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「関西スマートエネルギーイニシアティブ」が本格始動へ!!
~産学官金連携のもと実現に向けた3つのアクションと10項目を提示~
担当課室:参事官(エネルギー・環境ビジネス担当)

最終更新日:平成28年2月1日

 昨年2月にキックオフした「関西スマートエネルギーイニシアティブ」は、この1年の活動を通じて産学官金の気運が高まるとともに、面的な広がりを持ったスマートエネルギーの導入(電気、熱等)や、スマートエネルギー関連の新商品開発・新サービスの創出分野において、徐々に成果が出てきています。

 そこで、今回は、スマートエネルギーをターゲットに、最近のスマートエネルギーを取り巻く環境の変化、関西の強みと導入に向けた動き、「関西スマートエネルギーイニシアティブ」の概要と行動計画等について、御紹介いたします。

1.スマートエネルギー分野への期待・関心の高まり

 スマートエネルギーにあっては、東日本大震災以降、電力の需給環境のひっ迫化への対応、温室効果ガス排出削減目標(2013年度比26%)への対応、電力・ガスシステム改革等に伴う新ビジネスチャンスの到来等があって、スマートエネルギー分野でのビジネスチャンスに関心を寄せる企業等の高まりが見られます。

 昨年秋に当局が実施したスマートエネルギー関連企業へのアンケート調査(中間結果)にあっても、回答のあった125企業のうち約7割弱の企業が既にスマートエネルギー市場に参入若しくは参入予定とのことであり、建設業からサービス業まで多種多様な業界がこのスマートエネルギー分野に期待・関心を示していることが伺えます。

2.関西地域の強みとスマートエネルギー導入に向けた活発な動き

 スマートエネルギー分野における関西の強みは、推進する上で鍵となる、家電メーカー、ハウスメーカー、電子部品メーカー等のプレイヤーが多数存在している点にあります。(表1)

 また、関西の各地域においては、自治体を中心にスマートエネルギーの導入に向けた動きが活発です。

 スマートエネルギーの導入を支援する「平成26年度地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業費補助金(構想普及支援事業)」の採択結果を見ると、事業化可能性調査は15件(全国比21%)、事業計画策定は4件(全国比50%)採択されるなど、他地域に類を見ない数多くの案件が採択されています。(図1)

3.関西スマートエネルギーイニシアティブについて

 このような状況を踏まえ、当局では、産学官金の協力のもと、関西におけるスマートエネルギーの実装の促進とエネルギー・環境関連産業の振興及びイノベーション創出を目的に、「関西スマートエネルギーイニシアティブ」の活動を開始しました。

 平成27年度は、スマートエネルギーに関心を寄せる産学官金のメンバー(13企業、1金融機関、5研究・支援機関、2大学)からなるスマートエネルギー推進グループを設置(表2)し、スマートエネルギー推進のための課題、課題解決に向けた行動等について、様々な角度から御意見・御議論を賜り、行動計画として取りまとめました。

 さらに、関連イベントとして、スマートエネルギー推進セミナー、ビジネスマッチング会、スマエネ実装化支援研究会、スマートエネルギー関連企業の参入実態等に関するアンケート調査、スマートエネルギー関連市場参入成功事例集の作成(予定)等を行いました。

表2 スマートエネルギー推進グループ
企業 大阪ガス株式会社、株式会社大林組、オムロン株式会社、関西電力株式会社、株式会社三社電機製作所、住友電気工業株式会社、大和ハウス工業株式会社、田淵電機株式会社、トランスブート株式会社、株式会社ニプロン、パナソニック株式会社、日立造船株式会社、富士電機株式会社
金融機関 株式会社池田泉州銀行
研究・支援機関 公益社団法人関西経済連合会、国立研究開発法人産業技術総合研究所 関西センター、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 関西支部、独立行政法人製品評価技術基盤機構、公益財団法人地球環境産業技術研究機構
大学 滋賀県立大学、大阪大学大学院

 以下、主な取組内容を紹介します。

(1)関西スマートエネルギーイニシアティブ・行動計画

 活動の出口イメージと、その実現のための3つのアクション10項目を提示しました。(←詳しくは、「関西スマートエネルギーイニシアティブ」行動計画を策定しましたを御覧ください。)

