トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 平成26年 11月号 特集

関西とアジアのWin-Winを目指して
~アジアの環境・省エネビジネスに取り組むTeam E-Kansaiの挑戦~
担当課室:国際事業課

最終更新日:平成26年11月4日

はじめに

 近年、経済成長が続くアジア地域では、各地で水質汚濁、大気汚染、土壌汚染といった様々な環境・公害問題が発生し、その問題は一国のみならず国境を越えて他国にも影響を及ぼしています。

 一方、関西地域には、戦後高度成長期の激烈な公害問題を克服してきた経験から、環境・省エネ関連の優れた技術・製品を持つ多くの企業が集まっており、環境分野に関連する大学・研究機関等も多数存在しています。

1960年代 経済発展や工業化に伴い、水・大気・ごみなど、深刻な環境問題・公害が発生。現在 関西に数多く集積する環境関連企業の取組や技術により、環境課題を克服。

 こうした関西企業の優れた環境・省エネ技術や製品を集約し、官民一体となって、アジア市場へのビジネス拡大と、アジア諸国の環境問題の解決、更には持続的な経済発展といった、関西とアジアの双方に寄与する取り組みとして活動を行っているのが、「関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム」(Team E-Kansai)です。

「関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム」(Team E-Kansai)

 「関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム」(Team E-Kansai)は、アジアでのビジネス展開を志向する関西の環境・省エネ関連企業を中心に、2008年11月に設立されました。2014年10月現在、会員企業数は145に上り、大企業のみならず多くの中小企業が参画しており、多くが水処理、大気汚染防止、廃棄物処理といった分野において優れた技術・製品を有しています。

 主な活動は、アジア諸国のうち、タイ、中国(遼寧省・広東省)、ベトナム、インドネシアを当面の重点地域と位置付け、セミナーやHP、メールマガジン等による現地の最新情報等の提供や、国内外での企業交流会の開催、現地での展示会や商談会等へのミッション派遣・受入れ等です。

 また、日本貿易振興機構(JETRO)や国際協力機構(JICA)、海外産業人材育成協会(HIDA)、中小企業基盤整備機構等の公的支援機関をはじめ、関西経済連合会、大阪商工会議所等の経済団体、NPO、地方自治体など28の支援・協力機関と連携しつつ、重点地域ごとに異なる現地ニーズに対応したソリューション提供を目指したフォーラム活動を行っています。

関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム TEAM E-KANSAI 設立:2008年11月 会長:古川実(日立造船株式会社代表取締役会長兼CEO) 副会長:株式会社クボタ、株式会社神鋼環境ソリューション、リマテックホールディングス株式会社 参加企業・団体数:145社(2014年10月現在) 事務局:近畿経済産業局、(公財)地球環境センター) 支援・協力機関 28機関

 今年度のTeam E-Kansaiの活動から一部をご紹介します。

(1)海外展開ビジネスセミナー

写真:以下に説明
アジア環境・省エネビジネス参入セミナー(2014年7月)
九州経済産業局、中部経済産業局等との共催。
128名が参加し、盛況でした。

 Team E-Kansai のセミナーでは、海外で活動する専属コーディネータによる重点地域の最新情報の提供や、会員企業による先行事例、支援施策の紹介など、企業の海外ビジネス展開に有益な情報を提供しています。

(2)ネットワーキングカフェ(企業交流会)の開催

写真:以下に説明
上海ネットワーキングカフェ(2014年10月)
スピーカーの話題提供後、17名の参加者が現地での
取り組み等の意見交換を行いました。

 Team E-Kansaiでは、オープンで自由な交流の場「ネットワーキングカフェ」を国内外で開催しています。ゲストスピーカーからの話題提供や、参加者間での事業紹介・意見交換が活発に行われ、会員企業同士の情報共有とネットワーク作りにつながります。

(3)海外の展示会・商談会等を活用したビジネス展開支援

写真:以下に説明
アジア最大級の水処理展示会
「VIET WATER2014」(2014年11月出展予定)
※写真は昨年度の展示会の様子

 企業単独では参加することが難しい海外の展示会・商談会にミッションを派遣したり、Team E-Kansaiのブースを設置することにより、会員企業の製品・技術のPR、商談の円滑化支援等を行っています。現地では専属コーディネータによるサポートも受けられます。

Team E-Kansaiの2つの特徴

 海外で環境・省エネビジネスを展開するには、現地ニーズの把握、また現地企業とのネットワークの構築が重要です。Team E-Kansaiには2つの特徴があり、企業のビジネスを強力にサポートしています。

(1)官民連携による複層的な枠組み構築

 環境課題には、例えば、工場排水や廃棄物に含まれる有害物質の量など、一定の規制がかかっていることが多く、また、アジア諸国など新興国においては特に環境・省エネ分野における行政機関の関与の度合いが高いこともあり、行政間のネットワーク、産業団体間ネットワーク、民間企業間ネットワークといった複層的なネットワークの構築がビジネス推進のためには効果的です。

 政府間での働きかけや連携に基づき、双方の民間団体・機関がネットワークを構築し、そこから個別企業同士のビジネスに繋げていくという複層的な連携の枠組みがTeam E-Kansai の大きな特徴です。

