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日本流アウトドア文化を国内外へ
~知財の活用による中小企業のブランディングとライセンスビジネス~
担当課室:産業技術課特許室

最終更新日:平成27年10月1日

株式会社ロゴスコーポレーション ~アウトドアメーカーへの転換~

写真:以下に解説
商標登録第5151843号

 株式会社ロゴスコーポレーションは、1928年に船舶用品問屋「大三商会」として創業され、創業90年を迎える老舗企業です。アウトドアブランド「LOGOS」は、先代社長がアウトドア用品の製造販売への転換に伴って誕生し、今年で30年を迎えます。国内のみでなく台湾をはじめ、アジアへも日本のアウトドアブランドメーカーとして展開を図っています。アウトドア好きな方の中には知っている方も多いのではないでしょうか。水辺5メートルから標高800メートルまで愛用されることを開発当初からのブランドポリシーとしており、ENJOY OUTINGを合言葉に屋外と人をつなぐ第一ブランドを目指し、現在は防災シリーズ「ロゴスライフライン」やワークウエアブランド「LIPNER」等様々な展開をしています。

権利侵害訴訟を提訴され、知的財産の活用に気付く

 同社は、商標、意匠をはじめとする数百もの知的財産権を所有し、パンフレットには全商品に知財権を取得または申請中であることを明記するとともに、他社の権利侵害に対しても警告書を発出することで、「知財の権利侵害に厳しい企業」としてアウトドア業界に浸透しているため、競合他社からの権利侵害はほとんどなくなっています。また、知財の保有は営業の際にも説得力が増す材料となっています。このような知財を重視する取組により自社商品を模倣から守り、創出した高付加価値製品が収益をもたらしています。

 柴田社長が知的財産に興味を持たれたきっかけは、取り扱っていた輸入品が知的財産権を侵害しているとして訴えられたことでした。かなりの時間と費用を費やして勝訴しましたが、この経験から柴田社長は、「知財の知識があれば訴訟は起こらなかったかもしれない、中小企業が大企業に勝つためには法的根拠が必要である」と気づき、知財に興味を持つようになったそうです。知財に関する知識は、問題が発生したときや、必要に迫られたときに弁護士や弁理士への相談や、知り合いの大企業の知財担当者との意見交換を通じて習得していきました。また、新しい制度や情報は弁理士から教えてもらうようにしているため、知財に関する知識がとても豊富な方でした。

スピードだけじゃない!ロゴスの知財戦略

写真:以下に解説
上蓋をとれば鍋料理とオーブン料理が一台で
「LOGOS the KAMADO」

 アウトドア業界では市場のニーズが熱いうちに製品を販売することが必要であり、同社では知的財産権は出来るだけ早く取得するために、良いと思うアイデアがあればすぐに弁理士と相談し出願するようにしています。中小企業のため知財部を創設する規模はないため、ブランディングを担当する広報部が商標関係を、商品開発を手がける企画・開発部が特許・意匠関係と、分担して各部が申請のほか、警告も含めて対応しています。知財を創出した当事者が弁理士とのやりとりの中で知財を勉強しており、この体制が権利取得までのスピードアップや、侵害が発生した際の有効な対応につながっています。

 また国内外での模倣対策については、使えそう(売れそう)なアイデアはすぐに中国でも権利を取得するようにしています。これは、「世界の工場」である中国で権利をしっかり押さえることが他国への模倣品の流出ひいては他国での更なる模倣を抑制することにつながるという考えからです。また、最近ではシンプルなものほど権利化する価値は高いという考えから意匠に注目し、秘密意匠(※)も活用しながら自社の製品を守っています。シンプルな構造の場合、特許で権利を取得しても、権利侵害しないようにうまく「迂回」して同様のものを作られることがあります。それを回避するためには意匠が有効であると考えているからです。

 同社ではブランディングとして商標をしっかり抑えることが大切であると考えています。特許権や意匠権は保護期間が限定された権利であるのに対し、商標権は延長すれば半永久的に効力のある権利であるからです。商標を確実に取得し、マークに対する信頼性を獲得することがブランドとしての目標だそうです。

