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「近畿のイケテル商店街」レポート4 

最終更新日:平成29年6月9日

ファッショナブルタウン「神戸」の一角で個性を発揮する「古き良き時代の商店街」【垂水商店街振興組合】(兵庫県神戸市)

訪問日:平成28年3月11日
協力AD:川崎 ますみ

震災後の大型店の進出を契機として商店街が一致団結して、組織・ハード・ソフト面の取り組みを実施

垂水商店街の様子①

垂水商店街のある神戸市垂水区は、「神戸市」の西端に位置し、「明石海峡大橋」の本土側の起点でもあります。商店街は、JR神戸線と山陽電鉄の「垂水駅」の直ぐ北側に拡がっており、両駅の乗降客数は1日に約4万人あることから、比較的賑わいのある商店街です。しかしながら、平成7年1月に発生した「阪神・淡路大震災」後、駅の東西には商店街を挟むように再開発ビルが建設され大型商業施設が誕生したことから、商店街の賑わいにも陰りが見え始めました。こうした状況に危機感を抱いた商店街は、大学教授や専門家の助言を取り入れながら、組織、ハード・ソフト面の全ての分野で矢継ぎ早に手を打ちました。先ず組織面では、垂水駅前に展開していた5つの商店街で振興組合を設立、次にハード面として、振興組合の特権を活かした補助金による「カラー舗装」の整備を実施しました。更に、ソフト面の対策として、「垂水」は、「いかなごの釘煮」発祥の地であったことから、「いかなご祭り」のイベントを立ち上げました。こうした取り組みによって、徐々に人通りは増え始めましたが、商店街では、その後も最も賑わった時代である昭和の賑わいを取り戻すべく、更なる活性化策の強化を図って行くことになりますが、これは、次の項でご紹介しましょう。

 

理事長、副理事長のリーダーシップの下、ユニークな「まちゼミ」の展開とITの活用

まちゼミの様子

垂水商店街は、昔ながらの店舗も多く、レトロな商店街で、プロ根性を持った人情味溢れる店主が大勢います。こうした商店街の特徴を活かして取り組みを始めたのが「まちゼミ」です。店主等が講師となって専門知識やプロのコツを無料で教える「まちゼミ」は、今、全国の商店街で活性化の切り札として色々な商店街で実施されていますが、垂水商店街の「まちゼミ」は、ひと味違います。それは、ゼミ内容のユニークさです。例えば、気になるシワやシミを綺麗に修正して10歳若く見せる「写真修整体験講座」、銀行員が大量のお札を鮮やかな手付きで素早く数える秘伝を伝授する「お札の上手な数え方講座」、更には、経営には欠かせない決算書の見方や「ふるさと納税」の手続方法を税理士が教える「税務関係講座」など、30種類以上の聞いただけで楽しそうな得する「まちのゼミナール」が目白押しなのです。こうしたユニークな内容の講座を優しい店主さんやイケメン銀行員が懇切丁寧に教えてくれる垂水商店街の「まちゼミ」は、過去3回実施されていますが、回を追うに従って参加者が増え、新規の顧客になっています。この他、商店街では、石井理事長や谷口副理事長のリーダーシップの下、委員会を構成して、ホームページのリニューアルや「金券ガラポン大会」の開催等を実施して、商店街の賑わい作りに取り組んでいます。また、組織活動にはサイボウズを利用して若手の参画意欲を高めるなど、最先端のIT活用も行っています。

 

キャッチフレーズを商標登録、『なんか、めっちゃたるみ』で元気継続

垂水商店街の様子②

垂水商店街の取り組みが商店街の賑わいだけに止まらず、「垂水」の街全体の人気の上昇に繋がってきています。今では、空き店舗は100店舗中の僅か4店舗のみで、商店街の空き店舗は直ぐに埋まる状態です。こうした中、商店街では、更なる一手を打ち始めました。キャッチフレーズの作成です。居酒屋さんでは「なんか、めっちゃ昭和」、魚屋さんでは「なんか、めっちゃウオー(魚)」など、関西弁丸出しのキャッチフレーズ『なんか、めっちゃ』の後ろにお店ごとのイメージにあった言葉を加えて使用しています。PRソングも「なんか、めっちゃたるみ。」です。商店街ではこのキャッチフレーズを商標登録して、今後、商標マークを付けて使用していく予定です。また、商店街では、神戸市と共同で3年計画(最終年度は28年度)による商業活性化策にも取り組むなど、官民一体となった活動も行っています。今後は、「近隣住民」「垂水駅利用客」「観光客」と異なるタイプの顧客の取り込みを図っていくことが一つの課題ですが、「この道ひと筋」の経験豊富なプロが集う商店街の「人」的力が更なる商店街の活性化を達成していくことが期待されています。

 

 


要因分析表
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商店街データ
 商店街名:垂水商店街振興組合
 所在地:神戸市垂水区宮本町4-12(副理事長店舗)
 担当者:副理事長 谷口 洋子
 連絡先:078-707-4650

