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最終更新日:平成28年2月1日
NITE(ナイト 独立行政法人製品評価技術基盤機構)は、新たに大型蓄電池システムの安全性等の試験評価業務に着手することとなり、世界最大規模の試験設備(NLAB(エヌラブ)National LABoratory for advanced energy storage technologies)を大阪南港咲洲コスモスクエア地区に整備します。また、これに合わせ、NITE大阪の事業所を同地区に移転します。
NLABの整備により、メガワットクラスの大型蓄電池の試験評価が可能となり、これまで困難だった発火燃焼等の危険を伴う各種試験が安全に実施できるようになります。
今後、平成28年春頃に施設利用の受け付けを開始し、平成28年夏頃に試験サービスを開始予定です。なお、施設のご利用に関するご相談は随時受け付けていますので、お気軽にご連絡下さい。
電力供給の安定化、スマートグリッドの構築や太陽光など再生可能エネルギーの導入に不可欠なインフラとして、定置用大型蓄電池システムは、国内外において導入が進められています。大型蓄電池システムを海外に提供する際には、顧客が求める認証の取得や試験データが必要となっていますが、現在、統一された規格がないため、国毎に異なる試験、認証をしています。
国内には定置用大型蓄電池システムの試験を安全に実施できる試験所がないこと、認証基盤が脆弱であることから、経済産業省は、「グローバル認証基盤整備事業(大型蓄電池システムの性能・安全性の試験評価拠点整備)」として、世界に先駆けて定置用大型蓄電池システムに関する試験評価施設を整備することとなりました。
この施設は民間や研究機関が活用するプラットフォームとして、国際標準や試験評価方法の開発、国内製品の性能の優位性や安全性を示すための試験評価、国内認証体制の強化などのために活用され、我が国の産業競争力の強化を図って行きます。
NLABでは世界最大規模となる恒温型、屋内型、耐爆型の試験施設(NLAB Large Chamber)を整備します。このNLAB Large Chamberは最大53ft(約16m)のコンテナサイズの大型蓄電池システム(主にリチウムイオン電池)を対象とした発火燃焼の危険を伴う試験を安全に実施可能です。
また、大型蓄電池システムの安全性試験(振動、外部短絡、落下試験等)を行うための様々な試験設備(NLAB Testing Facilities)を整備するほか、国内メーカーの海外進出を促進するために国内外の認証機関のテストラボとしての活用、研究機関やメーカーと連携した国際標準の開発や共同研究拠点としての活用を予定しています。
NLABは蓄電池以外の様々な製品についても、試験評価に活用できる施設となっています。さらに、将来はリチウムイオン電池に加え、他の大型蓄電池システムの安全性試験の検討にも着手する予定です。
Large Chamber (多目的大型実験棟)では大型蓄電池(盤、コンテナサイズ)の様々な試験が、Testing Facilities(機能別実験棟)では大型のモジュール、盤サイズ蓄電池の各種試験が実施可能です。実施可能な試験、蓄電池のサイズについては、個別にご相談下さい。
施設区分 | 想定試験(例) | 概要 |
---|---|---|
Large Chamber 多目的大型実験棟 |
耐類焼試験 | 一つのセル、モジュールが発火した場合でも、周辺への類焼が起こらないことを確認する試験が可能です。 |
充放電・システム効率試験 | JIS C 8715-1 に規定される放電性能等の各種試験が、盤、コンテナサイズ蓄電池でも可能です。 | |
BMS動作試験 | 盤、コンテナサイズの蓄電池に過出力、過電圧、過放電等の異常が生じた際のBMS動作確認試験が可能です。 | |
消火設備の性能試験 | 盤、コンテナサイズの蓄電池を発火させた場合の消火装置の動作確認試験が可能です。 | |
水没試験 | 盤サイズ蓄電池の水没試験が可能です。 | |
Testing Facilities 機能別実験棟 |
地震波再現試験 | 東日本大震災、阪神淡路大震災の地震波を100%再現可能です。 |
国連輸送振動試験 | 国連輸送規格(UN38.3)等の規格に基づいた振動試験が可能です。 | |
充放電試験 | 温度可変環境下での充放電試験が可能です。 | |
落下試験 | モジュール、盤サイズ蓄電池の落下試験が可能です。 | |
その他の試験 | 外部短絡試験、破壊試験(モジュールサイズまで) |
近畿経済産業局 総務企画部 総務課 広報・情報システム室
電話:06-6966-6009