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株式会社テイエルブイ
~環境・省エネ分野で海外でのビジネス参入に取り組む企業をご紹介します~
担当課室:国際事業課

最終更新日:平成27年6月1日

蒸気関連機器の専門メーカー 株式会社テイエルブイ

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兵庫県加古川市の本社工場

 株式会社テイエルブイ(TLV)は、蒸気システムに欠かせない特殊なバルブ「スチームトラップ」を始めとする蒸気関連機器の専門メーカーです。国内に11拠点、欧米・アジアなど海外12カ国に現地法人を展開し、100社以上の代理店を通じ50カ国以上で、その製品とサービスを提供しています。

 水が沸騰し発生する蒸気は、蒸気タービンの動力源として使われ、熱源としてもクリーンで温度ムラが少なく制御しやすいため、石油精製・化学分野を中心に食品、製紙など幅広い業界で使用されています。

 蒸気は熱交換器などで熱エネルギーが使用されると、元の水(ドレン)に戻ります。これをできるだけ効率的に、蒸気を漏らさず自動的に排出するバルブがスチームトラップです。これに加え、同社では蒸気・エアの減圧弁、バルブ、高温のドレンから熱エネルギーを回収・利用するドレン回収システム、蒸気システムの計測・診断、メンテナンス機器、自動制御弁、真空蒸気加熱冷却システムの製造・販売など、蒸気関連にフォーカスして、事業を展開しています。

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省エネ型フリーフロート式スチームトラップ

 1950年に創業し、TLV(Trouble Less Valve:故障のないバルブ)のブランドで、蒸気を無駄なく利用でき、高効率で故障がなく、長寿命の製品を自社で開発製造してきました。品質至上主義と独自性の追求を会社の基本方針に、これまでに国内外で3700件以上の特許・実用新案を取得しています。

 特に「フリーフロート式スチームトラップ」は超精密仕上げ加工を行ったフロートと、3点支持構造でシール性を高め、従来製品(ディスク式)に比べて蒸気ロス量が1/10以下、耐久性が約3倍(10年)以上の長寿命を達成した世界No.1の省エネ型トラップで、顧客の工場の省エネルギー・CO2排出量の削減に貢献しています。

コンサルティング、エンジニアリング提案へ

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現場診断の様子

 どれだけ高品質・高性能な蒸気関連機器を開発しても、それが最適な蒸気システムの中で使用されないと真価を発揮できません。すなわち蒸気システム全体を最適化しなければ、蒸気使用工場のパーフォーマンス、品質、エネルギーの有効利用を継続的に改善向上することはできないという観点から、1986年に同社では現場診断に基づくコンサルティングやエンジニアリング提案を行うCES(Consulting & Engineering Service)という概念を打出しました。顧客の抱える「省エネ」、「CO2削減」、「省力化」、「品質・生産性向上」などの課題に対し、現場診断を通じ、より具体的な解決策を提案するようになりました。これにより顧客が気付かない問題点も見つけ出し、感謝されています。

蒸気システムの最適化により省エネに寄与

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ドレン排出箇所の診断の様子

 上述のCES活動を進めていくと、「安全・安定操業」という工場における原点が改めて見えてきました。同社は、2000年代に入ると、蒸気システムを最適化し「省エネ」「環境」「効率」「経済性」を改善すると共に、突発的な生産停止やウォーターハンマー(蒸気やドレン配管系で起こり、時には大事故に繋がる水撃現象)を予防し、工場の「安全・安定操業」を実現する活動へと発展させてきました。

 蒸気は必ず水(ドレン)に戻るため、工場内の全てのドレン排出箇所(=スチームトラップが取り付けられる場所)を毎年診断し、不具合トラップはその用途に最適な型式に取替えて蒸気ロスを抑え、最適状態に維持管理すれば、蒸気使用装置や蒸気システムを最適化できるという考えです。

 そのためには高品質・長寿命のスチームトラップの提供にとどまらず、蒸気ロスを測定・管理する診断ツールの開発や診断員の派遣、データベースの構築など、ハードとソフトを組み合わせてドレン排出箇所を「視える化」し、継続可能な「仕組み」を構築し、それをアウトソーシングとして引き受ける、新たなビジネスモデルを開発しました。

 このビジネスモデルを採用された日本の大手石油精製会社では、複数の事業所で合計約10万台存在するスチームトラップ(ドレン排出箇所)を保守・管理し最適化に取り組まれた結果、トラップの不良率は28%から5%以下に低減し、時間40トンの蒸気ロス削減効果となりました。これは原油換算で年間18,000KLの削減(燃料コスト年間約10億円の削減)、CO2排出年間46,000トンの削減に相当します。この活動により同大手石油精製会社と共同で、経済産業省主催の2009年度省エネ大賞(組織部門)「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。

 このビジネスモデルは、国内では石油精製・化学をはじめ多くの蒸気使用工場で採用され、海外でも東南アジアを中心に国際石油メジャーを含むプラントで採用されています。最近では、各種センサーを活用して装置を連続監視し、異常を早期発見する取り組みも進んでいます。

様々な国際協力に貢献

 国際貢献として、古くは1998年のAPEC国際会議の省エネルギー分科会に、熱エネルギー分野の日本代表として同社が参加し、蒸気の省エネ技術の紹介とその普及による地球全体のCO2排出量の削減予想効果等について発表しました。

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研修生へのセミナーの様子

 また、JICA等の海外の研修生を対象にしたセミナーも毎年本社で開催しています。これまでにセミナーを受講した研修生は延べ100名以上にのぼります。NEDO等を通じて海外へのセミナー講師派遣も行っています。

 さらにODAで、中国・アルゼンチン・ブルガリア・トルコ・ベトナムなどの省エネルギーセンター建設にも現地の講師の育成、省エネ実験設備の設計・納入等でも協力しています。

 最近では、省エネルギー関連技術の移転を目的とするJETROの中南米向け省エネ支援活動に参加し、食品工場の省エネルギー診断・改善指導を実施しました。その結果をもとに、業界全体に共通の問題点を抽出し、現地でセミナー等を通じて、省エネルギーのための啓蒙活動を積極的に行っています。

 蒸気は産業界で最も多く使用される動力・熱エネルギーであり、近年その有効利用の重要性は益々高まっています。今後も事業活動を通じ、蒸気使用工場の安全・安定操業をサポートし、蒸気分野に於ける省エネルギーとCO2排出量の低減に貢献していくことが期待されます。

掲載関連情報

企業名
株式会社テイエルブイ外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
兵庫県加古川市野口町長砂881
電話番号
079-422-1122

関連施策へのリンク

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このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 通商部 国際事業課
電話:06-6966-6051

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