 また、このような取り組みの一環として、相手国との間でのビジネス交流・連携促進に向けた双方の認識や方向性を一致させるために、タイ、ベトナム、中国をはじめとした相手国機関との協力文書やMOU(覚書)の締結なども積極的に進めています。

経済産業省・近畿経済産業局と中央政府、地方政府の対話 TEAM E-KANSAIと産業協会、工業協会等の連携 個別企業と個別企業のビジネス連携

(2)コーディネータによるサポート

 Team E-Kansaiのもうひとつの大きな特徴として、海外の各重点地域を担当する専属コーディネータの存在が挙げられます。

 現地で幅広いネットワークを持つコーディネータは、現地の環境関連プロジェクトや現地企業のビジネスニーズ等に関する情報収集をし、海外展開ビジネスセミナーでの講演やニュースレターを通じて会員に提供しています。それに加えて、海外での展示会・商談会等における企業のサポート、技術・製品情報のPR、ビジネスマッチングの推進、各プロジェクトのフォローアップ等を行っています。

 こうしたコーディネータによるきめ細やかなサポートが、円滑な事業展開に欠かせない要素の一つとなっています。

会員企業の声

 当社の海外進出のきっかけは、Team E-Kansaiが主催した展示会への参加でした。現在は中国とタイで排水処理機械や計測機器部品等をコアに事業を展開しています。

 最近では、中国広東省佛山市で、現地パートナー企業と合弁会社を設立し、佛山市環境保護局等とも連携しながら、VOC排出のオンラインモニタリング事業を開始しました。

 佛山市では、産業集積が進むにつれ光化学スモッグの原因ともなるVOCの排出が問題となっています。この事業では、各工場が排出するVOCガスを測定しデータを蓄積するとともに、環境保護局へデータを送信することで排出状況をリアルタイムでチェックすることができます。こうした取り組みは「国家環境サービス業華南集積区」のモデル事業として中国環境保護部の認定を受けています。

 この事業を進める際には、Team E-Kansaiのコーディネータに大変お世話になりました。佛山市南海区での展示交流会への参加をきっかけに、現地政府との交渉やMOU締結のための調整、現地法人との合弁会社設立に至るまで、ハンズオンでサポートしてくれました。

 中小企業が海外展開を進めて行く上では何かと不安も多いのですが、Team E-Kansaiのコーディネータは、現地での人脈があり、気軽に相談できるのも魅力です。

 今後もコーディネータと二人三脚で海外事業を積極的に進めて行きたいと考えています。

(大和化学工業株式会社 代表取締役 土井 潤一 氏)

今後の展望

 アジア地域では、今後も更なる人口増加が予想されており、持続可能な経済発展を成し遂げるためにも、環境ビジネスへのニーズは益々大きくなると考えられます。

 関西企業の優れた環境・省エネ技術・製品のアジアへの普及とアジア諸国の深刻な環境問題の解決に貢献することは、関西経済のみならず、アジア全体の経済発展を推進する観点からも大変意義のあるものです。

 関西とアジア地域双方にとって更なるWin-Winの関係が構築されるよう、Team E-Kansaiは今後も更なる挑戦を続けていきます。

Team E-Kansai会長からのメッセージ

写真:以下に解説
古川 実 氏
(日立造船株式会社 代表取締役 取締役会長兼CEO)

 「関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム」(Team E-Kansai)会長を務めます日立造船株式会社の古川です。

 私共のTeam E-Kansaiも設立から早5年が経過しました。その間、タイ、中国、ベトナム等の重点地域毎に、特徴のあるビジネス交流の取り組みを行って参りました。各地域で多くの商談が行われ、その中から個別の成約に結びついた案件も多いと聞いています。

 私自身も会長として、これまでにタイや中国の現地に何度も赴き、それぞれの国の政府機関や関係団体と直接面談し、双方の協力関係についての意見交換や、連携促進を確かなものとするための協力文書への署名等の活動を行ってきました。

 こうした面談の際には、現地の政府機関等から、環境対策の強化や、省エネの向上を積極的に進めていきたいとのお話があるのですが、多様な現地のニーズ・要望に対して十分な提案を行うためには、日本企業一社のみで対応することは困難であり、複数の企業の技術やノウハウを効果的に組み合わせ、的確なソリューションを提供する事が大切であると、その都度感じてきました。

 Team E-Kansaiでは、相手国が進める環境・省エネ関連のプロジェクト情報に基づき、会員企業の技術やノウハウを組み合わせ、システムとして共同で提案するという取り組みを行っています。

 アジアにおける環境改善、省エネ向上への対応は、地球規模で取り組むべき喫緊の課題であり、その重要性は年々高まっていますが、私ども日本企業にとっては、それは大きなビジネスチャンスでもあります。

 Team E-Kansaiの活動は、国内でも他に類を見ない先駆的なフォーラム活動であり、今後ますます活動を活発化させ、アジアにおける環境改善と我が国の経済・産業の発展の双方に貢献していくことを目指しています。

 今後とも、本フォーラム活動にご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

掲載関連情報

団体名
関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム(Team E-Kansai)外部リンク 新しいウィンドウが開きます

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 通商部 国際事業課
電話:06-6966-6051

他の記事を読む