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IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例 第2回
1.作業のデジタル化により、「正確性・信頼性を向上」する京都機械工具株式会社
2.IoTを環境計測に活かす地球観測株式会社

担当課室:情報政策課

最終更新日:平成28年9月1日

昨今、IoT(Internet of Things)やビッグデータ等の新たなITによる産業の革新が重要テーマとなっています。このような中、近畿経済産業局ではIT分野における新ビジネスの創出等の促進を図ることを目的に関西におけるIoT等の先進的・革新的事業事例と、IT分野における知的財産戦略を「FRONTIERS2016 ~IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例と知的財産戦略 ~」として平成28年2月にとりまとめました。

E!KANSAIでは、このFRONTIERS2016に掲載した事例を、数回に分けて紹介しています。

今月号では、第2回として京都機械工具株式会社、地球観測株式会社の事例を紹介します。

1.作業のデジタル化により、「正確性・信頼性を向上」する事例

ボルトやナットなどを規定のトルクで締め付ける工具である「トルクレンチ」。

「KTC」のブランドで知られる「京都機械工具株式会社」のトルクレンチ『デジラチェ[メモルク]』は、デジタルでトルク値を表示し、設定トルク値に達すると音と光で知らせる高精度なトルクコントロール機能を備えています。さらに測定データを記録してPCやサーバで管理することで、デジタルトルクレンチによる作業のトレーサビリティを実現しました。

現在は、ウエストユニティス株式会社のスマートグラス「InfoLinker」との連携により、さらに進化した工具を開発中です。

事例

作業工程の可視化を実現 デジラチェ[ メモルク] 京都機械工具株式会社

【製品サービスの特徴】
  • トルクレンチの締め付けトルク値をデジタル表示し、測定データをPCやサーバで管理
  • 作業を見える化してコンピュータ処理することにより、締め忘れ、締め過ぎ等を防止すると共に、容易でより確かなトルク管理をすることが可能
【事業概要】
  • トルク値のデジタル表示、ランプや音による見える化でネジの締め忘れ、締め過ぎ等を防止
  • トルク値、締結箇所や日時等のデジタル記録により、容易でより確かなトルク管理が可能
  • 機能を絞ることでコストを低減
【ニーズへの対応】
  • ウエストユニティス(株)のスマートグラス「InfoLinker」と連携したモデルを開発中

    スマートグラスのモニタに表示される色によって設定トルク値に達したことを判別でき、スマートグラス内蔵カメラにより作業時の自動撮影を実現
    (平成27年度戦略的基盤技術高度化支援事業採択案件)

  • さらに現在、ICタグを埋め込んだボルトと工具を会話させ、ネジそのものから作業結果を取り出して効率的に管理するシステムを開発中。
  • 不適切なトルク管理による故障や事故の低減
  • 作業記録のデジタル化で、作業効率の向上
  • 導入・運用が容易で、小型・簡便・安価な工具
  • デジラチェ[メモルク]
    デジラチェ[メモルク]
  • スマートグラス等との連携
    スマートグラス等との連携
デジラチェ[メモルク]の仕組み デジラチェ[メモルク]の仕組み

掲載関連情報

企業名
京都機械工具株式会社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
京都府久世郡久御山町佐山新開地128番地
電話番号
0774-46-3700

2.IoTを環境計測に活かす事例

昨今、ゲリラ豪雨などにより、突然起こる斜面災害(地滑り)等の災害予防、適切な温度や湿度管理が重要となる美術品管理などを適切に実施していくためには、常日頃の監視が必要となります。

「地球観測株式会社」は、大阪大学の研究成果を社会還元(事業化)し、これらの環境の変化を監視するための安価で高性能な無線環境監視システムを提供しています。本システムは、リアルタイムに細かいスポットのデータを遠隔監視することが可能で、高速道路沿いの斜面や国内外の美術館・文化遺産などに設置されています。

事例

独自のノウハウによる環境計測 無線環境監視システム 地球観測株式会社

【製品サービスの特徴】
  • 斜面災害(地滑り)を予測する地盤形状監視や、トンネル監視・美術館の環境監視など、各分野に特化した独自のノウハウを駆使した、効率的・効果的な無線環境監視システムを提供
  • 電池駆動による超低消費電力の無線計測器を開発、独自のノウハウで配置・計測、スマートフォン・タブレット等での常時確認を実現
【事業概要】
  • 電池駆動による超低消費電力で長期間メンテナンスフリーな機器を開発、独自のノウハウで配置・計測することで、機器や作業に係るコストを低減させるとともに、高密度・高精度な測定を実現
  • サーバに蓄積したビッグデータにより精度向上を図り、スマートフォンにより確認可能なサービスを提供
【ニーズへの対応】
  • 道路防災、美術館環境改善、文化遺産保存など、分野の異なる計測ニーズに対応
  • システムを無線化することで設置費やメンテナンス費を抑え、簡便にすることで従来高価で高密度・高精度な環境監視システムを安価に提供することを実現
  • 左:実際の活用場面 右:小型通信機
    左:実際の活用場面 右:小型通信機
  • 斜面災害監視システムの仕組み
    斜面災害監視システムの仕組み

掲載関連情報

企業名
地球観測株式会社外部リンク 新しいウィンドウで開きます
所在地
大阪府吹田市豊津町1番10号206室
電話番号
06-6170-2477

関連施策へのリンク

FRONTIERS2016 ~ IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例と知的財産戦略 ~

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 地域経済部 情報政策課

電話:06-6966-6015

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