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シリーズ 部素材産業支援事業の取り組み 第1回
部素材産業の底上げによる関西経済の活性化
担当課室:製造産業課

最終更新日:平成27年5月1日

我が国及び近畿地域の部素材産業の動向について

 日本のものづくりの流れは、最終製品を中心とする川下産業の激しいコスト競争やアジア新興国の猛烈な追い上げを背景として、競争力の源泉を部素材を中心とする川上・川中産業へシフトさせてきており、実際、主要先端製品・部材の世界シェアをみると、エレクトロニクス、自動車等の高度部素材では我が国が高いシェアを獲得してきました。

 また、競争力のある部素材を生産している企業は、その多くが社歴の長い企業群であるとともに、長年の技術蓄積を生かして、価格競争に巻き込まれやすい汎用品だけでは無く、付加価値の高い製品の開発に力を入れ発展してきました。

 しかしながら、我が国の部素材産業の全般的な動向を見ると、主要な部素材産業(繊維、パルプ・紙、化学、プラスチック、ゴム、窯業、鉄鋼、金属製品)の出荷額は、全ての業種において、2008年のリーマンショック時に大きく落ち込み、2010年に若干回復したものの、その後年々減少傾向にあり、近畿地域においても、我が国の経済を支える部素材産業の主要企業が多く集積(多くの産地を有する繊維工業(全国シェア:28%)、大阪が全国2位の出荷額を占めるプラスチック製品製造業(全国シェア:19%)、大手企業の工場が多く立地する化学工業(全国シェア:20%)等)していますが、原料等の高騰によるコストアップなどにより、廃業、海外移転が加速しており、事業所が年々減少しています。

 このような背景から、部素材産業が今後成長していくには、汎用品ではない付加価値商品の開発が必要であり、従来の枠にとらわれない、新素材開発、異業種との連携による製品開発が重要となります。

主要部素材産業の出荷額推移
写真:以下に説明あり
出所:経済産業省「工業統計」【クリックで拡大】
近畿地域の部素材産業の事業所数推移
図:以下に説明あり
出所:経済産業省「工業統計」【クリックで拡大】

「近畿地域における部素材産業支援事業」について

 近畿経済産業局では、関西のものづくりの国際競争力の強化を図るため、関西での集積が高く、また、幅広い産業分野での波及効果が期待される「部素材産業」を対象とした「近畿地域における部素材産業支援事業」に取り組んでおり、平成26年度からは「不織布産業」及び「プラスチック産業」をモデルとして、(1)新素材開発支援、(2)ビジネスマッチングによる異業種交流支援、(3)各種情報提供のためのセミナー実施などを展開しています。

図:以下に説明あり
部素材産業支援事業の全体イメージ【クリックで拡大】

新素材開発支援「部素材産業-CNF研究会」の取り組み

 次世代のバイオマス素材として「日本再興戦略改訂2014(注1)」にも位置づけられているセルロースナノファイバー(CNF)は、京都大学生存圏研究所を拠点の一つとして研究が進められてきましたが、経済産業省としても、CNFの実用化研究や製造プロセス技術開発支援、CNFサンプルプラントの建設支援を行うとともに、昨年6月に幅広い業種での実用化促進や国際標準化対応を目的としたオールJAPAN体制でのコンソーシアム「ナノセルロースフォーラム(注2)」が設立され、研究段階から製品化・実用化段階に移行しつつあります。

 このような中、関西に業界の拠点を有する不織布産業やプラスチック産業では、CNFとの複合化による実用化が有望な部素材であるため、これらの部素材関連企業のCNFに対する期待が高まっています。

 これを受け、不織布やプラスチックの部素材関連企業を中心に新製品開発を目指すため、CNF研究の権威の一人である京都大学生存圏研究所 教授 矢野浩之氏を座長に、地方独立行政法人 京都市産業技術研究所 研究戦略フェロー 北川 和男氏及び特定非営利活動法人 機能紙研究会 副会長 濱 義紹氏をプロジェクトマネージャーとして、また、日本不織布協会顧問 矢井田 修氏を顧問とした産学官の連携による「部素材産業-CNF研究会」を昨年12月に発足し、本研究会を母体として、CNFとの複合化による実用化の可能性の高い不織布とプラスチック関連企業を中心とする企業連携体の組成を支援し、CNFとの複合化による新素材開発の推進を図っていきます。

セルロースナノファイバー(CNF)の概要
図:以下に説明あり
【クリックで拡大】

写真:以下に解説
「部素材産業-CNF研究会」
キックオフセミナー会場の様子

「部素材産業-CNF研究会」キックオフセミナー開催

(平成26年12月8日(月) 追手門学院 大阪城スクエア)
研究会座長の京都大学生存圏研究所 矢野教授の講演、当局の研究会の説明等を実施し、本研究会を発足しました。
参加者:不織布関連企業、プラスチック関連企業 約100名(満員)

