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製品安全対策優良企業のご紹介(第3回)
パナホーム株式会社
~「第9回製品安全対策優良企業表彰 商務流通保安審議官賞」(2015年度)を授与~
担当課室:製品安全室

最終更新日:平成28年4月1日

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製品安全対策優良企業のみ使用できるロゴマーク
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2015年度製品安全対策優良企業表彰授賞式
(右側が、パナホーム株式会社 上席理事
品質・環境本部長 中村 裕(ゆたか) 氏)

 企業の製品安全対策意識の向上と製品安全に係る事業活動を応援するため、近畿地域(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)で、経済産業省の「製品安全対策優良企業表彰(※1)」を受賞した企業をご紹介しています。

 連載の3回目は、「第9回製品安全対策優良企業 大企業小売販売事業者部門 商務流通保安審議官賞」(2015年度)を受賞したパナホーム株式会社の取組をご紹介いたします。

 なお、同社の当表彰は、住宅業界で初めて受賞した「第6回製品安全対策優良企業 大企業小売販売事業者部門 商務流通保安審議官賞」(2012年度)に続いて2回目の受賞になります。

(※1)製品安全対策優良企業表彰
経済産業省が実施する製品安全に対する特に積極的な取組を行っている民間企業を表彰し、社会に製品安全の価値を定着させることを目的として、2007年度より実施している制度です。

 

お客様の安全向上に向けた取組

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住まいの手帳
(手入れ・補修等の手引き書)
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ビルトイン式電気食器洗機

 パナホーム株式会社は、大阪府豊中市に本社を置く、パナソニックグループの住宅総合メーカーとして、現在まで約45万棟の住宅をお客様にお届けしており、お客様に安全・安心な住宅を提供するため、製品安全対策を重点課題として取り組んでいます。

 パナホーム株式会社は、ビルトイン式電気食器洗機や浴室用電気乾燥機など「消費生活用製品安全法に基づく長期使用製品安全点検制度(以下、長期使用製品安全点検制度)」の対象となる製品を組み込んだ住宅販売を行うケースが多くあります。

 この「長期使用製品安全点検制度」は、長期間の使用が見込まれ、部品などの経年劣化により、火災や死亡事故を起こすおそれのある屋内式ガス瞬間湯沸器など9つの製品について、そのユーザーと製造・販売事業者の双方に点検・保守の責務を求めた制度です。

 そのため、パナホーム株式会社では、住宅の引渡し時には、お客様に、パンフレットを用い、これら対象製品の点検・保守について、丁寧な説明を行っています。また、その後も、手入れ・補修等の手引き書である「住まいの手帳」、年4回発行される情報誌である「パナホームライフ」などを用い、住宅安全に関わる取扱や安全に関する情報をお客様に継続的に提供しています。

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電動オーニング窓(○で囲んだ位置の室内側中央にラベル貼付け)

 さらに、「長期使用製品安全点検制度」対象外の製品についても、事故が発生しないよう、お客様への注意喚起に万全を期しています。

 例えば、複数の小窓を連結し、電動操作で開閉する窓の「電動オーニング窓」については、開閉窓に指をはさむことへのリスクアセスメントを行い、危険な箇所に、「開閉時指はさみ注意」のラベルを貼り付けるなど、安全に関する処置を施しています。

 また、パナホーム株式会社では、これまでに引渡しした45万棟のお客様から、年間30万件の問い合わせ・相談情報を受け付けています。その中から、「生活安全モニタリング」として「生活安全」に関するキーワード(ケガ、転倒、落下、煙、など)で情報を抽出し、製品の設計を改善するなど、必要に応じた対応・処置を行うことにより、製品のより一層の安全性向上に繋げています。

 パナホーム住宅で採用している設備について、リコール情報(メーカーが回収、修理等を行う情報)があった場合は、パナホームホームページのニュース欄「大切なお知らせ外部リンク 新しいウィンドウで開きます」の中で、タイムリーに開示することで、広報に努めています。

 リコール対象のお客様については、お客様の住宅情報データベースである「住宅履歴情報管理システム」により速やかに確定し、ダイレクトメール等で、設備の交換、補修等のご案内するともに、状況に応じて、対策本部を設置するなど、専門体制による速やかな処置を行っています。