 

 

他に真似できないこだわりの店づくりでにぎわいを継続(大安亭市場協同組合)神戸市中央区

訪問日:平成28年4月27日
協力AD:藤井玉男

市場という名の商店街

大安亭市場の様子① 大安亭市場は、阪神・阪急春日野道駅から西へ徒歩5分、神戸の中心街三宮からも徒歩圏内にありながら昭和の下町風情が残る住宅街の中にある南北250メートルにわたるアーケード商店街です。
 平成26年には阪神・淡路大震災を耐え抜いたアーケードが、50年ぶりの大改修と照明のLED化によりリニューアルされ、アーケード内はたいへん明るくなりましたが、商店街の醸し出す雰囲気は下町情緒満載の市場の様相です。アーケード内に響く各店舗を紹介する場内放送やアーケードに吊るされた「大安亭市場・安くて買いよい何んでも揃う」と書かれた大看板に下町モードは更に盛り上がります。
 市場という名前が示すとおり、生鮮食料品店や食材、総菜店が軒を連ねます。各店舗も非常に明るく、これでもかというほど店いっぱいに陳列された商品は通りにあふれんばかりの勢いで(あふれていますが・・)圧巻です。大安亭市場はその品揃えの豊富さと価格の安さから神戸の台所とも呼ばれ、地域住民はもちろん三宮飲食店街の食材の調達先としても定着しており、プロの料理人も毎日訪れています。
 最盛期には、向かい側の店舗に行くにも人波をかき分けていかなければならないほどの賑わいであったと語る桑山理事長。最盛期の賑わいとまではいかないものの、今も平日で五千人の来街者があり、多くの買い物客で賑わっています。また、商店街には大手食料品スーパーもあり、生鮮三品を扱う同業種の小売店舗が多数ありながら過当競争に陥らず共存しています。その理由の一つに理事長が進める「こだわりのある品揃え・サービスの店づくり」があります。
 それは大手スーパーにはできない対面販売だからこそできるお客さんとのコミュニケーションを大切にし、プロ集団である市場として、商品だけでなく商品の知識・情報も提供するということ、また自店のポリシーやこだわりを全面に出した店づくり・品揃えをするということです。例えば、新鮮な地場産品にこだわる店、高級食材にこだわる店、珍しい食材にこだわる店、変わったところでは大きな野菜にこだわる店などがあります。各店舗が異なるコンセプトに基づいて品揃えをすることが同業種店舗の差別化になるとともに商店街全体の商品バリエーションが非常に豊富になります。これにより、多様な消費者ニーズに応えられるようになり、お客さんは自分に合った店をみつけることができるので、商店街を訪れることが楽しみになります。

震災からの復興とロダンの狸

マスコットキャラクター「ロダンの狸」 大安亭市場は百年を超える長い歴史を持つ商店街です。名前の由来は明治の中期にあった浪花節の小屋の名前で、その小屋の周辺にできた商店が大安亭市場の始まりです。
 平成7年に発生した阪神・淡路大震災は、アーケードの崩壊こそ免れたものの、30店舗が全壊する壊滅的な被害をもたらしました。そんな状況の中でも商店主らは自らも被災しているにも関わらず、歩いて商品を仕入れに行き、いち早く営業を再開しました。これは地域住民への安定供給を第一に考える商店主のプロ意識の表れであり、地域に支持されている理由の一つだと言えます。
 また、商店街にはマスコットキャラクターの「ロダンの狸」がいます。これは震災直後から、被災した商店街に毎日やって来ていた二匹の狸をモチーフにしたもので、復興が進むといつの間にか来なくなったとのことです。商店街のマスコットであり復興のシンボルでもあります。ロダンの名前の由来は、中国の故事「魯之男子」をもじったもので、「物事をまねるので無く、精神を学ぶ」という意味があり、名付け親である理事長の商店街への思いが込められています。
 またロダンの狸を主人公とした民話を掘り起し、賑わいづくりに一役買っています。「田舎から町へ出てきた狸が自分の得意としていた芝居を自信満々で披露しますが揶揄されて意気消沈、得意と思っていたことが狭い世間の中での評価であったことに気づきますが・・・。」続きは大安亭市場のホームページでご覧ください。この創作民話は近隣商店街とも連携して取り組んでおり、それぞれの商店街にゆかりのある動物が主人公となっています。大安亭市場の入口にはロダンの狸の石像が設置されており、来街者を出迎えてくれます。

地域との連携

大安亭市場の様子② 大安亭市場が地域住民と連携して実施している取組みの一つに昭和54年から30年以上続いている夜店があります。7月下旬の土曜の夜、一日限りの開催ですが、全ての出店が商店主と婦人会や子供会などの地域住民によるものです。商店主が出店する場合は自店とは関連のない出店をするということや、小学生による出店が恒例となっています。小学生だけで企画、準備、運営、後片付けまで全て行うというのが大きな特徴で、毎年たいへんな賑わいをみせています。
 また、地元の女子サッカーチームINAC神戸や神戸製鋼ラグビーなどのスポーツ応援イベントも盛んで、地域住民の交流の場ともなっています。イベントの開催は区役所とも連携して実施しており、創作民話、キャラクターマスコットの設置についても区の支援を受けて展開しています。

