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IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例
1.カスタマイズ可能な「ドローン」活用ビジネス(橋梁検査等)事例
2.リアルタイムな情報配信で「ユーザの利便性・満足度を向上」する事例
担当課室:情報政策課

最終更新日:平成28年5月2日

昨今、IoT(Internet of Things)やビッグデータ等の新たなITによる産業の革新が重要テーマとなっております。このような中、近畿経済産業局ではIT分野における新ビジネスの創出等の促進を図ることを目的に関西におけるIoTなどの先進的・革新的事業事例と、IT分野における知的財産戦略を「FRONTIERS2016 ~ IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例と知的財産戦略 ~」として平成28年2月にとりまとめました。

このFRONTIERS2016に掲載した事例を、E!KANSAIにおいて数回に分けてご紹介させていただきます。

今月号では、第1回として2社の事例をご紹介いたします。

1.カスタマイズ可能な「ドローン」活用ビジネス(橋梁検査等)事例

今話題のドローン。

様々な用途への活用が期待されるドローンですが、用途に応じたカスタマイズは、機体の安定性の面から技術的に難しいとされてきました。

「菱田伸鉄工業株式会社」は、大学との連携による姿勢制御技術によって、橋梁検査等の特殊用途向けに、機体上部にカメラを搭載することで「見上げる撮影」を実現し、さらに自在なカスタマイズが可能なドローンを開発しました。

事例

橋梁検査等特殊用途向けドローン Albatross 菱田伸鉄工業株式会社

製品サービスの特徴
  • 3kgまでの機材を搭載できるなど、利用用途に応じ自在にカスタマイズ可能なドローン(飛行ロボット)を開発
  • 例えば、機体上部にカメラを搭載し「見上げる撮影」による橋梁検査が可能であるなど、特殊な場面で活躍
  • 使用環境に応じた操作およびデータ通信周波数の選択が可能
  • 飛行状態や撮影画像を常時モニタ可
  • ログデータをシステム開発や事故原因究明に活用
アルバトロス
アルバトロス
事業概要
  • 橋梁点検ではカメラを機体上部に搭載する衝突防止システムの付加など、用途に応じてドローンのカスタマイズが可能
  • 姿勢制御技術等を有する徳島大学や他企業と連携することで、位置決め精度の高度化や安定した飛行が期待できる平行移動技術、さらに有線給電など新たな機能を持つドローンを開発中
  • より高精度な橋梁検査実現に向け、大阪市立大学、ひび割れ計測器を開発するクモノスコーポレーション(株)との連携による点検システムを開発中
アルバトロスの仕組み
アルバトロスの仕組み
ニーズへの対応
  • 従来のドローンと異なりカスタマイズ可能で、橋梁検査などの特殊用途での使用が可能
  • 機器開発販売だけではなく、機器を使用した検査支援サービスによる新たなビジネスモデルも検討中

掲載関連情報

企業名
菱田伸鉄工業株式会社外部リンク
所在地
大阪府堺市西区築港新町2丁7番2号
電話番号
072-244-6905

2.リアルタイムな情報配信で「ユーザの利便性・満足度を向上」する事例

乗合バス事業では、何らかの原因でバスが遅延してしまうと、いつバスが来るのかわからず、ユーザに不便をかけてしまうことがあります。

みなと観光バス株式会社は、IT技術でこの問題に挑戦し、ユーザの利便性・満足度を向上するために、Google社が提供しているGoogleマップを活用し、走行中の乗合バスの現在地がリアルタイムにわかるバスロケーションサービスを提供しています。

事例

現在地や混雑状況を発信 バスロケーションサービス みなと観光バス株式会社

製品サービスの特徴
  • バスが遅延した際の状況等をユーザがリアルタイムにわかるようにすることで、ユーザの利便性・満足度を向上
  • 汎用デバイスを用いた自社開発により、安価なシステムを構築
  • 乗降数など取得したデータを活用・公開することによる新たなサービス展開を検討中
アルバトロス
バスロケーションサービス
※Google Mapsを利用しています。
Google Mapsは、Google Inc.の商標です。
事業概要
  • GPSによるバスの位置情報を取得し、リアルタイムで地図上にバスの位置情報を表示
  • Googleマップ上にバスの位置を表示することで、ユーザの視認性を向上
  • スマホ等の電波を計測し、混雑状況も取得
  • 独自開発した装置から車速、エンジン回転数、運行距離等を、ヘルスケアバンドから運転手のバイタルデータを取得することで、車両及び運転手のリアルタイム健康管理を同時に実施
写真:以下に解説
車両情報収集装置
(車両のパルス信号から車速等のデータを取得)
写真:以下に解説
車両操作パネル

写真:以下に解説
バスロケーションサービスの仕組み
ニーズへの対応
  • バスの遅延状況や混雑状況を分かるようにすることで、ユーザの利便性・満足度を向上
  • 冷凍トラック等の車内温度を取得・管理することで、適切な運搬を証明
今後
  • 車両データを、随時オープンデータとして公開
  • 今年度中には、デベロッパーが公共交通機関のデータを相互運用可能な方法で利用するアプリケーションを開発可能とする、GTFS(General Transit Feed Specification)に従った形式でのデータを公開予定

掲載関連情報

企業名
みなと観光バス株式会社外部リンク
所在地
兵庫県神戸市東灘区向洋町東1丁目4番
電話番号
078-845-3710

関連施策へのリンク

FRONTIERS2016 ~ IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例と知的財産戦略 ~

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 地域経済部情報政策課

電話:06-6966-6015

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