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いま、滋賀のまちづくりが熱いんです!
~中心市街地活性化の核、まちづくり会社の活躍~
担当課室:流通・サービス産業課

最終更新日:平成26年12月1日

まちの活性化に向けて ~期待されるまちづくり会社~

 生まれ育ったまち、または縁があって日々の営みをおくることとなった生活の拠点が、いつまでも安心して暮らせる元気なまちであって欲しい、多くの方がそう願っているのではないでしょうか。

 なかでも、中心市街地は、商業、居住、インフラ等の都市機能が集積する「生活と交流の場」であり、文化・伝統を育んできた「まちの顔」です。その衰退が全国的な課題となっている中、地域の資源や知恵を活用するなどして、かつての賑わいを取り戻し、都市機能の維持、活性化を図る動きが各地で高まっています。

 まちづくりの取り組みは、これまで主に行政が中心となって推進してきたところですが、近年、まちづくり会社やNPO等の民間組織がまちづくりに積極的に取り組む事例が増加し、全国506市町村に1,631のまちづくり団体が存在します。

まちづくり団体数(累積)
  平成5年度 平成10年度 平成15年度 平成18年度 平成22年度
団体数 196 378 713 1,044 1,587※1

※1: 設立年度が不明な44団体を除くためH22年度の累積数は1,587となる。
(引用:国土交通省「まちづくりにおける官民連携実態調査(平成23年 3月)」)

増加の背景

まちの中に「しごと」と「ひと」

 まちづくり会社は、平成10年の中心市街地活性化法(旧法)の成立、平成18年の改正中心市街地活性化法(改正中活法)の成立を契機に増加しています。

 旧法では、TMO※2構想が打ち出され、商工会議所や商工会以外に、第3セクター及びNPOもTMOとなることができるとされたことから、これらを母体としたまちづくり会社の設立が増加し、改正中活法では、中心市街地活性化協議会を設置できる者として会社組織が含まれたことから、これを契機としてまちづくり会社の設立が増加したものと考えられます。

 上記以外に平成10年以前に設立されたまちづくり会社もあり、主に再開発事業などの事業推進主体として設立された第3セクターの一部が、まちづくり会社の役割を担っているものと想定されます。(参考文献:経済産業省調査「まちづくり会社の実態とこれから」(平成24年 3月))

※2:タウンマネージメント機関(Town Management Organization)の略。
中心市街地におけるまちづくりの運営・管理を行う機関。施設の整備・運営主体となることもある。

直面する課題

 まちづくり会社は、継続的に「地域を動かす・変えていく」仕組みとして期待され、さまざまな主体が参加するまちの運営を横断的・総合的に調整しながら「事業」としてまちづくり活動に取り組んでいます。その取り組みは不動産事業から特産品販売等まで様々ですが、多くは社会的ニーズが高く、公共性のある収益事業や非収益事業であるため、事業資金の確保をはじめ経営面は大変厳しく、人財の確保も含め行政からの支援に支えられているところも少なくありません。

 こうした課題解決に向けて、優れた人材の確保と経営体質の強化が求められる中、まちづくり会社の一部では、まちづくりへの貢献と、事業の自立性の両立を実現する新たな取り組みへの展開が始まっています。

 関西においては、いま、とにかく滋賀県が元気です。個々の取り組みに加え、横連携の組織も立ち上がり、まちづくりの機運がどんどん高まっています。

滋賀県におけるまちづくり会社の取り組み

Ⅰ 先駆者「長浜」の30年に亘るまちづくり

長浜まちづくり株式会社が生まれるまで

 滋賀県長浜市では、「博物館都市構想」(昭和59年)の理念の下、歴史的・文化的な景観を大切にした街並みづくりやイベントの創出などのまちづくり事業が展開されてきました。黒壁に代表される30年来の取り組みにより、来訪者が大幅に増加し、シャッターで閉ざされていた空き家・空店舗は新たな商機能として復活を遂げ、賑わいを取り戻すことに成功しました。行政をはじめ複数のまちづくり会社(「株式会社黒壁」(観光事業)、「株式会社新長浜計画」(不動産事業)など)が役割分担、連携することで、長期的かつ効果的な取り組みが実現したと考えられます。

 しかしながら、域外からの交流人口が増加する一方で中心市街地内の居住人口は減少し、それに伴って地域コミュニティ機能が低下するなど、新たな課題も生まれました。

写真:以下に解説
大通寺(あせび展)/ながはま御坊表参道

 このため、長浜市では、博物館都市構想の第Ⅱステージとして「長浜らしく、美しく、暮らし、働き、過ごす」をコンセプトに、歴史文化と薫り高い暮らしが息づく、活力と賑わいに満ちたまちづくりを目指すこととしました。平成21年 6月には「中心市街地活性化基本計画」(第1期)の認定を受け、その中に掲げられた目標を実現し、持続可能な活性化を総合的に図るための組織として「長浜まちづくり会社」が官民一体となって設立されたのです。

 同社は、中心市街地エリア内におけるトータルタウンマネジメント役として、まちづくり関係者(地域住民、行政、他のまちづくり会社、民間事業者等)間の調整を図り、強固なネットワークを形成することで、多種多様化する取り組みの実現を図っています。

~町家に風を通す~「町家再生型まちなか居住」事業の始動

写真:以下に解説
改修後
写真:以下に解説
住み手がいなくなり、そのまま放置された町家

 これまで、地道で多彩な取り組みを重ね、他にはない「長浜という風景」を創り上げてきた長浜には、年間200万人を越える来街者が訪れています。それに甘んじることなく、新たな発想と工夫で、来た人を飽きさせない、以前には気づかなかった別の何かを発見出来るまち、それが全国的にも成功事例として名高い今日の長浜です。