写真:以下に解説
第2回セミナー
「セルロースナノファイバー(CNF)応用セミナー/
サンプル企業展示会」の会場の様子

第2回セミナー「セルロースナノファイバー(CNF)応用セミナー/サンプル企業展示会」開催(平成27年1月22日(木)プリムローズ大阪)

 CNF研究に長けた公設試験研究機関(京都市産業技術研究所、兵庫県立工業技術センター)の講演及び個別相談会、全国のCNFサンプル提供企業7社のプレゼンテーション及び展示会を実施しました。
参加者:不織布関連企業、プラスチック関連企業 約150名(満員)、個別相談件数:15社

第3回研究会メンバー向け施策説明会(平成27年3月20日(金)当局)

 不織布、プラスチック関係企業(約20名)が参加されました。

図:以下に説明あり
部素材産業-CNF研究会におけるCNF実用化のイメージ【クリックで拡大】


注1)日本再興戦略 改訂2014~未来への挑戦~(2014年6月26日)
林業の成長産業化の項に、「木質バイオマスについて、(中略)セルロースナノファイバー(超微細植物結晶繊維)の研究開発等によるマテリアル利用の促進に向けた取組を推進する。」と記載。

注2)ナノセルロースフォーラム
国立研究開発法人産業技術総合研究所を事務局として、オールJAPAN体制でのコンソーシアム「ナノセルロースフォーラム」が設立(2014年6月)。

部素材産業支援事業の業界支援

ビジネスマッチングによる異業種交流支援

 不織布業界に対する異業種交流支援として、アジア不織布業界のビジネスキーマンや国内不織布メーカーが多数集結する国際交流イベント「ANFA不織布カンファレンス2014(平成26年11月26日(水)、27日(木)」の機会を活用し、本イベントを幅広い他の業界へPRするとともに、マッチングを希望する出展企業の情報を広く異業種に提供し、マッチングの支援を実施しました。
イベント参加数:402名
マッチング件数:出展企業のうち6社に対して、17件の異業種とのマッチングを実施。

「不織布関連企業向けの海外展開セミナー」の開催

 各種情報提供事業として、不織布業界におけるインド等への海外進出に対する関心の高まりに対応するため、海外情報やビジネス展開のための手法等に関する「海外ビジネス展開セミナー」を(独)中小企業基盤整備機構近畿本部(以下、中小機構)との連携により、平成26年10月22日(水)に開催しました。
 参加企業は10社で、セミナー後の中小機構との個別相談に2社が参加しました。

「平成26年度補正予算及び平成27年度予算案に係る経済産業省関連施策説明会」の開催

 当局担当者から日本不織布協会(平成27年3月16日(月))及び(一社)西日本プラスチック製品工業協会(平成27年3月23日(月))の会員企業向けに、「平成26年度補正予算及び平成27年度予算案に係る経済産業省関連施策説明会」を開催し、研究開発支援策、設備投資支援策、税制支援策等の説明を行いました。

部素材産業支援事業の個別成功事例

 当局の部素材産業支援事業の支援により、プラスチック業界において、以下の2社(深江化成株式会社及び岩崎工業株式会社)のような、個別の成功事例となる企業も出てきました。

写真:以下に解説
オリジナルブランド「WATSON」の製品シリーズ

深江化成株式会社

所在地
兵庫県神戸市西区室谷2-2-7
設立年月日
1951年(昭和26年)
資本金
8.8百万円
従業員
100人
事業内容
オリジナルブランド「WATSON」のピペッターを初め、ライフサイエンス、バイオ検査研究分野におけるプラスチック製研究用消耗品及び関連部材の企画、設計、製造・販売。

活用施策

  • 平成20年度新連携対策補助事業
  • 平成22年度中小企業等の研究開発力向上及び実用化推進のための支援事業(新規産業創造技術開発費補助金)
  • 平成25年度中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業
  • 平成26年度中小企業経営支援等対策費補助金(戦略的基盤技術高度化支援事業)

写真:以下に解説
関西ものづくり新撰2015
「新市場創出」分野に選出された
「The Micro Clear」

岩崎工業株式会社

所在地
奈良県大和郡山市額田部北町1216-5
設立年月日
1972年(昭和47年)
資本金
4億9060万円
従業員
120人
事業内容
米国大手日用品ブランド「ラストロウェア」のプラスチック家庭日用品を中心に、デザイン性に優れた高機能製品の企画、設計、販売をグローバルに展開。

活用施策

  • 関西ものづくり新撰2015「新市場創出」分野に選定

掲載関連情報

団体名
日本不織布協会外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
大阪市中央区備後町2丁目5番8号 綿業会館 本館4階
電話番号
06-6233-0842

団体名
一般社団法人 西日本プラスチック製品工業協会外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
大阪市中央区西心斎橋2-2-3ORE心斎橋ビル11階
電話番号
06-6214-8300

企業名
深江化成株式会社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
兵庫県神戸市西区室谷2-2-7
電話番号
078-991-4488

企業名
岩崎工業株式会社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
奈良県大和郡山市額田部北町1216-5
電話番号
0743-56-1311

関連施策へのリンク

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 製造産業課
電話:06-6966-6022

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