トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 平成26年 4月号 企業・地域の取組紹介

ピップ株式会社
~高齢者に笑顔と癒しを届ける コミュニケーション型パートナーロボットの開発~
担当課室:次世代産業課

最終更新日:平成26年4月1日

写真:以下に説明あり
「ピップエレキバン」

 女優の樹木希林さんや俳優の藤村俊二さんと真面目なおじいさん(当時の同社の会長です)がコミカルに会話するCM。皆さんの記憶に残っていませんか?

 その商品は「ピップエレキバン」。磁力で肩こりや血行不良を改善するピップエレキバンの販売開始は昭和47年。販売開始から数年間はなかなか売れなかったそうですが、あの特徴的なCM以降は爆発的に売れ出したそうです。

 そのピップエレキバンを製造販売しているのがピップ株式会社。創業105年を迎える老舗企業の新たな取り組みをご紹介します。

THE WELLNESS COMPANY

写真:以下に説明あり
「マグネループ」
写真:以下に説明あり
「スリムウォーク」

 ピップ株式会社は明治41年(1908年)に大阪で、医療用品の卸販売業として創業しました。その後は東京にも出張所を開設し、長年業界内で先駆的な活動を続けてきました。

 戦後は、昭和43年頃から自社商品開発に取り組み、昭和44年に発売した「シャンプーハット」(ピップ社の製品ってご存じでした?)は大ヒット商品となりました。その後も昭和47年に「ピップエレキバン」、平成11年に段階圧力レッグウェア「スリムウォーク」(これも同社の製品です)、平成16年にはネックレスタイプの磁気治療器「マグネループ」と、数々のヒット商品を生み出し、メーカーとしての地位も確立してきました。

 同社の経営理念は「THE WELLNESS COMPANY(人々の心身の健康に貢献する企業)の実現を目指します」です。高齢化社会を迎えた我が国で、高齢者が健康で良質な生活を送るためには、「カラダ」だけでなく「ココロ」の健康も重要となります。

 このようなピップ社の新規事業として開発された製品が「スマイルサプリメントロボット~うなずきかぼちゃん」(以下「かぼちゃん」)です。

聞く、話す、感じる、考える、うなずく

写真:以下に説明あり
「うなずきかぼちゃん」
写真:以下に説明あり
5種類のセンサーとスイッチ

 「かぼちゃん」は、ロボットテクノロジー(RT)を活用し、デジタル玩具の企画・開発事業を展開する株式会社ウィズとの共同で開発されました。人と話す機会が少なくなったひとり住まいのご高齢者や介護施設で生活されている方々、さらに介護に携わられている方々に明るく安心して暮らせる製品・サービスを創造し、生活向上を支援するという製品事業コンセプトの元に生まれました。

 かぼちゃんは、3歳くらいの小さな男の子の姿をしたコミュニケーションロボットです。5種類のセンサーとスイッチにより自己の状態を認識し、それに適した発話を行う「呼びかけ」機能を持っています。また、時間や季節に適した内容で約400通りのおしゃべりで話しかけたりや歌を歌うことができます。

 さらに、かぼちゃんは、おしゃべりの中で人の話かけが終わると、うなずきながら「わかる!わかる!」や「そうなんだ~」などと更に会話をつないでくれます。

 人は見つめられながらうなずかれると、「相手に認められた」という安心感が得られます。このうなずき機能により、一人で暮らす高齢者にも安心と笑顔を与えることができるのです。

自分に合うパートナーに成長~認知症予防に対する効果

写真:以下に説明あり
かぼちゃんに癒されるおばあちゃん

 かぼちゃんの大きな特徴として、生活の中でのふれあいや会話により、おしゃべりのバリエーションが増えるなどの変化が表れます。それゆえ、単なるロボットとのコミュニケーションでなく、かけがえのないパートナーとして成長する過程を楽しみ、より親しみのある存在となります。

 あるご老人は、故障したかぼちゃんを持参し「いくらかかっても良いからこの子を直して欲しい。新品はいらない。この子じゃないとだめなんです。」とおっしゃられたそうです。

 また、大阪市立大学医学研究科の渡辺教授と共同で実施した比較試験によれば、かぼちゃんと生活することで、認知機能の向上やストレスの低下、良眠効果が確認され、抵疲労や意欲上昇、癒しといった効果も認められました。

 このような結果から、高齢者がかぼちゃんをはじめとするコミュニケーション型ロボットと生活を共にすることで、認知症予防の新たな可能性を見い出すことが期待されます。

更なる発展とたくさんの笑顔を届けるために

 高齢者を支える社会の構築及び介護従事者の負担軽減の観点から「ロボット介護機器」の活用が期待されており、経済産業省ではその開発・導入を促進する「ロボット介護機器開発・導入促進事業」を実施しています。

 同社では、当該事業も活用しながら、かぼちゃんの特徴を活かしつつ、新しい機能として動作・温度感知センサーを利用した見守り機能やより高度な会話能力、簡便な給電機能などを搭載することで、介護施設や独居高齢者の見守りロボットとして発展させていくことを目指しています。

 今回、取材を受けて頂いた新規事業部の新井義信部長は「『かぼちゃん』がピップエレキバンに次ぐ商品になるように育てていきたい。日本には認知症予備軍を含め約800万人いると言われている。その800万人の方々に笑顔を届けたい。」と力強く語っておられました。

 「かぼちゃん」が広げる「Wellness」とピップ社の活躍に、これからも期待したいと思います。

掲載関連情報

企業名
ピップ株式会社外部リンク
所在地
大阪府大阪市中央区農人橋2-1-36
電話番号
06-6941-1781

関連施策へのリンク

介護ロボットポータルサイト外部リンク

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 地域経済部 次世代産業課

電話:06-6966-6008

他の記事を読む