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もう一度関西を訪れるなら、何を見たい?どこに行きたい?
~「関西を訪れた外国人旅行者等に対する生声アンケート調査」より~
担当課室:企画課

最終更新日:平成27年6月1日

国籍・地域別にみる外国人旅行消費額の推移
写真:以下に解説
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 我が国は急速な少子高齢化の進行等による人口減少時代を迎えており、今後も地域経済の活力を維持・発展させていくためには、急速な成長を遂げるアジアをはじめとする世界の需要を取り込むことが非常に重要です。訪日外国人旅行者による交流人口の増大は、そのための有効な手段のひとつとして極めて重要な成長戦略と言えます。

 政府は2013年に「観光立国推進閣僚会議」を設置し、政府一丸、官民一体となって観光立国の実現に取り組んでおり、その結果として、訪日外国人旅行者の2014年における旅行者数(1,341万人、前年比+305万人)、旅行消費額(2兆 278 億円、前年比+6,111億円)、一人当たり旅行支出額(151,174 円、前年比+14,481円)はいずれも過去最高となっています(観光庁調べ)。国籍・地域別の旅行消費額をみると、図のとおり1.中国、2.台湾、3.韓国、4.米国、5.香港の順に多く、中国や台湾をはじめとする東アジアの外国人旅行者による消費が経済活性化に寄与していることがうかがえます。

 関西国際空港においても、アジアからの旅客数が大幅に伸びており、国際線旅客数における外国人数が2014年度に初めて日本人数を上回り、699万人(前年比+202万人)と過去最高を記録。関西国際空港をゲートウェイとして、今後も世界から益々多くの外国人旅行者が日本、関西を訪れる見込みです。

 このような現状に加え、2019年のラグビーワールドカップ日本開催(関西の開催都市は大阪府・東大阪市、神戸市)、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会、2021年の関西ワールドマスターズゲームズと立て続けに世界的なスポーツイベントの開催が決定しており、日本が世界から一層注目を集めることでしょう。前述の観光立国推進閣僚会議で決定された「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」では、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催という絶好の機会を捉え、2020年に訪日外国人旅行者数2,000万人の高みを目指すこととしています。その実現に向けて、観光庁は平成26年度訪日プロモーション方針外部リンク 新しいウィンドウで開きますにより従来のプロモーション方針を見直し、「潜在的ボリューム層」や「将来的ボリューム層」といった現状まだ訪日数が少ない層への訴求テーマを設定し、中長期的なプロモーションの展開を図ることとしています。世界を惹きつける日本の歴史・伝統文化の圧倒的な集積を誇る関西においても、数年先を見据えて潜在的な外国人ニーズを捉えた関西の魅力をさらに磨き上げ、関西各地に外国人旅行者の誘客を図り、地域経済の活性化につなげていくことが重要です。

 これらを踏まえ、近畿経済産業局では、関西の強みである東アジアとの近接性や関西国際空港のLCCネットワークといった強みを活かすことができ、今後も引き続き重要な市場となる韓国、香港、台湾、中国からの訪日外国人旅行者421名にアンケート調査を実施し、数年後を見据えた訪日外国人旅行者の潜在的な旅行テーマ等に係るニーズを探りました。併せて、当該四市場で訪日旅行商品を造成する現地訪日旅行会社にもアンケート調査を実施し、今後の訪日旅行市場の見通しや関西のインバウンド推進に向けた課題等の声をまとめました。

関西を訪れた外国人旅行者への生声アンケート調査

実施時期
平成26年9月中旬及び11月中旬の6日間
実施場所
関西国際空港4階国際線出発ロビー内
実施方法
調査員による対面聞き取り方式 (有効回答数 合計421名)

関西を訪れた外国人旅行者への生声アンケート調査
市場 有効
回答数
性別 年齢
男性 女性 10代 20代 30代 40~50代 60代以上
前半 後半 前半 後半
韓国 100 38% 62% 10% 8% 23% 21% 11% 22% 5%
香港 99 52% 48% 5% 9% 24% 15% 13% 25% 9%
台湾 111 46% 54% 4% 6% 23% 20% 15% 25% 7%
中国 111 49% 51% 1% 14% 19% 22% 21% 18% 5%

1.今回の旅行に関する質問について

Q.Wi-Fiの利用環境について、不便を感じましたか?

写真:以下に説明あり
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Q.交通パスを利用ましたか?

