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最終更新日:平成28年6月1日
企業の製品安全対策意識の向上と製品安全に係る事業活動を応援するため、近畿地域(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)で、経済産業省の「製品安全対策優良企業表彰(※1)」を受賞した企業をご紹介しています。
連載の4回目は、「第9回製品安全対策優良企業 大企業小売販売事業者部門 優良賞」(2015年度)を受賞した株式会社ダスキンの取組をご紹介いたします。
なお、同社の表彰は、訪問販売業界およびダストコントロール業界で初めての受賞になります。
※1)製品安全対策優良企業表彰
製品安全に対して特に積極的な取組を行っている民間企業を表彰し、社会に製品安全の価値を定着させることを目的として、経済産業省が2007年度より実施している制度です。
株式会社ダスキンは、清掃用具・衛生用品、介護用品・福祉用具のレンタルや外食産業など多岐にわたる事業を展開する企業として、使用者に安全で安心な製品を提供するため、製品安全対策を重点課題として取り組んでいます。
使用者の視点に立った製品を提供するため、自社製品の開発時には、使用者の視点で各種試験検証を行い、さまざまなリスクを低減しています。
レンタル期間中、使用者に安全で衛生的にご使用いただくために、モップにはホコリをとるための吸着剤に抗菌剤・防かび剤・アレル物質抑制剤を配合しています。吸着剤の原材料は安全なもののみを使用しており、急性毒性試験、皮膚刺激性、眼粘膜刺激性の安全性を外部の第三者試験機関で確認しています。
モップは、4週間ご利用いただいた後に回収して洗浄再生し、新たな使用者にお貸しするレンタル商品です。異物による危害リスクの低減のため、製品の検査工程で全製品に対し金属探知機とX線試験機により異物が混入していないことの安全確認を行っています。
また、他社製品選定時にはリスク検討会議を開催し、採用候補の製品のモノと資料(企画書、仕様書・検査データ等)を基に、安全・品質・機能・法律遵守の観点からチェックを行っています。さらに詳細を確認する必要があると判断された場合は、事業部門から独立した社内第3者機関の商品検査センターが、消費者の使用シーンやタスク(動作)より危害シナリオを作成して、リスク分析をするなど製品評価を行っています。このように製品はリスクアセスメントと安全面の評価を行った上で、採用の可否の判断をしています。
株式会社ダスキンでは、介護用品・福祉用具(以下、福祉用具等)を取り扱っています。福祉用具等は、高齢者の自立した社会生活を支援する上で欠かせない製品です。しかし誤使用や不注意などによって事故が発生することもあり、特に高齢者の場合「死亡」「重傷」といった重篤な被害に至るおそれがあるため、事前の対策及び使用時の注意が必要です。
参考までに、独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター(以下、NITE)に通知された製品事故情報において、福祉用具による高齢者の事故は、平成22年度~平成26年度までの5年間に合計147件ありました。詳細な内容については、以下のNITEホームページに掲載されています。
NITEホームページ
そのことから、利用者の誤使用や不注意による事故を防止するため、利用者(高齢者とそのご家族)に対する丁寧な安全情報の提供を行うとともに、定期訪問によって利用状況を確認するなど、安全確保の強化に努めています。
同社は、ダスキンヘルスレント(福祉用具等のレンタルと販売)において、利用者の誤使用リスクを低減するため、メーカーの取扱説明書とは別にダスキン独自の動画マニュアルを提供するなど、丁寧な安全情報の提供を行っています。
また、福祉用具等は、利用者の体の状態の変化によって用具があわなくなり事故につながることがあります。
そのことから、3ヶ月毎の定期訪問を推進することで、利用者と製品があっているか利用状況を確認し、適切な助言を行うなど、安全確保の強化に努めています。
同社では、全国各地域で事業を展開する加盟店オーナーやマネジャーが、社内の研修施設である「ダスキンスクール」(大阪府吹田市)にて経営理念から運営ノウハウまでを総合的に学び、製品やサービスの知識と技術を習得しています。
また、製品をお届けするスタッフにおいても、専門的な知識をもつ必要があるため、「地域研修センター」(全国10箇所)を設置し、サービス・技術向上を目指し、地域の市場特性に合わせた研修を繰り返し行い、製品を正しく安全にご使用いただくための情報が確実に伝わるよう取り組んでいます。
以上、ご紹介したような、使用者の視点に立った取扱製品の選定、利用者に対する丁寧な安全情報の提供、加盟店を含めた情報共有や人材育成が評価され、<製品安全対策優良企業表彰>を受賞するという結果に繋がっています。
同社では、地域・社会への取組としてダスキンの事業を体感できる場として「ダスキンミュージアム」をオープンし、ダスキンのエコを紹介する場として「ダスキン工場見学」を実施。また、子供たちへお掃除を通して「学校教育支援活動」も行っています。
同社では、ダスキンが長年培ってきた事業のこだわりを分かりやすく紹介し体験できる「ダスキンミュージアム」を2015年10月1日にオープンしました。ミュージアムは、お掃除の歴史や文化を紹介・提案する「おそうじ館」と、ミスタードーナツの歩みや魅力を紹介する「ミスドミュージアム」の2つのコンテンツからなり、訪れる人が楽しく体感できるようになっています。
同社では、暮らしの身近にあるエコを実感する場として工場見学を実施しています。回収されたモップやマットが洗浄され、再び商品化されるまでの工程を見ていただくことで、モノの大切さや環境保全への取組の重要性を学ぶ機会を提供しています。
2014年度は、6,704名の見学者が全国の工場(全国13箇所)を訪れました。
同社では、2000年より掃除教育に関する研究に取組、教員向けセミナーや出前授業、教育支援カリキュラムなどを通して、未来を担う子どもたちに「掃除の必要性や知識、習慣を身につけてほしい」「ゴミの捨て方や環境のことを考えられるようになってほしい」「掃除を通して内なる力を伸ばしてほしい」という願いをこめた「学校教育支援活動」に力を入れています。これらの活動が認められ、2014年には経済産業省が主催する「第4回キャリア教育アワード※」の大企業の部において、優秀賞を受賞しました。
2015年度は、24の教育委員会で教員向けセミナーを実施して660名が受講し、また358校に出前授業を実施して32,413名の児童が受講しています。
※「キャリア教育アワード」は、企業や団体による教育支援の取組を推奨・普及するために、経済産業省が2010年度から実施している表彰制度です。
ダスキンは1963年の創業以来、「喜びのタネをまこう」をスローガンに、安全・安心で優れた製品・サービスの提供を通じて地域の皆様の暮らしが快適で豊かになるよう、力を注いでまいりました。また、日本でいち早くフランチャイズシステムをとり入れ、今では事業領域は環境衛生からフードサービスまで多岐にわたります。当社は「製品・サービスは全ての段階(研究・開発・購買・製造・流通・お客様のご使用・廃棄)において安全性を最優先する」品質方針を策定し、製品安全活動に取り組んでおります。今回、受賞をいただき、社員一同光栄に感じております。これを励みに今後ともさらなる製品安全活動に取り組んでまいります。
清掃用具・衛生用品、介護用品・福祉用具のレンタルや清掃サービス、「ミスタードーナツ」を中心とする外食事業などのフランチャイズチェーンを展開しています。
本社所在地:〒564-0051 大阪府吹田市豊津町1番33号
設 立:昭和38年2月
資 本 金:113億円(平成27年度3月31日現在)
代 表 者:代表取締役社長 山村 輝治
近畿経済産業局 産業部 消費経済課 製品安全室
電話:06-6966-6098