 本年4月には中活基本計画の2期に入り、「多様な人々を迎え入れ活発な交流が生まれる、誰もが住みたくなるまちづくり」という基本方針を踏まえ、若い社員が中心となって、住み人のいない「町家」と町家に住んでみたい「住人」を橋渡しする事業がスタートしました。

 長浜市の中心市街地には多くの空き家がありますが、その情報は不動産市場に出ることはなく、また所有者も収益が見込めない住宅に対する再投資意欲が低いなどの要因が絡み合って、維持管理もなされないまま腐朽、解体されるというケースが少なくありません。

写真:以下に解説
改修後の廊下
写真:以下に解説
改修前の廊下

 そこで、まちづくり会社が所有者に代わって不要品の整理などを行い、月に数回「風通し」の維持管理を行いながら、改修投資の具体的な企画を提案し、それを実行していくことで空き町家の再稼働を実現しようとする試みです。

 家を大切にしたいと思う気持ちを抱きつつも、自分ではなかなか動き出せない所有者に寄り添い、ともに考え、町家の再生を図るこの取り組みは、地域のまちづくり会社ならではの事業活動として、また、まちづくり会社の経営を支える事業として他地域のまちづくり関係者から注目を集めています。

Ⅱ 滋賀まちづくり会社フォーラム

相互連携、協働化による共生(ともいき)社会の実現をめざして

写真:以下に解説
取組を発表する長浜まちづくり株式会社の竹村氏
写真:以下に解説
設立への思いを語る清原会長

 全国的にまちづくり会社の活動が活発化する中、滋賀県では県内のまちづくり会社、準備組織、商工会議所など5社2団体の7者が発起人となって、まちづくり会社の相互連携、協働化による共生(ともいき)社会の実現を目的とする全国初の県域まちづくり会社組織「滋賀まちづくり会社フォーラム」(STMF)が設立されました。

 本年7月3日(木)に開催された設立総会では、会長に就任した「みらいもりやま21」相談役の清原守山商工会議所会頭が、「まちづくりには大変なことも多いが、実務者レベルで情報が共有できれば遠回りしないで済むこともある。この会でいろいろな悩み事を相談してもらいたい。」と設立への思いを語りました。

 また、来賓の宮本守山市長からは「このフォーラムを通じた連携、切磋琢磨により各まちが一層活性化し、滋賀県全体の盛り上りにつながって欲しい。」と期待の声が寄せられました。

社員の人材育成にも期待

 滋賀のまちづくり会社では、近年、若手の優れた人材の入社が増加傾向にあり、それぞれがタウンマネージャーへの第一歩を踏み出しています。一見、まちなかバル※3や賑わい創出のイベント活動が目立つため、「楽しそうな仕事」と考えられがちですが、実際には、地元のニーズを丹念に拾い関係者との調整を積み重ねるといった根気の要る取り組みが主で、しかも収益性の低い事業で自立経営を成立させるための知恵と工夫が求められるタフな仕事です。また、小規模組織故に、彼らが経験を積み、ノウハウを培う上では他のまちづくり会社との交流が欠かせません。

 こうした実情も踏まえ、同フォーラムでは、現場で働くスタッフで定期的な実務者会議を持ち、情報・意見交換や共通課題をテーマとする研修を実施し、各社の取り組みの円滑化を支える方針です。初回は、これからのまちづくり会社の重要な経営基盤となり得る不動産事業を取り上げ、「不動産証券化研修会」の開催が12月中旬に予定されています。

 今後は、滋賀県という同じフィールドでまちづくりに取り組む仲間を募り、県内の連携の輪を広げていきたいとしています。

※3:バル(=BAR のスペイン語)は、コミュニケーションの場として気軽に利用されている飲食店。
日本では函館市が食べ飲み歩きイベントを開催したのが元祖とされている。参加飲食店がドリンク&フードのバルメニューを提供し、参加者はガイドマップを持って食べ飲み歩くのが特徴。

組織概要

会員
株式会社みらいもりやま21、株式会社まちづくり大津
長浜まちづくり株式会社、草津まちづくり株式会社
株式会社まっせ(近江八幡市)、彦根商工会議所
東近江アーバンデザインセンター準備会
オブサーバー
滋賀銀行
アドバイザー
山本敬二氏(中小企業基盤整備機構サポートマネージャー)

終わりに

 ご紹介した滋賀県だけではなく、関西の各地で、まちづくり会社が総合プロデューサーとなって、行政の協力を得ながら活性化に向けた取り組みが進められています。

 もちろん、まちづくり会社だけで成し遂げられるものではなく、住民はもとより、地域団体、産業界等々、関係者がお互いを尊重し、役割分担をしながら一体となって取り組むことで成果につながっていくと考えられます。

 当局では、まちづくり会社の支援を通じて引き続き地域の活性化を応援して参ります。

掲載関連情報

企業名
長浜まちづくり株式会社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
滋賀県長浜市元浜町7番5号、(安藤家事務所:元浜町8番24号)
電話番号
0749-65-3935
関連リンク
「風通し」長浜住宅再生バンク~長浜の町家に住もう~外部リンク 新しいウィンドウで開きます

団体名
滋賀まちづくり会社フォーラム
(事務局:株式会社みらいもりやま21外部リンク 新しいウィンドウで開きます
電話番号
077-514-8321

関連施策へのリンク

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 流通・サービス産業課
電話:06-6966-6025

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