トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 平成27年 1月号 特集

関西経済の現状と今後の見通し ~2015年、新春を迎えて~
担当課室:調査課

最終更新日:平成27年1月5日

1.関西経済の概況

 関西地域(近畿経済産業局管内)は、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の2府5県からなっています。全国におけるシェアをみると、総面積は8.3%(2013年10月1日現在)ですが、輸出通関額(2013年)が21.0%、製造業事業所数(2012年)が19.7%、大型小売店販売額(2013年)が19.3%、製造品出荷額(2012年)が16.6%、総人口(2014年1月1日現在)が16.9%、域内総生産(2011年度)が16.2%となっており、関西地域の経済規模は全国に対して概ね2割程度を有すると言えます(図1)。

 また、主要国の名目GDP(図2)をみると関西は韓国に匹敵する経済規模となっています。

図1 全国における関西地域のシェア
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

出所:全国都道府県市町村別面積調(国土地理院)、住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(総務省)、 県民経済計算(内閣府)、工業統計調査(経済産業省)、大型小売店販売状況(経済産業省)、 公共工事前払金保証統計(北海道建設業信用保証(株)、東日本建設業保証(株)、西日本建設業保証(株))、貿易統計(財務省)

図2 主要国の名目GDP(2011年)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

出所:世界の統計(総務省)、県民経済計算(内閣府)

注)関西は2011年度、他は暦年計数。為替レートは世界の統計より(79.807/ドル)

 県民経済計算(2011年度)により産業構造をみると(図3)、農林水産業が0.4%、製造業が19.8%、サービス業が20.5%と、第3次産業が概ね四分の三程度のシェアを占めます。

図3 関西地域内総生産(名目)の産業別構成比(%)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

出所:県民経済計算(内閣府)

 このうち製造業について、工業統計により出荷額構成比をみると(図4)、全国と比較して、化学、鉄鋼、はん用機械、電気機械のウェイトが高くなっています。なお、製造品出荷額は1985年以降概ね横ばいで推移していますが、全国におけるシェアは、2006年まで低下した後、近年では横ばい傾向となっています(図5)。

図4 関西と全国の製造品出荷額構成比
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

出所:工業統計調査(経済産業省)

図5 製造品出荷額等の推移(従業者4人以上の事業所)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

出所:工業統計調査(経済産業省)

2.足下の関西経済の動向と今後の見通し

 我が国経済は、2014年7-9月期のGDP成長率(2次速報)が物価変動の影響を除いた実質で2四半期連続のマイナスとなりました。また、景気動向指数のCI一致指数は9月、10月と上昇したものの、基調判断としては「下方への局面変化」を示しています。

 近畿経済産業局では毎月公表の「近畿経済の動向」の中で関西の景況判断をしています。1年間を振り返りますと、経済対策の効果などによる消費・企業マインドの改善や消費税率引上げ前の駆け込み需要から1月には「着実に持ち直している」とし、その後「改善の動きがみられる」としましたが、一部では予想以上に消費税率引上げの影響が続いていることから、足下では「改善の動きがみられるものの、一部に足踏み状態」としています。

 生産は、当初、4月の消費税率引上げ前の駆け込み需要や、海外のスマートフォン・タブレット端末向けの電子部品・デバイス、電気自動車等に用いられるリチウムイオン蓄電池の生産が伸び、今夏には、駆け込み需要の反動や天候不順等の影響により、白物家電などの電気機械や輸送機械等の生産が減少しました。その後、海外のスマートフォン・タブレット端末向けの電子部品・デバイスや生産用機械の生産が増加したことなどから、10月の生産は、総じて見れば横ばい傾向となっています(図6)。

図6 鉱工業指数(生産)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:近畿経済産業局「近畿地域鉱工業生産動向」、経済産業省「鉱工業指数」

 個人消費は、乗用車新規登録・届出台数、家電販売額、大型小売店販売額(図7)などは消費税増税前には駆け込み需要により増加したものの、消費税増税後には普通乗用車、小型乗用車で乗用車新規登録・届出台数(図8)が前年を下回り、また家電販売額(図9)も低調に推移しています。そうした中、百貨店は店舗の増床・リニューアル効果や円安、免税品目の追加等に伴う訪日外国人の消費に支えられて好調に推移し、飲食料品を中心に前年比増が続いていることから、足下の個人消費は、一部に弱い動きがみられるものの、全体としては持ち直しています。

図7 大型小売店販売状況
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:近畿経済産業局「大型小売店販売状況」

図8 乗用車新規登録・届出台数
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:(一社)日本自動車販売協会連合会、(一社)全国軽自動車協会連合会

図9 家電販売額
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:GfK Japan

 貿易(輸出)は、半導体等電子部品、科学光学機器等が牽引し、円安にも支えられ、中国、EU、米国向けに増加基調で推移しています。長期にわたり金額ベースは前年比増で推移しており、緩やかに改善しつつあります。(図10)

図10 輸出
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:大阪税関、財務省「貿易統計」

 雇用は、10月には就業者数が減少しているものの完全失業者の減少などから完全失業率(図11)が前年同月と比べ2か月ぶりに低下、有効求人倍率(図12)は3か月ぶりに、新規求人倍率(図13)も4か月ぶりに前月を上回るなど、緩やかに改善しています。

図11 完全失業率
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:総務省「労働力調査」

図12 有効求人倍率
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:厚生労働省「一般職業紹介状況」

図13 新規求人倍率
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:厚生労働省「一般職業紹介状況」

 街角の景気調査とも呼ばれる景気ウォッチャー調査の11月調査結果では、景気の現状判断DIは4か月連続で、先行き判断DIは8か月ぶりに横ばいを示す50の水準を下回りました。家計動向関連では、百貨店で訪日外国人の免税売上の増加を歓迎する声が聞かれる一方で、旅行代理店からは円安や風評被害による海外旅行が減少するとの声や企業動向関連では、円安等による原材料価格の上昇により利益が圧迫されているなどの声が聞かれ、現状判断DIは低下しました。先行き判断DIについても、家計動向関連、企業動向関連ともに引き続き原材料価格の上昇に対する不安の声が聞かれることなどから低下しています。(図14)

図14 景気ウォッチャー調査(関西)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:内閣府「景気ウォッチャー調査」

 これから関西経済が持続的に回復していくためには、給与所得の改善による消費の底上げが不可欠であるといえます。また、国際線LCC(格安航空会社)旅客便数の増加や訪日ビザ発給要件の緩和等による訪日外国人の増加が消費や観光に与える効果が期待されているところです(図15)。

図15 関西国際空港を利用する航空旅客数(国際線、外国人旅客)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

データ出所:新関西国際空港(株)報道発表資料

 なお、2013年の貿易統計によると、全国ではアメリカ向けが最も高いのに対し、関西では中国向けが高くなっています。関西は中国との結びつきが強いため、引き続き中国経済の動向について注視が必要です。(図16、17)

図16 関西の輸出額の国別構成比(2013年)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

出所:大阪税関

図17 全国の輸出額の国別構成比(2013年)
図:上記に解説あり
【クリックで拡大】

出所:財務省

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 総務企画部 調査課

電話:06-6966-6004

他の記事を読む