図:以下に説明あり
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  • Wi-Fiを使用した人のうち、「不便を感じなかった」と答えた人の方が多かったものの、「無料で使える所が極めて少ない」(中国女性40~50代)、「無料スポットを拡大して、Wi-Fiのスピードを上げてほしい」(香港男性20代前半)など、無料Wi-Fiの環境整備について多くの外国人から不満の声が挙がっています。後ほどご紹介する現地旅行会社へのアンケート結果においても、「ホテルについて、フリーWi-Fiを設置しているかどうかがランクや立地よりも重視されはじめている」(台湾)、「ホテルのどこでもWi-Fiを利用できる環境が求められる」(中国)との声がありました。
  • 交通パスについては、個人手配のFIT客が多い韓国や香港は、半数近い方がJRレールパスや大阪周遊パスなどの交通パスを利用していました。現地旅行会社も「年1回以上日本を訪問する人が全体の50%以上になると思われる。旅行情報の収集や手配に関しては、旅行客自身で行うのが中心になる」(韓国)、「海外で交通パス等の事前販売が出来ないか」(中国)としており、今後ますますリピーターの増加に伴って交通パスへのニーズが高まるものと思われます。

Q.もう一度、関西に来たいですか?

写真:以下に説明あり
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  • いずれの市場も、関西への高い再訪希望を持っていることがうかがえます。本アンケート回答者のうち、韓国・香港・台湾の旅行者の約7割が日本旅行のリピーターである一方、中国の旅行者の約7割が日本旅行は今回が初めてということもあり、中国の「わからない」の回答が他市場よりも目立ちます。競合他国と比べた関西の強みについて、現地旅行会社は「グルメがたくさんあり、観光地の種類も多い」(韓国)、「大阪+京都・奈良・南紀・神戸など近隣地区の多様性(近距離感)」(香港)、「東南アジアや韓国などに比べて安全性が高い。日本の伝統を知りたい人は関西地方を観光のターゲットにしやすい。」(中国)と指摘しており、これら関西の魅力が旅行者にも評価されているものと思われます。

Q.関西滞在中で、「驚いたこと」、「一番良かったこと」は何ですか?

 各市場とも共通して、環境や空気が「きれいで清潔」、「美味しい食事」、「サービスが良い」、「人々が親切でやさしい」、といった声が多く挙がっています。また、ユニークな生声として「中国人が大変多い」と驚いた中国人の声が多かったことが挙げられます。

ポジティブな声の一例
  • 「公共交通を観光交通としても利用できるので良かったし、びっくりした」(韓国30代後半女性)
  • 「人々が親切で、秩序整然と動くのがよかった。」(韓国40~50代女性)
  • 「公共の場所が清潔で、喫煙者がほぼいない。」(香港40~50代男性)
  • 「有名な都市なのに騒音が少ない、安心である。」(香港40~50代女性)
  • 「みんなきれい。ファッションセンスが良い。」(台湾20代後半女性)
  • 「食べ物が新鮮で美味しい」(台湾30代後半女性)
  • 「空気が新鮮で街がきれい」(中国30代後半男性)
  • 「薬と化粧品はとても安かった」(中国20代前半女性)
ネガティブな声の一例
  • 「デパートの閉店時間が早すぎる」(香港30代後半女性)
  • 「聞いていたほどサービスは良くなかった。例えば梅田のチケットサービスカウンター」(香港40~50代女性)
  • 「通勤ラッシュ時間帯の混雑」(台湾30代前半女性)
  • 「免税場所は人が多くて不便」(台湾30代後半女性)
  • 「道が狭い」(中国20代前半女性ほか)

四市場の「驚いたこと」、「一番良かったこと」生声リスト(PDF形式、147KB)PDFリンク 新しいウィンドウで開きます

2.次回の関西訪問の志向について ~もう一度関西を訪れるなら~

 四市場の持つ潜在的なニーズと関西への誘引拡大のポテンシャルを探り出すため、アンケート調査で「もう一度関西を訪問するなら、どこに行きたいか、何をしたいか」を尋ねました。

 四市場ともに、次回の訪問について「温泉旅館」や「古民家」への宿泊、「祭りへの参加」など、より日本らしさを求める点は共通した傾向として見られます。特に、宿泊施設としての「古民家」へ興味は四市場共通して非常に高く、可能性を秘めた素材であることを示唆しています。一方、次回体験したいこととして、「スポーツ(スキー、マリンスポーツ等)」が「日本文化に触れる(和装体験、座禅等)」よりも高い市場も見られたほか、買い物したい場所も市場によって異なった傾向があり、テーマ性、趣味性の高い旅行の需要において四市場の異なった志向性を見出すことができます。

 また、次回利用したい交通手段として、四市場共通して「電車乗り放題切符」を最も多く挙げており、関西広域での交通パスの普及は、旅行形態の個人旅行化に対応し誘客拡大を図るために関西で注力すべきテーマであることを示唆しています。

