トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 11月号企業紹介
最終更新日:平成28年11月1日
昨今、IoT(Internet of Things)やビッグデータ等の新たなITによる産業の革新が重要テーマとなっています。このような中、近畿経済産業局ではIT分野における新ビジネスの創出等の促進を図ることを目的に、関西におけるIoT等の先進的・革新的事業事例と、IT分野における知的財産戦略を「FRONTIERS2016 ~IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例と知的財産戦略 ~」として平成28年2月にとりまとめました。
E!KANSAIでは、このFRONTIERS2016に掲載した事例を、数回に分けて紹介しています。
今月号では、第3回としてマゼランシステムズジャパン株式会社、株式会社扶桑プレシジョンの事例を紹介します。
現在、カーナビゲーションシステムやスマートフォンに搭載されているGNSS(全地球航法衛星システム※1)受信機では、数m程度の誤差があるため、モノの自動運転に用いるには大幅な制限があり、数センチ程度の精度を持つ高価な受信機を用いる必要がありました。マゼランシステムズジャパン社が開発したRTK(リアルタイムキネマティック)GNSS慣性計測システムは、数センチ程度の位置精度を持つ独自開発のGNSS受信機と慣性計測装置(IMU※2)とのタイトカップリングにより、モノの自動運転に必要な姿勢角や速度を提供するものです。さらに、従来数百万円~1千万円程度する同様の製品を、マゼラン社は自社で保有する高度な技術によって飛躍的なコストダウンを実現したことから、自動運転のコア技術として農業機器に導入されるなど、新たな市場、利用方法が生み出されています。
GNSS慣性計測システムの仕組み
GNSS慣性計測システムを搭載した農業機器
センチメートル級の精度を持つ高精度衛星測位技術と慣性計測装置を独自のカップリング技術により組み合わせ、安定した高精度な位置、姿勢角、速度等をリアルアイムで提供
GPS衛星とGLONASS衛星のL1帯に限定した小回路規模の高精度GNSS測位デバイスと低価格MEMS(※3)センサーを独自に高度に組み合わせることで飛躍的にコストダウンを図り、低廉化を実現
※1:GNSS(Global Navigation Satellite System(s))
※2:IMU(Inertial Measurement Unit)
※3:MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)
株式会社扶桑プレシジョンは、写真や動画などのデジタルデータを自動的・定量的に、改ざん(編集)されているかを判断するシステムを開発しました。数万件の画像データを一日で自動的に検査することが可能で、工事現場の記録写真や美術館等のデジタル化画像等の信憑性の保証に活用されています。ビッグデータの活用が進んでいる現在において、画像データ等の信憑性を保証するシステムとして益々の活躍が期待できます。
デジタルデータ改ざん検出システムの仕組み
画像データ改ざんの検出例
FRONTIERS2016 ~ IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例と知的財産戦略 ~
E!KANSAI IoT時代の新IT応用ビジネス先駆的事例 シリーズ
近畿経済産業局 地域経済部情報政策課
電話:06-6966-6015