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まほうびん記念館
~象印マホービン株式会社、企業博物館の新しいあり方~
担当課室:広報・情報システム室

最終更新日:平成26年4月1日

大阪の特産品、魔法瓶

写真:以下に説明あり
戦後第1号の卓上用まほうびん、ポットペリカン

 今や子供から大人まで、一人一つは持っている「エコなもの」といえばマイボトル。「職場でも外でも、自分好みの飲み物を“暖かい”“冷たい”ままで飲みたい!」-そんな希望を叶えてくれる魔法の容器は、すっかり私たちの生活に欠かせない一品となっています。意外と知られていませんが、魔法瓶は大阪の地場産業であり、事業所数、出荷額共に全国1位です。

 魔法瓶は、明治時代末期頃にドイツから日本に輸入されました。大阪は日本のガラス工業発祥の地であり、ガラス工業をリードする地域として、魔法瓶の中びん製造が始まりました。その後、東南アジアに進出した欧米人向けに、日本からの魔法瓶の輸出が盛んになり、大阪府の特産品として発展してきました。

まほうびん業界の過去、現在、未来

 1918(大正7)年、市川兄弟商会として大阪の地に誕生した象印マホービン株式会社は、創業時の中びん製造から自社での魔法瓶製造へと歩みを進め、真空のテクノロジーを基本に魔法瓶や炊飯ジャー、コーヒーメーカー、ホットプレートなど、より便利で豊かな暮らしに役立つ製品を開発してきました。

 創業90周年を機に設立された「まほうびん記念館」では、日本に輸入されてから一世紀が経過した魔法瓶の、勃興期から現在までの進化の過程が展示されています。その他には、魔法瓶技術の基となる「真空」状態を実際に見て触って理解できる体感コーナー、まほうびんの切断模型、昔懐かしいテレビCMを楽しめるシアター、魔法瓶の未来の姿など、楽しく魔法瓶に関する知識を学ぶことができます。

業界全体を引っ張る博物館

写真:以下に説明あり
左:粟津 初代館長、右:山口 現館長

 「まほうびん記念館」の初代館長の粟津さんと山口館長にお話を伺いました。

 「『象印マホービン博物館』ではなく、『まほうびん記念館』にしたのは、自社の歴史や製品史料の紹介をメインとする企業博物館や創業者記念館ではなく、より普遍的で産業史的なものとすることで、業界のリーディングカンパニーとしての業界発展を意識した『業界全体を引っ張る博物館』にしたかったからです。」記念館の創設理念を語る粟津初代館長は、マスコミでの勤務の後に、象印マホービンに入社し、広報を担当。まほうびん記念館の設立に携わり、初代館長として5年間務められました。現在は、企業コミュニケーションの一つとしての企業博物館の役割を研究されています。

 山口現館長は、同社で営業・企画・総務などを担当された後、館長となり、幅広いセクションでの実体験を活かした、わかりやすい説明をしていただきました。

企画展の役割

 まほうびん記念館には、幼児からお年寄りまで多くの来館者があります。当初は従業員が取引先を連れて来ることが約半数を占め、一般の方は少なかったのが、現在では一般の方が6割を占めています。

 常設の展示だけでなく、工夫を凝らした企画展に力を入れて取り組まれています。「自社だけではなく、来場者に役立つ企画を意識し、新たなテーマ探しに知恵を絞っている」と企画展には山口館長の永年の経験が活かされています。これまで、企画展では、「水筒展」、「まほうびんの転化・変化・進化展」、「象印の象コレクション展」などが催されてきました。今年の6月末までは、「ジャー物語 炊飯と保温の歴史」展が開催されています。昔の「竈(かまど)」から、保温機能のみの「ヂャー(昔はこう表記)」、炊飯機能が付いた「ジャー」、そして、南部鉄器製の内釜を持つ、普通米でもコシヒカリ並に美味しく炊けるという最新の炊飯器まで、ずらりと並ぶ姿は、私たちの生活様式の移り変わりそのものであり、大変興味深い展示内容です。

写真:以下に説明あり
手前:企画展「ジャー物語 炊飯と保温の歴史」、後方:まほうびん技術 発想と開発の系譜(常設)

 「他の博物館・企業からの協力もさることながら、社内の協力がないと企画展はできない」と粟津初代館長は企業博物館における社内コミュニケーションの重要性を指摘します。社員が企画博物館に関わることで、学習機会や能力開発の機会となっています。「象印の象コレクション展」では、社内で所有する「象」グッズを収集したところ、海外支社からも出展品の見学にやってきたそうです。世界各地の従業員が企業理念を共有する場として、企業博物館が機能しているエピソードと言えるでしょう。企業博物館の運営を通し、マーケティング、パブリックリレーションとは異なるアプローチの企業コミュニケーションが生まれています。

 同社は2018年に創業100周年を迎えます。社内コミュニケーションを活かした新たな企画展が検討されています。どのような新たな気付きが生まれるのか、今から期待が膨らみます。

掲載関連情報

施設名
まほうびん記念館外部リンク
所在地
大阪市北区天満1-20-5(象印マホービン株式会社 本社1F)
電話番号
06-6356-2340(ご来館にあたってはご予約ください。)
開館時間
平日 午前10:00~12:00 午後1:00~4:00 土・日・祝日は休館

関連施策へのリンク

関西の見学可能な産業施設リストトップページ【象印マホービン(株)まほうびん記念館】

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 総務企画部 広報・情報システム室

電話:06-6966-6009

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