※秘密意匠・・意匠登録出願人が、意匠権の設定の登録の日から3年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることができる。

ブランディング戦略 ~ライセンシーからライセンサーへ~

写真:以下に解説
2015年に提案した世界観「おうちでアウトドア」
LOGOS HPより

 同社のアウトドア関連事業への転換は、船舶用品卸売業であったことで関連の深い水辺のレジャー用品からスタートしました。当時は子供向け商品にキャラクターを使用するためのライセンス契約(※)を行っていましたが、大人向け市場の開拓にあたり商品の柄に使用するため、大手企業の持つ商標のライセンス契約を行いました。当時は社内でライセンス契約は「商標を製品の柄として使用するなら、商標の保有者から広告宣伝料がもらえる」程度の理解でした。それが、顧客ニーズに基づいた「創意開発」によって創り出されたものを知財戦略で守るブランディング戦略により、今では大企業から販促商品にロゴスの商標を使用するためのライセンス契約を求められるようになりました。

 ライセンスビジネスではライセンシーに、公表に先がけてシーズン毎の「LOGOS」の世界観を伝え、ライセンシーがシーズン毎の「LOGOS」ブランドの世界観にあった製品を売り出せるようにしています。また、ドラマ等で同社製品が使用される際は、ロゴの露出を協力してもらうよう働きかけてブランドに対する認知度を高めるようにしています。

※ライセンス契約・・独占的な権利である知的財産権(特許、商標権など)を保有する権利者が、その知的財産権を実行(発明などの実施、商標などの使用)する権利である「実施権」(商標の場合には「使用権」という)を他人に許諾する契約。契約の主体の一方である知的財産権の権利者(実施の許諾をする者)を「ライセンサー(Licensor))といい、実施権の許諾を受ける者を「ライセンシー(Licensee))という。

海外展開 ~展開戦略はマーケットを熟知する現地代理店に任せる~

写真:以下に解説
柴田代表取締役社長

 海外におけるブランド展開では、進出先の文化や気候等も考慮して取り組んでいます。同社は台湾や韓国・中国などアジアを中心に積極的に海外展開しています。最も早く進出した台湾では15年前から代理店契約による販売を始め、基本的には商品企画から広告、定価設定に至るまで、代理店に任せるという方針により代理店の自由度を高くすることで現地のニーズにマッチした商品を提供し、台湾における日本ブランドへの高い信頼性との相乗効果で人気ブランドへと成長し、「ロゴスファン」を生み出しました。台湾で行われたロゴスキャンプイベントに出席した柴田社長は「ロゴスファン」にとってはスターで、多くの参加者からサインを求められたそうです。一方、欧米等への展開については、例えばバーベキューのイメージが日本と異なるように、生活環境が違うところへは展開を慎重に見極めるなど、独自の判断に基づく戦略をとっておられます。

中小企業こそライセンスビジネスを!

 同社ではアパレルメーカーに対するライセンスを行っていますが、自社製品と競合することもあるそうです。それでもライセンスするのは、より大きな商圏であるアパレル市場に早く根付くためにはアパレルメーカーが持つ市場浸透力を活用するのが最も有効だと考えているからです。柴田社長は、中小企業にはライセンスビジネスに疎い企業が多いが、費用対効果を考えると、中小企業こそライセンスビジネスをするべきであると考えておられます。ライセンサーのブランド力をうまく活用すれは、短期間で成果を上げることも可能であるからです。元々はライセンシーの立場であったロゴスが今はライセンサーの立場となったように、中小企業こそ知財をうまく活用し、ブランディング戦略を確立することで、どんな企業とも対等に戦っていくことが出来るのではないでしょうか。

掲載関連情報

企業名
株式会社ロゴスコーポレーション外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
大阪市住之江区平林南2-11-1
電話番号
06-6681-8204

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 地域経済部 産業技術課 特許室
電話:06-6966-6016

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