 豊富な品揃えで見て歩くだけでも楽しい大安亭市場。
                                           レトロなムードに浸りに訪れてみられてはいかがでしょうか。


要因分析表
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商店街データ

商店街名:大安亭市場協同組合

所在地:兵庫県神戸市 中央区八雲通5-4-17

担当者名:理事長 桑山鉄男

連絡先:(078)221-5641 

 

まぐろで観光客にPR、地域資源を活用して活性化(つきじ商店会)和歌山県那智勝浦町

訪問日:平成28年3月22日
協力AD:西尾元宏

観光地「勝浦」の衰退

 つきじ商店会の様子①那智勝浦町は、和歌山県の南部、ユネスコの世界遺産に指定された熊野エリアに位置し、那智山青岸渡寺と、落差日本一を誇る那智の滝で有名です。また、マグロと温泉の街でも知られ、平成11年には年間2175千人の観光客が訪れていました。

 紀伊勝浦駅前から港に向かって、いざかた通り商店街や駅前本通り商店街など複数の任意組織の商店街が存在し、那智勝浦町の築地地区にある商店会を総称して「つきじ商店会」と呼んでいます。

 つきじ商店会は、地元住民の買物の場として発展し、駅前という立地とホテルや旅館へ向かう動線上にありながら、観光客へマグロを提供する商売をほとんど行って来ませんでした。これは、大口客である東京など大都会向けの売上げがあまりにも多く、それだけで商売が成り立っていたからです。このため、新宮と那智勝浦町の間に大型小売店舗が立地することにより、地元住民のみを顧客とする「つきじ商店会」は、徐々に賑わいを失っていきました。

観光スタイルの変化

つきじ商店会の様子② これまで、那智勝浦町を訪れた観光客の多くは、青岸渡寺などの観光地を訪問し、ホテルや旅館にチェックインすると、街中に繰り出すこと無く旅館等の館内で過ごしていました。一泊二食が当たり前でしたので、館内の温泉に浸かって、ご飯を食べると街中に出る必要がなったのです。しかし、近年になり、観光客の観光スタイルにも変化が生じてきました。かつては、当たり前だった、一泊二食が、朝食のみや素泊まりといった形が好まれるようになってきました。前述したように、つきじ商店会に観光客を迎え入れる体制がありませんでした。つまり、「マグロの街」という印象はあっても、街中で「マグロ」を食べて貰える仕組みが出来ていなかったのです。時代のニーズを取り入れる工夫が必要となってきました。

 

 始めに取り組んだのは、地元では利用されていなかった「マグロの中落ち」を観光客に提供することです。これが観光客に好評で、それまで卸売りだけをしていた商店が、小売りを始める店舗もでてきました。今では、セルフのマグロ販売所も数カ所できています。観光客が食べ歩きできるようになり、名実ともに「まぐろの街」へと変わっていったのです。

 様々な取組

つきじ商店会の様子③ 観光客のお金を落とす仕組みの変化により、「泊まり」と「食」の分離が進みました。観光客を商業地域に流していくため、官民が一体となって、様々な取組を実施しました。大手旅行会社の協力を得て、体験ツアーを実施することにより、観光客のニーズと、地元の考えの違いが明らかになったといいます。また、温泉の街をPRするため、湯巡り手形を発行しました。民宿に宿泊する観光客がホテルや旅館の露天風呂に入りに行くようになるため、街中への誘導が可能となりました。そのほか、マグロを提供する店舗を紹介した「紀州勝浦生マグロマップ」や駅周辺の散策マップも兼ねた「当店の一イチオシぶらり散策ガイド」などを発行し、観光客へのPRを強化していきました。これらの取組により、これまで以上に那智勝浦に「まぐろの街」という印象を大きくすることに成功したのです。

マグロ関連商品 那智勝浦町のもう一つの地域資源である「温泉」にも活用を広げています。町歩きをする観光客のために、築地地区の3ヶ所に「鮪乃湯」「滝乃湯」「海乃湯」という足湯を設置しました。誰でも無料で利用することが可能で、歩き疲れた足を休めるにはもってこいです。「梅乃湯」に入りましたが、潮のかおりと心地よい海風を頬に感じながら「時間を忘れる」という言葉を実感したひとときでした。

 地域住民のライフスタイルと観光スタイルの変化を的確に捉えた対応こそが、「つきじ商店会」を含めた周辺地域の活性化に繋がっているのだと理解いたしました。

 

 

 

 

 

要因分析表

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商店街データ

商店街名:つきじ商店会

所在地:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町築地8-5-1

担当者名:経営指導員 大江 伸二(南紀くろしお商工会)

連絡先:0735524111(南紀くろしお商工会)

 

 

 

 

 

 

 




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