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伝統的工芸品に新たに指定された越前箪笥(平成25年12月指定)
~経済産業大臣指定を契機に需要拡大への再出発~
担当課室:製造産業課

最終更新日:平成27年3月2日

 日本のものづくりの原点、文化の象徴として長年国民生活に潤いを与え、地域経済の発展に貢献してきた伝統的工芸品産業。時を経て、昨今はライフスタイルの変化による需要の低迷、後継者不足等さまざまな課題を抱えています。一方では、伝統的な技術・技法を活用し、時代の潮流や現代の生活様式に合った新商品が多数開発され、世界が共感するクールジャパンとして、日本の優れたものづくり技術が世界からも注目されています。

 今回は、平成25年に伝統的工芸品として指定された越前箪笥について御紹介します。

越前箪笥とは

写真:以下に解説
越前箪笥

 越前箪笥は福井県越前市(旧武生市、今立町)、鯖江市で製造されており、その歴史は古く法隆寺にある国宝、橘夫人逗子(7~8世紀)の台座に「越前」と筆で墨書されており、この逗子の製作に携わった越前の工匠が書いたものであるとされています。現在の技法は江戸後期に確立され、この時期から100年以上にわたって伝わる伝統的工芸品です。ケヤキやキリ等の木材を独自の指物技術によって加工し、豊かな装飾の飾金具や漆塗りを施した重厚なつくりが特徴です。

 飾金具は越前打刃物の技術が使われています。鍛造による微妙な凹凸がどこか柔らかい雰囲気を醸し出し、金具の輪郭にハートマークや花びしのモチーフ等の模様が使われるなど、ユニークな感性が垣間見えます。一方、漆塗は越前漆器の技術を使うことで独特の風合いと丈夫さをもたらしています。このように、越前箪笥は他産地の伝統的工芸品との結びつきも深いのです。

写真:以下に説明あり
金具(ハート)
写真:以下に説明あり
装飾豊かな飾り金具

どのようにして発展してきたのか

写真:以下に解説
現存する最古の福田茂右衛門作の車箪笥

 江戸時代後期に福井県越前市において、町方、村方の富裕層である旦那衆の家に出入りしていた指物師によって製造されたのが始まりです。今日も旧武生市内に現存する「タンス町通り」に指物師や漆塗師などの職人が集まり、昭和には婚礼家具として越前箪笥を買い求める客等で大いににぎわっていました。また代表的な「車箪笥」は、かつては商家などの帳場等で重要物を保管する金庫等の役割を果たしていましたが、現在ではインテリアとしても高い評価を得ています。

課題

 近年の生活様式の変化等により需要が減少していることは伝統的工芸品産業が抱える大きな問題の一つで、越前箪笥も例外ではありません。住居の現代様式化にともない廉価な外国製品が市場を席巻し、さらに熟練技術者も高齢化が進んでおり、歴史ある越前箪笥が危機に瀕しています。

 古き良き伝統も、それを作る人がいなくなればなくなってしまいます。越前指物組合は、技術の結晶である越前箪笥を再び盛り上げるため、昨年、福井県庁主導により設立された「越前ものづくりの里プロジェクト協議会」に参画し、産地が一体となって後継者育成に取り組み始めました。現在、全国から自ら希望して伝統的工芸品産業に飛び込んできた若い後継者たちに、匠の技を師匠から弟子へ技術伝承がなされ、更に新たな商品開発や需要開拓に挑戦しています。

夢、そして未来へ

写真:以下に解説
タンス町通りの写真

 越前指物組合の上坂理事長の夢は、「この高い志をもつ頼もしい若者たちが一人前に成長し、伝統を受け継いでくれることだ」と話してくださいました。伝統的工芸品は、職人の真心と使い手への気配りが凝縮されています。買う側の私たちも、廉価なものや見た目にとらわれるばかりではなく、質の良さを目利きできる力を持つことも必要です。

 先人たちの技術が脈々と受け継がれてきた越前箪笥の中に、高い伝統技術と職人魂がしっかりと受け継がれ、その未来は熱くそして明るく輝いています。

掲載関連情報

団体名
越前指物組合外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
福井県越前市平和町1-29
電話番号
0778-22-1769

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このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部製造産業課
電話:06-6966-6022

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