図:以下に説明あり
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 上記アンケートの次回関西訪問に関する選択肢を4つの志向に分類し、四市場の外国人旅行者が回答した割合(%)をポイント(pt)に置き換えて積算し、傾向を分析した結果、以下のようなテーマが各市場の数年後を見据えた潜在的ニーズにマッチし、更なる関西の訪日外国人旅行者拡大に向けて効果的ではないかとか考えられます。

図:以下に説明あり
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訪日旅行会社へのアンケート調査

実施時期
平成26年11月~12月
実施方法
調査票による電子メールでの回答方式
対象等
韓国、香港、台湾、中国の4カ国(地域)において、関西への旅行商品を造成・販売している現地旅行会社

 

 当該四市場で訪日旅行商品を造成する現地訪日旅行会社にアンケート調査を行い、今後の訪日旅行市場の見通しや関西のインバウンド推進に向けた課題等の声をまとめました。

 今後の訪日旅行市場は、今後益々個人旅行化が進むこと、また、旅行内容は「周遊型旅行」から「滞在型旅行」へ、「駆け足旅行」から「じっくり旅行」に徐々に移行してきており、それらを踏まえて個人旅行向けの情報発信や更なる環境整備を強く求める声が多く挙がりました。また、「このままなら、関西のホテル、バス、遊行施設は容量オーバーで関西離れが起こる」(香港)、「ホテルや施設が足りない」(韓国)など、四市場ともに関西の旅行者受入れ環境の悪化が現地旅行会社の切実な問題となっていることがわかりました。

関西への送客が増えた理由

市場 内容
韓国 ・円安効果やLCCによる
香港 回答なし
台湾 ・2013年はディズニーランド30周年でたくさんのイベントがあり、観光客が東京に集まり、ほかの地域はあまり伸びなかった。しかし2014年はグランフロント⼤阪や、下半期にUSJのハリーポッターのオープンなどの話題性で多くの観光客をひきつけた。フライトの増便の影響も大きい。
中国 ・今年からゴールデンルートや北海道などのほかに、4日、5日、6日、7日間の関西地域観光のプランを造成している。プランが増えたことでお客様の選択肢が増えたため。
・日本観光地の宣伝PR活動の中で、関西地域に力を入れて宣伝しているため、中国内陸部・北部在住のお客様が少しずつ関西観光に興味を持ち始めたため。

関西での売れ筋商品や人気の旅行先について

市場 内容
韓国 ・大阪周辺の温泉地や旅館商品
・京都、有馬温泉
・大阪3泊4日自由旅行 人気の旅行先はUSJ、京都
香港 ・街中散策・賑わい+南紀方面の食と温泉を堪能プラン
・和歌山+USJ
台湾 ・USJ、清水寺、金閣寺、嵐山、道頓堀、心齋橋、梅田、大阪城、東大寺+奈良公園、神戸モザイク広場など
中国 ・季節限定紅葉狩り…関西5泊6日フリープラン
・京都祇園3泊+大阪梅田2泊…お寺と紅葉、京都、清水寺、嵐山、渡月橋
・奈良、秋の和食、選べる和服体験+セルフ写真
・人気の旅行先としては、京都、大阪、奈良、有馬温泉など

今後5年間の訪日旅行市場(旅行テーマや商品形態など)の変化について

市場 内容
韓国 ・リピーターの増加に伴い、年1回以上日本を訪問する人が全体の50%以上になると思われる。旅行情報の収集や旅行に手配に関しては、旅行客自身で行うのが中心になり、旅行商品自体の存在価値を問われる。対応として、新しい宿を中心に情報発信していく。
・グルメや文化体験を目的とした旅行が増加する。対応として、文化体験について商品構成を考えている。
香港 ・周遊型の観光旅行から日本の文化を体感・味わう・学ぶ参加型ツアーへのシフトチェンジが進む。対応として、FIT商品を更に強化していく。
・関西も東京と同じで、個人客が団体より多くなる。対応として、受け入れ地域との情報共有及びプロモーション展開の手法研究等実施。
台湾 ・団体旅行が主であるが、LCCの増加に伴い日本訪問の頻度が増し、個人旅行も徐々に増えている。
対応として、過去に取引のあるホテルは団体旅行の受け入れ先として優先し、新たにビジネスホテルとの契約を強化し、個人旅行のお客様向けにネットでホテルのみの販売を検討している。
中国 ・今後海外フリープランが増えると思われる。またより長く、じっくり観光する傾向もあるので、日数の長いフリープランの商品を増やす予定。

