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あなたの仕事は天職ですか?
~学生通信社が伝える中小企業の魅力~
担当課室:広報・情報システム室

最終更新日:平成27年4月1日

学生通信社とは

 企業などの広報活動支援をしている株式会社PRリンクは、学生の長期インターンシッププログラムを受け入れていました。学生が取材活動を通じて、記事を書くことを学ぶばかりでなく、社会で必要となる力を身につけて成長していく姿を目の当たりにし、このような体験をもっと多くの学生にして欲しい、これこそが次世代の人材育成ではないかという強い思いで、2012年4月に発足したのが「学生通信社」です。学生が運営の主体となり、PRリンクがサポートしています。

 「学生通信社」は、何度かの代替わりを経て、現在はインターネットや口コミ等で加入した14名の学生記者が活躍しています。規模が小さくても魅力のある企業や社会的な活動を行う個人・団体を取材し、週1回のミーティングで学生同士がお互いに原稿を添削し合い、更には新聞記者OBのライターからの指導を受けています。こうして練られた記事は、フジサンケイビジネスアイ(毎月第2、第4月曜日「企業探訪 学生記者が行く」)やソーシャル・ビジネス専門誌「オルタナ」の若者向けWeb版「オルタナS」(随時)に掲載されています。

写真:以下に解説
取材風景

 学生通信社第3代代表の立命館大学の吉田怜奈さんと、今春から第4代代表となられる大阪大学の板谷祥奈さんとお会いしました。

 吉田さんは、人見知りがコンプレックスだったのを克服して大学では新しいことにチャレンジしたいと思っていたところ、学生通信社の活動を知り、記者活動や取材に興味があったこともあり、加入されました。板谷さんも、Facebookで新メンバー募集の告知を見て、元々メディアや取材に興味があったこともあり、面白そうだと友人と一緒に加入されました。

 記事を書くためには、取材対象者だけでなく、その業界について予習をし、インタビュー後は期限までに内容をとりまとめて文章を書かねばなりません。その後に、校正を受け、修正すると、時間もかかり、頭も使い、決して楽なことではありません。実際に、加入しても辞めてしまう人も少なくありません。学業以外にもクラブやサークル活動、アルバイトなどで忙しい学生生活を送りつつ、大学1年の時から学生通信社の活動を続けておられるお二人に、その魅力についてお聞きしました。

取材を通して見えてきたもの

写真:以下に解説
記事をバックに板谷さん(左)と吉田さん(右)

 取材に関して技術面でのマニュアルはあるものの、最初のみ先輩が同行するだけで、記者活動は基本的に一人で実施しています。取材件数が増えるにつれて、どうすれば上手くいくか、それぞれ工夫を凝らしています。毎週のミーティングで進捗状況等を共有し、お互いに内容を確認しあっていますが、世に出る新聞紙面に掲載されるので新聞社のチェックはかなり厳しく、プロの添削を受けて内容は精査されます。基本的には、毎月何らかの記事に取り掛かっており、学生記者であっても強い責任感が求められます。

 取材先は、新聞社やPRリンクからの提案を受けており、学生に是非、出会って欲しい、話を聞いて欲しいといった視点で選ばれます。フジサンケイビジネスアイは中小企業の経営者、オルタナSはNPO主催者にインタビューをすることが多く、中小企業で実際にインターンシップ中の学生にインタビューして、その企業の魅力を語ってもらったこともあります。

写真:以下に解説
ミーティングの様子

 インタビュアーは学生でも媒体はプロのメディアということで、学生記者達は、ありがちな質問にならないよう、自分が気になるところなど学生目線での質問を心掛けています。そういうことを聞かれるとは思っていなかった、新たな気付きになった、学生に教えることで自分も学ぶことがある、と言われるとやりがいを感じます。取材の当日に説明のために余計な時間を割かないように業界の動向や専門用語、業界のスタンダードや取材企業の強みなどを事前に調べ上げてから取材に臨むことで、より掘り下げた話や、学生だからということで話していただけることもあります。

 自分が興味すら持っていなかった業界であっても、実際に話を聞くと大変魅力的であったりします。そんな時、この貴重な話をまわりの学生やまだ知らない人達にも知って欲しい、ぜひ発信していかなくてはという使命を感じます。写真も自分で撮影しているので、伝えたいポイントがわかる構成になるように心を砕き、より魅力的な紙面になるよう工夫し、自分が聞いた話を、その熱量を下げないよう心掛け、もっとみんなに見てもらえるように見出しやリードを工夫しています。記事だけではなくSNSでも拡散し、自分が感じたことはここだという観点も含めて発信していけば、学生が企業に取材する意味合いも現れてくるのではないかと考えています。

元気な企業をもっと知ってほしい

 大学生であれば、企業というと自ずと「就職活動」が頭に浮かびます。一回きりの新卒ブランドを活かして、本当に自分にあった企業・仕事を見つけて失敗しない就職をしたいと神経質になる学生が少なくありません。学生通信社の活動を通して、様々な職種の人に出会って、話を聞くことで気づいたことは、職種は違えども、きらりと光る仕事をしている人達には共通するビジョンがあるということです。熱い「理念」「思い」をいつも心に抱き、仕事はそれを実現する手段に過ぎません。

 板谷さんは、インタビューの際に「どうしてこの仕事を選んだか」「あなたにとって天職か」といった質問をしています。予想に反して「天職ではない」という答えが返ってくるそうです。人と関わることが好き、こういう社会にしたいといった思いが達成できるのであれば他の仕事でもよかったというのを聞いて、どの仕事に就くかは重要ではなく、自分が働くことで何を大切にしたいか、そこで理念を実現できればよいのではないかと、失敗できない就職活動といったイメージが変わり、気持ちがラクになったそうです。また、実際に社長に会うことで、社員をこのように教育したいというような社長から見た社員という、これまで気づかなかった視点も知る機会につながったと明かしてくれました。

 吉田さんは学生通信社の活動を通して、名前は知られていなくてもニッチな分野でシェアが一位の中小企業もあるということを知り、就活における選択肢の幅が広がったと思うそうです。良いところがあっても発信できていない中小企業が多いので、もっと情報発信して伝えることで、自分自身だけでなく、他の学生達にとっても選択肢の幅を広げる機会になればと期待しています。

今後の目標

 自分達がやっていることに意義を感じているからこそ、もっと広く知ってもらい、外部から見て勢いのある元気な団体にしたい。これから進路を考える大学生や高校生が、学生通信社の記事にたどりつけるような仕組み・もっと記事を活かす仕掛け作りを計画中です。

 学生通信社のWebサイトに取材記事を掲載していますが、「取材先を業界毎にソートするなど別の視点で探せるような使い勝手の良いものに改良したり、Webサイトに限らず、その他のツールも使って企業情報を発信していきたい」と新代表の板谷さんの構想は広がります。

掲載関連情報

団体名
学生通信社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
大阪市中央区道修町3-4-11新芝川ビル500号 株式会社PRリンク外部リンク 新しいウィンドウで開きます
電話番号
06-4963-2650(株式会社PRリンク)

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 総務課広報・情報システム室
電話:06-6966-6009

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