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最終更新日:令和5年4月3日
近畿経済産業局では、関西における環境ビジネスの推進に取り組んでいます。
今年度、バイオマスを活用した地域活性化を目的とする「近畿地域の次世代型バイオマス利活用技術に関する大学等知財活用調査事業」を実施しており、さらにその周知等を目的としたセミナーも開催しています。
調査事業の概要及び11月17日に開催した「バイオマス産業セミナーin福知山」の様子を紹介します。
バイオマスを含む再生可能エネルギーについては、閣議決定された第四次エネルギー基本計画に基づき、2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していくこととなっています。
また、本年9月に、関係7府省(※)によって改定された「バイオマス活用推進基本計画」では、地域に存在するバイオマスを活用して、地域が主体となった持続可能な事業を創出し、ここから生み出された経済的価値を農林漁業の振興や地域への利益還元による活性化につなげていくことなどに重点を置いています。
このような流れを受け、今年度、当局では、各地域に存在するバイオマス資源を対象とし、その利用促進のための次世代型バイオマス利活用技術に関する調査を実施しています。奈良先端科学技術大学院大学 新名惇彦名誉教授を中心として、管内大学、研究機関の先生方にも協力頂きながら、2017年4月には、自治体等のバイオマス利活用施策立案に資することを目的とした報告書を公表予定です。
(※)内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
図1 近畿地域の次世代型バイオマス利活用技術に関する大学等知財活用調査事業のイメージ
写真1
セミナー当日の様子
写真2
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
竹林征雄副理事長
平成25年度からは、自治体とバイオマス産業関連企業との交流・出会いの場、最新の情報提供の場としてバイオマス産業に関するセミナーを開催しています。
今年度は、京都府福知山市の全面的な協力の下「バイオマス産業セミナーin福知山」を11月17日同市サンプラザ万助にて開催し、京都府内外の自治体関係者、バイオマス産業関連企業関係者など約90名の参加がありました。
第一部の基調講演では、NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 竹林征雄副理事長より「バイオマス利活用技術を活用した地域振興に関する今後の展望」をテーマに講演を頂きまた。
竹林氏は、現在、バイオマス利活用の事例研究を進めながら、各地でバイオマス利活用のアドバイザー等も務められ、その経験に基づいた講演は参加者の関心を集めていました。
図2 NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 竹林副理事長 ご講演スライド
写真3佐賀市環境部
バイオマス産業都市推進課
井口浩樹参事
第二部では、施策紹介として、佐賀市環境部バイオマス産業都市推進課 井口浩樹参事より「バイオマス産業が未来を拓く~バイオマス産業によるパラダイムの転換 地域振興と今後 の展望~」をテーマに講演を頂きました。
今、各種マスコミ報道などでも注目をされている清掃工場のCO2回収(ごみ処理施設の清掃工場でCO2分離回収は国内初)から藻類関連産業集積までの流れを熱心に語って頂きました。
図3 佐賀市環境部バイオマス産業都市推進課 井口参事 ご講演スライド
当日は奈良先端科学技術大学院大学 新名惇彦名誉教授も来場頂き、本調査事業の意義及び期待のメッセージを頂きました。また、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)関西支部 髙木英彦関西支部長にも駆けつけて頂き、NEDOの施策紹介を行って頂くとともにセミナー終了後、参加者からの個別相談にも対応頂きました。
写真4
奈良先端科学技術大学院大学
新名惇彦名誉教授
写真5
NEDO関西支部
髙木英彦支部長
グローバルな視点からのバイオマスの利用状況や各地域の先進的な取組みなど、たいへん参考になりました。
中でも、対象処理施設の統廃合から始め、CO2の回収・活用に的を絞って産業化に結びつけた佐賀市様のケースは、事業性と持続可能性の確保に苦しむ我々自治体にとって正にお手本とすべきバイオマス産業化の姿でもあり、たいへん刺激的で有意義なセミナーでした。
バイオマス資源が今後益々重要になることやバイオマスのさまざまな活用方法が学べました。
福知山市のバイオマス事業はこれからというところですが、福知山市ではどのようにバイオマスを活用するのが一番あっているか、今回のセミナーで得た知識や情報からじっくり考えていきたいと思います。
全国のバイオマス利活用事例を熟知しているNPO法人バイオマス産業社会ネットワーク竹林副理事長、バイオマス利活用においてトップランナーの自治体である佐賀市井口参事のご講演により、セミナーは非常に有意義でかつ熱気の溢れたものとなりました。
両講師の講演に共通する内容は「バイオマス利活用は、地方都市において多くのアドバンテージがあり、有利なメカニズムを構築することが可能」ということでした。地下資源が遠くない将来、枯渇すると言われている今こそ”地方創生の一環として取り組む”時期なのかもしれません。
前述しましたが、近畿経済産業局環境・リサイクル課では「近畿地域の次世代型バイオマス利活用技術に関する大学等知財活用調査事業」を実施しており2017年4月には、自治体等のバイオマス利活用施策立案に資する報告書を公表すべく、現在調査中です。
また、今後もバイオマス利活用の推進に向けて有意義な情報提供・交流の場を提供したいと考えていますので、ご関心のある自治体がありましたら、当課までどうぞご連絡下さい。
近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・資源循環経済課
電話:06-6966-6018