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新・ダイバーシティ経営企業100選について
~多様な人材の活躍を、企業の成長力に繋げる~【株式会社中央電機計器製作所】
担当課室:産業人材政策課
  

最終更新日:平成28年11月1日

本コーナーは、「新・ダイバーシティ経営企業100選」(経済産業大臣表彰)の平成27年度受賞案件の中から、近畿管内の企業を毎月取り上げており、今月はベストプラクティス集から株式会社中央電機計器製作所の取組を紹介します。

※ダイバーシティ経営とは「女性、障がい者、外国人、高齢者など、多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」のことです。

株式会社中央電機計器製作所

外国人女性係長の指揮による工数一括管理と「ものづくり女子」によるプロセス改善で社内が活性化

ダイバーシティ経営の背景

株式会社中央電機計器製作所(以下「同社」)は1930年に創業し、寸法自動測定装置・計測システムなどの開発・製造事業を展開しています。

これまで、検査機器市場で順調に業績を伸ばしてきましたが、リーマンショック後に、取引先企業が製造拠点を海外にシフトしたことや国内市場が縮小しつつあるとの危機感から、海外市場の開拓並びに新規事業の展開および新商品の開発が不可欠でした。しかし、従来、製造部門を担ってきたのは日本人男性社員が中心であり、新発想が生まれにくい状況でした。

このため、社長は、女性、外国人、そして若手の活躍を推進することにより、様々な考え方を活かして新規事業の展開、新製品の開発につなげるとともに、社員のモチベーションアップ、社内の活性化を図ることを期待しました。

特に、女性については、エンジニアを志す男子学生が減少傾向にあることや、大阪府内で女性の活躍により成長を遂げている他社の存在に刺激を受けて、ものづくりに興味を持つ女子学生の積極的な採用や、それまで主に総務・経理事務を担当していた女性社員の生産現場への配置転換といった取組を実施しました。併せて、彼女たちの参画により、連日の深夜残業も珍しくない生産現場の状況を事務職の経験や育児経験を含む新鮮な視点から見直し、業務の効率化や職場環境の改善につなげることも期待しました。

外国人については、現会長が社長であった2000年頃、初めて米国人留学生を採用して以来、中国人、タイ人、ベトナム人の留学生を次々に採用し、アジアを中心とした海外営業におけるブリッジ人材としての活躍を期待しました。

取組内容

1.「ものづくり女子」、外国人留学生の積極採用と育成

製造現場へ配属された女性には、新たなキャリアパスを提示しており、近年は、グラフィカルプログラミング、従来男性が担っていたCADオペレータや機器の組立も任せています。さらに、研究開発部門を新設し、希望を受けて、2年目の女子社員を配属しました。

外国人社員の採用については、先代から引き続き、現社長も留学生向けの企業説明会に自ら説明に出向くとともに、外国人留学生を対象としたインターンシップを実施しており、採用につながった例も2例あります。

採用した外国人に対しては、会長夫妻自らが「日本の父・母」となるべく、コミュニケーションを図っています。例えば、自宅で開催するホームパーティに招く、外国人社員の母国を訪れた際には家族を訪問する、家族が来日した際には面会を欠かさないなど、家族ぐるみの交流を親身になって行っています。

また、社内では、外国人社員を講師とした勉強会の開催に加え、母国の言語や文化を日本人社員に教える機会を設けるなど、日本人社員との親睦を通じて、文化的なギャップの解消を図る取組も行われています。

多様な人材の活用に際しては人事評価にも配慮しています。同社で使用されてきた「スキルシート」は社長の代替わり後に内容を充実させ、能力および成果が公平に評価される仕組みを整備しました。

また、個々の成長を可視化するとともに、管理職については部下の教育を評価項目に加味し、若手の能力の底上げを図っています。

社員のスキル向上にも精力的に取り組んでいます。社内における「共育委員会」では、ベテラン社員によるソフトウェア・ハードウェア技術講座、技術系資格取得講座などを開講し、これらの講座を通じて得意先大手メーカー認定のハンダ付け・圧着技能認定試験に女性社員3名が合格しており、同社に納める基板製品の検品資格も取得するなど、成果を上げつつあります。

