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最終更新日:平成29年7月31日
本調査の対象となる生物由来の有機資源(以下、「バイオマス資源」という。)は、持続的な再生が可能であるとともにカーボンニュートラルであるという特性を持っており、利用促進による地域活性化への貢献が期待されています。
バイオマス資源は、国内において豊富に存在し、新エネルギーとしての利用のみならず、バイオプラスチックとしての活用など、その用途については、他分野に可能性を広げています。また、昨年9月に閣議決定された「バイオマス活用推進基本計画」では、地域に存在するバイオマス資源を利活用して、地域が主体となった持続可能な事業を創出し、ここから生み出された経済的価値を農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につなげていくことなどに重点を置いています。
このようにバイオマス利活用の促進が政策として進められる一方で、各自治体では、バイオマス資源を十分に活用出来ず、コストをかけて処理したり、放置されているのが現状です。また、バイオマス利活用技術に関する特許技術は多く出願されていますが、技術内容は多岐多様であるため、一般企業や自治体が有効な技術を見いだすことは困難でした。
そこで本調査では、バイオマス利活用技術に関する特許について、本調査対象とした8つのバイオマス(竹・間伐材・藻類・汚泥・農作物残渣・バイオ燃料・バイオプラスチック・セルロースナノファイバー)において、各項目ごとに、特許データベースにより検索および抽出した結果をもとに、技術の全体概要、特許取得数の推移、引用の多い代表的な特許および近年の技術トレンドについて整理し特許マップとして表しました。また近畿地域を中心に、大学等が保有する先進的な特許、実用新案および技術シーズ等から、今後、一般企業や各自治体による活用が見込まれる知的財産等を発掘するとともに、各自治体がバイオマス資源を活用した地域施策の企画立案の参考となるように、知的財産等の情報から、事業化が有望と見込まれる技術等を12件抽出し、ヒアリング等の実施において得た情報をもとにPRシートを作成しました。
本調査が各自治体における地域創世に向けたバイオマス資源を活用した施策の企画立案、もしくは、大学等から企業への知的財産等の移転や事業化の一助となれば幸いです。
項目 | 対象バイオマス等 | タイトル | 大学等研究機関 |
---|---|---|---|
1 | 竹 | 竹を効率的に回収し放置竹林の利活用推進 | 前川鉄工株式会社 |
2 | 間伐材(木材) | 地域の木材で高付加価値の断熱材を製造 | 奈良県十津川村 農林課 |
3 | 間伐材(木材) | バイオマスの廃熱で効率的に発電 | 株式会社eスター |
4 | 藻類 | 清掃工場のCO2を活用し藻類産業を集積 |
佐賀県佐賀市 バイオマス産業都市推進課 |
5 | 藻類 | バイオマスから未来の基盤的素材の製造 |
神戸大学 科学技術イノベーション研究科 バイオ生産工学研究室 |
6 | 汚泥 | 下水汚泥を従来の10倍の速度でバイオガス化 |
大阪府立環境農林水産総合研究所 環境研究部 資源循環グループ |
7 | 農作物残渣 | ミミズ由来の酵素でバイオエタノール製造 |
大阪府立大学生命環境化学研究科 応用生命化学専攻 生命機能化学分野 |
8 | バイオ燃料 | オンサイトで生ごみから燃料を製造 | 株式会社大阪瓦斯 |
9 | バイオ燃料 | 過熱水蒸気を用いたバイオマスエネルギー回収装置 | オリエンタルテクノエンジニアリング株式会社 |
10 | バイオプラスチック | 植物から機能性材料を製造 | 株式会社白石バイオマス |
11 |
セルロース ナノファイバー |
21世紀の高機能素材を「植物」で創る |
京都大学生存圏研究所 生物機能材料分野 |
12 |
セルロース ナノファイバー |
原子線照射を殺菌・減菌や材料改質に活用 |
原子燃料工業株式会社 照射サービス部 |
近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課
住所:〒540-8535 大阪市中央区大手前1-5-44
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