 そして、リコール製品に対する回収、修理、点検の状況を社内イントラに掲載し、全社員が共有することにより、製品安全意識の高揚に繋げています。

安全な製品を販売するための取引先との連携

 パナホーム株式会社では、お客様へ、安全な製品を販売するため、取引先である仕入れ業者及び施工業者との連携を強化しています。

1.仕入れ業者との連携

 パナホーム株式会社は、仕入れ業者に、年1回以上の品質管理の監査を行っています。監査の効率を改善するため、これまでの評価基準を見直し、経済産業省が平成27年4月に策定した「流通事業者マーチャンダイザー・バイヤー向け製品安全チェックリスト」(※2)を活用して、平成27年6月に、新たに仕入れ先監査用の「パナホーム版チェックリスト」を作成しました。

(※2)流通事業者マーチャンダイザー・バイヤー向け製品安全チェックリスト(平成27年4月 経済産業省)
 製品安全の実現に向けて仕入担当者(マーチャンダイザーやバイヤー)に望まれる役割を整理し、その業務に就く担当者にとって参考となる「製品安全チェックリスト」です。

 これにより、仕入れ業者に対して、自己診断させることで評価し、監査時の重点ポイントを絞込むなど、より効果的な監査を行うことで、製品仕入れ時の安全性確認のレベルアップを図ることができました。

【パナホーム版チェックリストで自己診断させる評価項目の一例】

  • 取扱予定製品について適用される法令を満たしていることを確認しているか。
  • 取扱予定製品が、製品安全管理規定、製品安全要求規定、製品安全基準等を満たしていることを確認しているか。
  • 取扱予定製品の事故・リコール事例を収集しているか。
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パナホーム版チェックリスト(一部抜粋)

 また、仕入れ業者とは、お客様の製品使用トラブルを防止するため、ヒューマンエラー対策勉強会を行い、安全な製品が仕入れるよう、品質・安全レベルの徹底・向上にも取り組んでいます。

 さらに、社長自らが取引先に対して、パナホーム品質方針の説明を年1回定期的に行うなど、製品安全に関する知識・意識の向上に努めています。

2.施工業者との連携

 パナホーム株式会社は、施工業者約5,000社 15,000名による「パナホーム施工チェーン会」を構成しています。

 「パナホーム施工チェーン会」では、加盟店に対し、関係法令を含めた知識・技術・モラル向上のための教育・指導を実施すると共に、お客様評価(新築1年目のアンケート、お客様の声)の内容を情報提供することで、標準施工の徹底、自主検査の徹底をお願いし、品質意識の高揚に努めています。

 また、施工に不備があれば、対策勉強会を行い、相互に情報を交換し改善を行うなど、品質・安全レベルの徹底・向上に取り組んでいます。

 

 以上、御紹介したような、お客様への継続的、丁寧な情報提供による安全向上に向けた取組、取引先仕入れ業者・施工業者との緊密な製品安全のための連携等が評価され、「製品安全対策優良企業」に2度受賞されるという結果に繋がっています。

パナホーム株式会社からコメント

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パナホーム株式会社 上席理事
品質・環境本部長 中村 裕(ゆたか) 氏

 住まいは、大切な資産として受け継がれると共に、長く快適に安心して暮らせることが必要ですが、その中でも特に『安全・安心』であることは何よりも優先されなければなりません。

 特に最近は、頻発する自然災害への備えや、省エネ・創エネ・蓄エネといった環境負荷低減への取組と連動して、HEMS(※3)などの新しい技術が導入されています。こうした背景の中、住宅メーカーとして、更なる『安全・安心』なくらしの実現を図ると共に、住宅業界で他社の模範となるような「製品安全文化の構築」に注力して参ります。

(※3)HEMS
 HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギーマネジメント システム)」の略で、家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムです。家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」したりします。

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ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)

パナホーム株式会社の概要

 パナソニックグループの住宅会社として、戸建住宅・賃貸住宅などの建築工事、リフォーム工事の請負及び施工等を行っています。

本社所在地
〒560-8543 大阪府豊中市新千里西町1丁目1番4号
設立
1963年7月
資本金
284億円(2015年度3月31日現在)
代表者
取締役社長 藤井 康照

関連施策のリンク

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 消費経済課 製品安全室
電話:06-6966-6098

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