(2)スマートエネルギー推進セミナー

写真:以下に解説 写真:以下に解説
写真1 第1回セミナーの様子

 第1回セミナー(平成27年9月30日)では、HEMSデータを活用したエネルギーマネジメントビジネスモデルの紹介、HEMS、BEMS、FEMS、パワコン、蓄電池等関連企業の取組紹介、パネル展示による参加者間での情報交流の場の提供等を行いました。167名参加。

 開催後のアンケート調査では、「実例をベースにした紹介が大変役立った」とか、「短時間に多くの企業と取組みを知ることができ有益だった」との声をいただいています。(写真1)

 第2回セミナーは、平成28年3月15日午後に天満研修センターで開催する予定です。ぜひ御参加下さい。

(3)ビジネスマッチング会

 中堅・中小企業が持つ優れた技術・サービスを、大手企業に認知してもらい、事業化・製品化に結びつけてもらうためのビジネスマッチング会を開催しました。76名参加。

 ビジネスマッチング会では、 (株)エネゲート、富士電機(株)、日立操船(株)、(株)ニプロン、オムロン(株)からのニーズ提供に対し、中小企業延べ23社から提案が行われ、現在、成約に向けた商談が進められています。

(4)スマエネ実装化支援研究会 in KANSAI

 蓄電地をはじめとするスマートエネルギーの導入促進に向け、パナホーム(株)、富士電機(株)、日立造船(株)、(株)竹中工務店、関西電力(株)、(株)ニプロン、AIST関西センター、NITEから各々の取組紹介を行い、出口戦略を見据えたプロジェクトの創出を目指しました。108名参加。

4.今後の活動展開(行動計画)について
~活動の出口イメージと実現のための3つのアクションと10項目~

 本年1月に策定・公表した「関西スマートエネルギーイニシアティブ・行動計画」(上述)に基づき、以下の活動の出口イメージを持って、その実現のための3つのアクションと10項目を、当局及びスマートエネルギー推進グループが中心となって実施していきます。

 

<活動の出口イメージ>

 本活動の出口イメージは、「面的な広がりを持ったスマートエネルギーシステムの導入(電気、熱等)」と、「スマートエネルギー関連の新商品開発・新サービスの創出」の2点です。

 具体的には、各々、蓄電池を用いた仮想発電所(VPP)の実現、先導的な地産地消型エネルギーシステムの構築(電気、熱等)、HEMSを活用した新サービスの開発、中小工場向けFEMSシステムの高度化とコストダウン、地方版BEMSを活用した6次産業化等を想定しています。(図2)

図2 活動の出口イメージクリックで拡大(PDF:1.17KB)PDFリンク 新しいウィンドウで開きます
写真:以下に解説

<実現のための3つのアクションと10項目>

 上記出口イメージの実現を図るため、当局及びスマートエネルギー推進グループは、今後、以下の3つのアクションと10項目を展開していきます。より多くの方が参加し、取組が一層強化されることを期待していますので、ぜひ積極的に御参加下さい。

【アクション1:取組に関心を持ち参加する企業等を増やす】

  1. セミナー、現地見学会の開催
  2. スマエネ関連情報の発信の強化
  3. 支援機関等における情報共有の強化
  4. スマートエネルギー産業に係る地域中核企業の発掘・継続的育成支援
  5. EMS施工業者のスキルアップ支援

【アクション2:既にあるシーズ・ニーズを⾒える化し、更なる導⼊意欲を高める】

  1. 企業のプレイアップ
  2. スマエネの実装に意欲を持つ企業・自治体等の掘り起こし

【アクション3:具体的プロジェクトの形成に向けたマッチング】

  1. 川上・川下技術マッチングによる新商品の開発支援
  2. スマートエネルギーシステムに付帯する新サービスの創出支援
  3. スマエネ・フラッグシッププロジェクトの創出支援

4.その他(平成27年度第2回スマートエネルギー推進セミナーについて)

 平成28年3月15日(火)午後に天満研修センター(大阪市北区錦町2-21)において開催します。今回のセミナーでは、スマートエネルギー推進に係る国の政策紹介、スマートエネルギーの利用者及び製品提供者側双方からのからの導入事例紹介、パネル展示交流会を予定しています。

 当日のプログラムや申込方法(無料)等は、2月17日に当局HPで発表する予定です。

関連施策へのリンク

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 参事官(エネルギー・環境ビジネス) 担当:濱崎、岡元
電話:06-6966-6041

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