外国人社員が母国の言語や文化を日本人社員に教える

外国人社員が母国の言語や文化を日本人社員に教える

2.元中国人女性係長の指揮による工数一括管理

帰化した元中国人の女性社員を、育児休暇復帰後に初の女性係長に登用しました。同女性係長は、以前は各部で行っていた工数・納期の管理について、製造各部の女性社員とともに一括管理する仕組みを構築しました。この仕組みにより効率的に集約した管理状況を毎週会議で報告するほか、工数オーバーや納期遅延の指摘、業務の標準化などを進言し、生産性の向上に貢献しています。

そのほか、女性社員3名を主任に登用するなど、積極的なキャリアアップを促しています。

また、同社では、毎週水曜日のノー残業デーを徹底させるべく、終礼を行い、定時退社を促進し、残業は許可制としました。終礼の実施は、若手社員の「早く帰りづらい雰囲気がある」という声を聞いた上長が提案し、即実行されたことにより、若手社員の間での「自分たちも会社を変えていける」という経営参画意識の醸成にもつながりました。

3.部門間に横串を刺す様々な取組

同社ではより風通しの良い組織、若手のモチベーションアップ・即戦力化を目指し、部門横断的な様々な取組を推進しています。

一つの例としては、「新人ワーキンググループ」があります。これは現社長発案によるもので、社長から提示された課題に取り組んでいるものです。昨年は、入社1年目の社員4~5名が、新製品の企画・新ビジネスプラン策定に取り組みました。斬新な発想を期待するとともに、育成の観点では、プロジェクトを通じて個々の社員の適性の見極めにも活かしており、ジョブローテーションの参考にもしています。課題の成果としては、今後注力すべきライフサイエンス関連の新ビジネスプランも出されており、実現にむけた市場調査、事業計画化が検討されています。

もう一つは、「委員会活動」です。前述の「共育委員会」のほか「標準化委員会」「危機管理委員会」「フレンドシップ委員会」「広報委員会」があり、本来の部署を超えた活動を行うことによって社員間の連帯感を高めています。

さらには、会長の時代から継続される、2か月に1度の「ケーキの日」、「カレーの日」です。前者は数少ない女性社員をつなぐ機会として活用されています。後者は経営層と若手社員をつなぐ機会として機能しており、社長の考えを朝礼以外で若手社員に直接伝えられる場となっています。

こうした活動により、社内の情報共有や相互理解が進み、部門間での連携もスムーズになり、課題解決までのスピードアップが図れるようになっています。

成果

これらの取組を背景に、同社の売上、経常利益は順調な伸びを示し、昨年は過去最高の売上6億5千万円を更新しました。今年はさらにそれを上回る見込みです。特に、市場が拡大しつつあるMRI監視装置の伸びが大きいですが、同装置の受注拡大に伴う生産体制の強化や品質改善には、新規に配属された若手女性社員が貢献しています。具体的には、製造・出荷試験体制の強化のほか、組立中の製品・部品を1台ずつワゴンで管理し、ふたに挟まりやすい複数コードをチューブで束ねるといったプロセス改善などに取り組みました。こうした影響もあり年間100台ずつ受注が増加している同装置は、当初月産10台体制から現在は40台体制を実現するに至っています。

中国人、タイ人の社員は、海外の展示会・商談会などに積極的に参加して市場開拓を図り、それぞれの国において、自社ブランド製品である寸法自動測定装置の受注に繋げています。

また、2013年、ASEANにおける海外営業および技術サポート拠点として、バンコクに事務所を開設し、現地法人の設立を準備中です。社長は、いずれは、タイ人社員にこの拠点の統括を任せたいと考えています。

性別、文理、国籍を問わない社員の活躍が評判を呼び、就職説明会では同社ブースには長蛇の列ができ、応募は30倍となるほどで、求める人材を着実に確保しています。

「KANSAIモノ作り元気企業100社」(近畿経済産業局)、「大阪の元気ものづくり企業」(大阪府)にも選定されたほか、会長への講演依頼も多数あり、外国人材活用のモデルケースとなっています。

掲載関連情報

企業名
株式会社中央電機計器製作所外部リンク
所在地
大阪府大阪市都島区内代町2-7-12
電話番号
06-6953-2366

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このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 地域経済部 産業人材政策課

電話:06-6966-6013

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