。

 同塗料は、錆による腐食が発生している既設構造物へも簡単な前処理で適用が可能であり、昨今、腐食による劣化が社会問題化しているなか、インフラ構造物のライフサイクルコストを大幅に低減することが期待されています。

製品・技術開発部門

『家庭用燃料電池の「基材レス ガス拡散層(GDL)」の開発と実用化』
(株式会社パナソニック(大阪府門真市)[受賞者7名])
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GDLの耐久性比較
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新開発GDLの製造プロセス

 家庭用燃料電池の発電ユニットを構成するガス拡散層(GDL)について、従来使用していた炭素繊維基材に替わる、導電性カーボン粒子とフッ素樹脂材料(PTFE)を主原料とする多孔質な導電性カーボンシート成膜技術を確立しました。

 GDLの材料コストを1/10にまで削減するとともに、電解質膜の 耐久性向上により、システム寿命を従来比20%向上させるなど、家庭用燃料電池の普及に貢献しています。

青少年支援部門

『尼崎ロボットテクニカルセンター(ARTC)における人材育成事業』
(高丸工業株式会社(兵庫県尼崎市))
写真:以下に解説
産業用ロボット特別教育
写真:以下に解説
産業用ロボット操作等に関する研修会

 中小企業等のユーザーが、実際にロボットを見て、使って、比較できる「尼崎ロボットテクニカルセンター(ARTC)」を開設し、県内児童養護施設や工業高校等の生徒を対象とした、産業用ロボットの操作に関する研修会や、「産業用ロボット特別教育修了証」の交付など、ユニークな就職活動支援を実施しています。

 若年層人材の就業意欲の醸成に貢献するとともに、ロボット導入を進めたい中小企業への人材供給を支援しています。

優秀賞

製品・技術開発部門

『レジ業務の大幅スピードアップを実現!パン画像識別装置「BakeryScan」』
(株式会社ブレイン(兵庫県西脇市)[受賞者7名])

※受賞者のうち2名は、公立大学法人兵庫県立大学、株式会社ドンクの共同開発者

写真:以下に解説
「BakeryScan」使用方法

 焼きたてパンのように、大きさや形状に差がある「あいまいな個体」を、個体差があっても変化しない特徴量を自動的に選択することで、高速・高精度に識別するアルゴリズムを開発しました。また、日々使用することで自動的に学習を行い、識別精度をさらに向上させる機能も開発しました。

 更に、POSシステムとの連携によって、商品毎の売上データの収集・詳細分析が可能となり、機会損失と廃棄商品の低減に貢献しました。

製品・技術開発部門

『柔軟な発想と高い技術力で軽量化と低コスト化を実現した世界初のドライブプレート』
(株式会社平安製作所(滋賀県高島市)[受賞者6名])
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全プレス加工のリングギア
写真:以下に解説
座屈現象を活用した増肉歯成型

 従来は不具合とされた座屈現象を活用し、プレス加工のみで歯車をつくる増肉工法及び成形時にギヤのバリを面取りする新工法を開発しました。

 また、製造工程の削減と新材料開発との組合せにより、従来品比約20%の軽量化、約30%のコスト削減を実現しました。

 関連企業との連携による完成部品生産体制を構築し、中小企業が主体となる提案型ビジネスを推進しています。

製品・技術開発部門

『100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ100』
(住友ゴム工業株式会社(兵庫県神戸市)[受賞者6名])

※受賞者のうち1名は、三菱化学株式会社の共同開発者

写真:以下に解説
高機能バイオマス材料の技術開発ロードマップ
写真:以下に解説
「エナセーブ100」製品イメージ

 合成ゴム等から天然ゴム等への「天然置換え」、ウエットグリップ性能を高めた改質天然ゴムの開発による「改質置換え」、バイオマス由来の芳香族の合成や新たなバイオマスカーボンの製造等による「創生置換え」等の技術を確立し、100%石油外天然資源による乗用車用タイヤ「エナセーブ100」を開発しました。

 原材料の置換えだけではなく、耐摩耗性能を従来品比で19%向上するなど、基本性能の向上も同時に実現しました。

製品・技術開発部門

『小型半開放コイル、ディスクトランスの開発による乗用車用高性能高周波焼入装置の開発』
(富士電子工業株式会社(大阪府八尾市)[受賞者7名])
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半開放コイルを用いた焼入装置
写真:以下に解説
部品狭小部を均一に焼入

 新開発の「クランクシャフト高周波焼入装置」は、小型化で加工が困難となりつつある自動車用エンジンのクランクシャフト等で特に高い負荷がかかるコーナー部を確実に焼入して強靱化を図るとともに、焼入の均一化や低加工変形も実現しました。

 同装置は、国内で約80%、世界で20%のシェアを確立。また、同装置で使用する自社製インバータの熱交換率は、約95%と世界トップクラスで、消費電力の低減に大きく貢献しています。

伝統技術の応用部門

『立体構造物による高性能OAプリンター・トナー・シール部材の開発』
(青野パイル株式会社(和歌山県橋本市)[受賞者7名])
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全自動立毛編機
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特殊パイル織物を用いたトナーシール材

 地域の伝統的な立毛織編物の技術を活用し、世界最高レベルとなる1インチに36本の高密度立毛編み機の開発に成功。従来と異なる産業資材分野であるOA用プリンター印字トナーシール材を開発しました。

 感光ドラム面との接触が「面」から「点」になることで、動摩擦抵抗の軽減による発熱解消や、高速回転時の摩擦による異音発生低減という効果もたらし、製品の品質向上に大きく貢献しています。

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 製造産業課
電話:06-6966-6022

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