訪日(関西)旅行拡大に向けて、訪日旅行の素材として更に必要なもの

市場 内容
韓国 ・まだ良く知られていない地域の情報。韓国は日本と近いしリピーターが多いので、新鮮な情報提供が最も効果的
・他の国と比べて日本は直前予約する人が多いので、リアルタイムに予約可能なサイトが必要
香港 ・個人行動に伴う公共交通機関等の利便性向上(使い勝手の便利さ)。円安。
台湾 ・グルメ、買い物、温泉に関しての情報
中国 ・ショッピングエリアへのアクセスや駐車場、商品内容などの買物情報
・入国後の電車やバス、タクシーやレンタカーなどの交通情報
・お勧め料理やB級グルメなどのレストランの所在地やアクセス等の食物情報

旅行先として競合する他国の地域と比べて、関西の良くないところ(弱み)について

市場 内容
韓国 ・滞在費の経費が高い。宿泊先が足りない。
・部屋がない。ホテルが取れない。
香港 ・宿泊施設及び貸切バスの仕入環境が悪化しており、受け入れる訪日外国人旅行者数に対してホテルが足りない。
台湾 ・有馬や白浜温泉あるいは琵琶湖の旅館は比較的高く、団体ツアーの予算内で、ほかの日本の地域と比べ温泉旅館を手配しにくい。ツアー代を上げると客足に影響し、温泉旅館を手配しないと、温泉に行きたいお客様を逃してしまう。
中国 ・中国華北地方では知名度が低いため、日本への旅行なら、東京が最初に選ばれる。

今後、関西への送客拡大に必要なことについて(改善点、受入環境への意見)

市場 内容
韓国 ・他地域よりはよくやっていると思うが、宿泊先が足りない。関西地域の観光地開発が必要。
・中国と台湾の観光客が増加しており、なかなか部屋を求めることができない。韓国の場合、出発2週間前に旅行への問い合わせが多いが、客室がなく対応が不可能な状況。
香港 ・宿泊施設及び貸切バスの仕入環境が悪化しているので、受け入れ可能なホテルとバス台数を増やしてほしい。
台湾 ・電車の乗り換え案内を分かりやすくすること。たとえば西九条で乗り換える時に、プラットホームの電車のドアが両方開いていると、日本語がわからないお客様はどちらに乗るべきか判断が難しい。
中国 ・より多くの関西地域の交通情報や、ショッピングセンターのクーポンを提供したい。
・フリープランのお客様はホテルを厳選するので、ホテルの質や空室を確保しなければ今後の拡大に繋がらない。また、ホテルのどこでもWi-Fi を利用できる環境が求められる。
・ホテルは交通の利便性が重要視される。関西は多くの都市があるため、交通手段はお客様が最初に考える問題だ。
・中国のお客様は普段並ばない。海外で観光地の前売券や交通パス等の事前購入ができないか。

訪日外国人に関する関西一体での今後の取組

 関西では、2020年・800万人の訪日外国人旅行者数達成に向けて、公益社団法人関西経済連合会が「関西広域観光戦略」を2015年2月に発表しており、関西広域連合においても2015年3月に「関西観光・文化振興計画」を改定し、同じく「2020年(フレフレ)関西!800万人作戦」を新たな目標として掲げています。今後は、これらに基づき推進体制を官民共同で検討するなど、訪日外国人観光客の受入れ環境整備も含めて関西一丸となった観光振興の取組みが加速することが期待されます。

 また、観光分野に限らず様々な幅広い分野において、外国人の視点に立ったニーズを関係機関が共有し、魅力向上方策を関西一体となって議論し、対応していくことが必要であるとの認識のもと、近畿経済産業局と関西経済連合会は、2015年6月5日に「はなやかKANSAI魅力アップフォーラム」(事務局:関西経済連合会)及び「はなやかKANSAI魅力アップ研究会」(事務局:近畿経済産業局)を設置します。観光に特化しない幅広い分野における、地域全体での魅力向上に向けた広域での取組は、全国で初めてとなります。フォーラムでは、関西の強み、ニーズ等に関する外国人の生の声をもとに、地域横断的・組織横断的・テーマ横断的に、今後の取組課題を抽出・共有し、経済界、行政の幅広い関係者が関係機関への取組の働きかけと取組状況のフォローアップを行います。フォーラムと研究会を実効的に運営し、関西のさらなる魅力アップに向けた方策を検討してまいります。

※本調査の報告書全体版は、以下からダウンロードしていただけます。
「関西を訪れた外国人旅行者等に対する生声アンケート調査」報告書

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近畿経済産業局 総務企画部 企画課
電話:06-6966-6003

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