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産地における地域ブランドを活かした取り組み 第1回
地域ブランド「高島ちぢみ」~ブランド化による産地復活へ!~
担当課室:製造産業課

最終更新日:平成26年5月1日

「高島ちぢみ」とは

写真:以下に説明あり
高島ちぢみの生地表面

 日本独自の夏のウエア「ステテコ」の代表的な素材は、綿クレープ(ちぢみ)と呼ばれ、江戸時代末期から続く歴史のある織物です。「ちぢみ」は、滋賀県の琵琶湖西岸に位置する「高島地区」が産地であり、高島で生産された生地は「高島ちぢみ」として地域団体商標に登録されています。

 「高島ちぢみ」は、緯糸(よこいと)にだけ、強く撚りをかけた糸を用いて織り上げた後、さらし工程によって緯糸が戻ろうとする力を利用して布面にシボ(凹凸)を出すのが特徴で、このシボにより、肌に密着せずサラッとした爽やかな肌ざわりで、吸水性、速乾性も良く、高温多湿な日本の肌着素材として重宝されています。

地域ブランド「高島ちぢみ」の生い立ち

写真:以下に説明あり
晒組合の「晒し工程」
写真:以下に説明あり
織物組合の「荒巻工程」

 今でこそ、ステテコなら「高島ちぢみ」と言われるほどブランドとしての認知度があり、「女子テコ」と呼ばれる新たな購買層の広がりや、クールビズ商品として年々その生産量を伸ばしていますが、地域ブランドとして確立するまでの「高島ちぢみ」は、日本人のライフスタイルの変化や織物産業の高齢化、後継者不足による廃業の影響を受け、その生産量は1980年以降、減少の一途を辿り危機的状況にありました。

高島産地は、織物企業と組合とが一体となることで初めて製品となる織物産地であり、高島織物工業協同組合(以下、織物組合)が整経、サイジング(糊付け)した糸を、織物企業が織り、最後に高島晒協業組合(以下、晒組合)において、漂白、染色、プリント加工することによって製品となるもので、両組合と織物企業とはとても深い信頼関係でつながっています。

写真:以下に説明あり
高島ちぢみのブランドマーク

 このような中、産地の危機を打破しようと織物組合、晒組合、織物企業が一丸となって取り組んだのが「高島ちぢみ」の地域団体商標登録でした。地域団体商標登録の申請は晒組合を中心に挑戦しましたが、結果として、平成20年の最初の申請から平成24年の登録に至るまで約4年を要することとなりました。元々「高島ちぢみ」が加工方法の違いにより複数の呼び名(高島縮、高島楊柳(ようりゅう)、高島クレープ)があったため、それを統一するところからはじまり、途中、申請を行ってもその認知度の低さから拒絶されたりと、登録に至るまでには様々な苦労がありましたが、「ちぢみ」の生産において両組合と織物企業との間で培ってきた連帯感が、ブランド確立というゴールに到るまでの大きな原動力となったと言えます。

 地域団体商標登録を行った「高島ちぢみ」のブランドマークは、組合のメンバーが独自にデザインしたもので、高島地域の美しい水で晒した「ちぢみ」をイメージ出来る清涼感のあるデザインとなっており好評を博しています。また、最近では、「日本製」をアピールすることが製品の付加価値に繋がることもあり、「日本製」が一目でわかるロゴデザインが追加されました。

写真:以下に説明あり
大阪で開催された素材展「ビワタカシマ」

 ブランドを確立した時期が節電のクールビズと重なったこともあり、「高島ちぢみ」は様々なメディアで取り上げられ、大規模小売店等において特設コーナーが設けられたり、東京と大阪で開催している素材展「ビワタカシマ」でも多くの商談があるなど、地域ブランドによる効果は絶大で、「高島ちぢみ」のロゴステッカーが昨年、半年間で100万枚売れるなど、地域ブランドの成功が組合事業の安定、地域生産の安定、成長に大きく貢献しています。

次世代を担う若手経営者の挑戦

写真:以下に説明あり
杉岡取締役が立ち上げた
自社ブランド「高島(綿)クレープ」
写真:以下に説明あり
杉岡定弘取締役

 地域ブランドがもたらした波及効果で一番特徴的なことは、高島地域において、次世代を担う志高い若手経営者が、新商品の提案や企画などに積極的に取り組むようになり育ってきたことです。後継者不足で悩んでいた時代が嘘のように、現在は、晒組合の半数以上の企業において、後継者となる若手が役員として会社経営に積極的に携わるとともに、組合事業にも役員として参画するなど、産地に大きな変化が起きています。

 その中の一人が、株式会社杉岡織布の取締役の杉岡定弘氏(42歳)です。株式会社杉岡織布は、昭和30年に「高島ちぢみ」を織る機屋(はたや)として創業し、現在の杉岡取締役のお父様が2代目として伝統のちぢみ織りを守ってこられました。

 杉岡取締役は、大手繊維メーカーに就職して4年間現場での修行を積んだ後、26歳で高島に戻り会社の経営に携わるようになりましたが、現在では経営全般を任されています。「受け継がれてきた高島の織物のレベルを残しながら、新たな付加価値を生み出すことで市場の幅を広げていきたい」と杉岡取締役の意気込みは熱く、実際、自社ブランド「高島(綿)クレープ」を3年前に立ち上げて、インターネット販売を中心に積極的に展開されているとともに、自社のノウハウや強みを積極的にアピールするため、繊維業界ではまだ作成例が少ない「知的資産経営報告書」の作成にも着手されるなど、数歩先を見据えた経営を行っておられます。

新たな地域ブランドの息吹

写真:以下に説明あり
「高島帆布」のトートバック
写真:以下に説明あり
「高島帆布」のロゴ

 高島地域の綿織物には、ステテコやシャツなど衣料用の「ちぢみ」の他に、タイヤ・ベルト・ホース・テントなどに使われる「産業用資材織物」があり、この平織りで織られた厚手の布を「帆布(はんぷ)」と言います。

 この「帆布」は、従来その丈夫さから産業用途や雑貨等に使われてきましたが、使い込むほどに手に馴染み味が出てくる特徴を活かして、織物組合の組合員である駒田織布株式会社が中心となって、「高島帆布」とういブランドを立ち上げ、商標登録しました。最近では、トートバックやポーチなどのオシャレな日用品として大手雑貨チェーン等とのコラボにより商品を展開しています。

 「高島帆布」のブランドを保有する織物組合は、「高島ちぢみ」に続く新たな地域ブランドとしてこの「高島帆布」を成長させていき、将来的には地域団体商標の登録を目指しています。

掲載関連情報

企業名
高島晒協業組合外部リンク
所在地
滋賀県高島市新旭町1411番地
電話番号
0740-25-3515

企業名
高島織物工業協同組合外部リンク
所在地
滋賀県高島市新旭町旭714-5
電話番号
0740-25-3551

企業名
株式会社杉岡織布外部リンク
所在地
滋賀県高島市新旭町太田1700番地
電話番号
0740-25-2581

企業名
駒田織布外部リンク
所在地
滋賀県高島市新旭町太田
電話番号
0740-25-3466

関連施策へのリンク

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 製造産業課

電話:06-6966-6022

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