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スペクトロニクス株式会社
~“光”でイノベーションを起こす!レーザ発振器メーカー~
担当課室:次世代産業課

最終更新日:平成26年6月2日

 次世代産業課では、「プロジェクトNEXT」事業を実施し次世代ロボットテクノロジー・エネルギーシステム産業の創出を目指しています。今回は本事業の一環として当課が作成している特徴ある製品・技術を有する中小・ベンチャー企業を紹介する冊子『FLAGSHIPS2014』の中から、レーザ発振器メーカーのスペクトロニクス株式会社(大阪府茨木市)をご紹介します。

会社概要

 スペクトロニクス株式会社は、レーザ発振器や光学応用機器の開発・製造・販売事業を柱とする研究開発型ベンチャー企業です。2004年に岡田社長が祖母宅の仏間で起業して以来順調に業績を伸ばし、今年10周年を迎えました。

 岡田社長は幼少時代、素粒子物理とプログラミングが好きな少年でした。大学卒業後、エンジニアとして民間企業に就職しレーザ装置の商品企画を担当して得た知識や経験から「21世紀は光の世紀になる。先進レーザ技術はイノベーションを起こすために不可欠のツールだ!」と強い信念をもち、同社を立ち上げました。

 レーザ装置はパワー密度や照射時間と材料特性との相関で加工精度が変わるため、条件設定のノウハウが重要になります。岡田社長は「材料を加工できるところまで環境を整えることがレーザメーカーの義務」と考えており、レーザ発振器の機構設計、レーザを使用する為に必要な周辺のレンズ設計、制御のソフトウェアから部品組立てまで一貫して自社内で開発製造できる体制を整えてきました。また顧客のカスタマイズ要求にも受託開発で柔軟に対応しています。

レーザって何?

 そもそもレーザとは何なのでしょうか?

 レーザ(LASER)とは、「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(輻射の誘導放出による光増幅)」の頭文字をとって名付けられました。これは、【1】まっすぐに進む(指向性)、【2】一種類の色(単色性)、【3】重なり合い(干渉性)による出力の大きな光を放出する装置を指します。この放出された光の大きなエネルギーが材料にぶつかって化学反応を起こし切断・溶接・穴開け・マーキング等のあらゆる加工を施すことができます。レーザ加工は従来の機械加工に比べて、非接触のため材料への影響が小さい、高速加工が可能なため生産性が高い、制御がしやすい等のメリットがあります。

写真:以下に説明あり
グリーンピコ秒ハイブリッドレーザ

 近年のものづくりでは、機器の小型化に伴う加工の微細化や多品種少量生産への対応、従来の方法では加工が難しい材料への加工ニーズが高まり、レーザの適用範囲が広がっています。

 同社の製品は、リチウムイオン電池材料の切断面を滑らかにすることでショートを防ぐことができる、曲がるディスプレイに用いられるガラスや柔らかいフィルム材料を正確、高速に切断できるなど、次世代産業の技術・製品にとって不可欠となっています。過去には、太陽電池の基板に従来加工方法では不可能だった細かい溝を同社のレーザ装置を用いて彫ることで、世界最高レベルの発電効率の達成に貢献するなど、確かな実績で顧客からの厚い信頼を得ています。

スペクトロニクス社製品の強み

写真:以下に説明あり
ナノ秒パルスレーザ加工
(熱影響あり)
写真:以下に説明あり
ピコ秒パルスレーザ加工
(熱影響なし)


高精細加工例(素材:CFRP, t = 0.5mm)

 同社のレーザ装置は、他社のレーザ装置と比較して机の上に置ける程非常にコンパクトなサイズで、熱をおびた本体を空気で冷やす空冷方式を採用するなど省エネ面でも優れています。

 レーザ装置は生産現場で24時間連続稼働させることも多いため、メンテナンスのしやすさも重要な要素となります。機構をシンプルに設計して消耗部品を減らしたことで、頑丈、長寿命、かつ設置場所で部品交換対応できる等の工夫がされていることが競合の海外製品に比べて大きな強みとなっています。

 新製品のひとつである「グリーンピコ秒ハイブリッドレーザ」は従来よりも高速かつ高品質な加工が可能となりました。全体で110㎏程度のコンパクトな装置で、従来のレーザ技術では困難だった約50ピコ秒(ピコ秒は1兆分の1秒)のパルス幅の光を発生させることが可能です。一般的な材料加工レーザを使用すると、加工中に発生した熱が材料を溶かしそれが冷えて固まるとバリになりますが、本製品は光が材料に当たっている時間がとても短いため、材料に熱が発生する前に加工が完了してしまいます(バリレス加工)。さらに現在開発中のDUV(深紫外線)出力レーザは世界最高の出力をもつ微細加工用レーザになる見通しです。この技術開発を強みとして事業展開を図っていきます。

今後の展開

写真:以下に説明あり
代表取締役社長 岡田 穣治氏

 レーザの活用分野は医療機器分野や理化学用途等さらに広がっていくと予想されますが、同社はまずは産業向けのレーザ加工装置のさらなるハイパワー化に注力していきます。採択されたサポイン事業やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)補助事業等で試作した製品は必ず製品化するという会社方針をもって研究開発に取り組み、レーザ装置をさらに進化させます。

 今後は、人材育成、量産体制の増強や販売網を強化しながら「世界で最も頼りになるレーザ技術のパートナー企業になることを目指していきたい」と岡田社長はおっしゃっていました。

 「光をつくりだし、光を成形する」技術をもつ日本で数少ないレーザ開発会社として、“光でイノベーションを起こす”スペクトロニクス株式会社の発展が期待されます。

企業情報

企業名
スペクトロニクス株式会社外部リンク
所在地
大阪府茨木市永代町8-8国里ビル 5F
電話番号
072-624-0700

 

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近畿経済産業局 次世代産業課

電話:06-6966-6008

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