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八尾市の産業振興の取組について
八尾市製品・サービス開発型クリエイティブ産業創出事業 (STADI)
担当課室:八尾市経済環境部産業政策課

最終更新日:平成29年1月4日

八尾市では、「ものづくりのまち・八尾」を全国に発信し、職住近在のにぎわいのあるまちづくりをめざし、様々な事業に取り組んでいます。その中でも、平成27年度から地方創生に向けた交付金を活用した事業として、八尾市内の中小企業を対象に、日本を代表するプロダクトデザイナーがプロデューサーとなり、販路開拓を見据えた製品・サービス開発を個別にサポートする「八尾市製品・サービス開発型クリエイティブ産業創出事業(STADI)」を実施しています。

この事業は、平成25年度に実施した八尾市製造業実態調査から、八尾市内の多くの中小企業が強みにできていない経営課題として、1.人材育成 2.営業力・ブランド力 3.製品開発力・企画力が挙げられたことから、この克服に向けて、新たに製品・商品・サービスの高付加価値化をめざす中小企業を支援するものです。

自社の強みと経営課題

事業背景から取組内容まで

これまでの支援の手法としては、八尾市立中小企業サポートセンターを中心に、市内の中小企業からの相談に応じて、専門コーディネーターによる個別対応をしていました。例えば、技術課題、知財、販路開拓、公的支援などについては、課題が明確な中小企業にとっては、課題に応じた専門コーディネーターによる支援は効果的なものです。

近年は、平均的な成長が困難な時代となり、個々の企業が戦略を持ち、新たな業態変化や事業展開することが求められており、業態変化が大きければ大きいほど、各企業が考える戦略を遂行していくための課題も広範囲なものになっています。つまり、個別対応だけではなく、サプライチェーンを総合的にサポートできる支援体制が求められています。八尾市製造業実態調査でも、生産形態として、「下請製造」「独立した加工専門業」「賃加工」が全体の6割以上を占めていることからわかるように、これまでは図面どおりに加工や、製造することが多く、企画・開発や営業の分野での自助努力は、それほど必要ではありませんでした。

そのため、「自社商品をつくりたい。」「自社技術を活用した新たな事業展開を考えたい。」といった課題をもっているものの、「何からどのようにしたらよいのかわからない。」「商品開発をしていくスキームを学びたい。」といった声に応えるため、プロデューサーによる、企画・開発・製造・生産・流通・販売・消費までのビジネス体系を総合的にサポートする事業を展開する事業が「STADI」です。

八尾市内製造業の生産形態

八尾市内製造業の生産形態

出典:平成26年3月 八尾市製造業実態調査

八尾市では、中小企業が抱える経営課題に対して、各中小企業に応じた「稼ぐ力」の向上を目的に、高付加価値化への支援として、この事業を展開しており、経営課題の解決をデザインに求めています。

当初は、デザインというものの概念が誤解されることが多くあったため、参加企業を募集する前に、キックオフセミナーの開催、事業説明会、個別相談会を開催し、「デザイン」とは、「ただ美しく見せるための手段・技法」というだけではなく、使う人に寄り添うことで包括的な課題を解決するものであることを理解して頂けるように努める必要がありました。

また、プロデューサーを中心とした支援を開始した後も並行して、事業戦略の考え方、知財など、認定企業(10社)に共通して必要となる知識や考え方などについて、合同ワークショップを開催し、理解を深める機会を持ちました。さらに、総合展示会へ事業の一環として出展する機会を持つことにより、企業間のつながりや競争心がより強くなってきました。

STADI(商品・サービス開発型クリエイティブ産業創出事業)事業の流れ

STADI(商品・サービス開発型クリエイティブ産業創出事業)認定企業10社について

認定企業10社がこの事業を通じてめざすもの

株式会社アイキ
「精密加工技術を生かしたMADE in 大阪」
EFLIGO株式会社
「技術や製品の見える化から始まる自社製品の開発」
株式会社加藤数物製作所
「歴史と企業文化を強みにした商品開発」
さくら精機株式会社
「自社が持つ資源を活用した商品開発」
平金物株式会社
「地域の人にも『働きたい』と思ってもらえる会社づくり」
テクノグローバル株式会社
「想いをカタチに変える技術」
株式会社デジック
「『ダイヤの原石』グラファイトの新たな用途開発」
株式会社トーヨー
「72時間の命を守る」
株式会社ノチダ
「町工場から生まれた木製玩具の新たな展開」
株式会社藤原電子工業
「オンリーワン技術を持つ企業の新たな挑戦」

STADI(商品・サービス開発型クリエイティブ産業創出事業)これまでの取組ついて

課題について

現在、プロデューサーを中心とした10社の支援を進めているところですが、今後の課題としては、大きく分けて、2点あります。1点目は、今年度中に10社の試作商品の販路開拓支援や、技術の可視化を図った商品などの効果的な展開をどのように繰り広げていくのかということです。2点目は、パイロット的に実施した事業を、他の市内中小企業へいかに波及させ、支援企業による周辺企業の底上げや、雇用拡大に結びつくための事業展開をいかに図るのかということです。

課題解決に向けて

販路開拓支援につきましては、八尾市産業政策アドバイザーと4名のプロデューサーによる合同会議を開催し、販売開拓に向けた支援のブラシュアップを行い、分野や業界を絞った展示会への出展方法や効果的な販売ツール及び社内体制についてのアドバイス支援を継続させながら、効率的な宣伝手法であるメディア戦略を実施していく予定です。

また、市内中小企業への波及としては、2つの方向性を考えています。1つ目は、取り組んできた事業の成果を広く伝えることによって、他の市内中小企業への喚起を促すことができるのではないかと考えています。具体的には、認定企業による成果発表会の開催やデザインを活用した新たな商品開発等の事例紹介などです。また、認定企業につきましては、この事業の取組によって生まれた商品について、積極的に認証や表彰等を取って頂くことによって、企業のブランド力向上や事業イメージアップにつながると考えています。

2つ目は、「八尾ものづくりnet.」に登録のある市内企業約1,000社を把握している八尾市立中小企業サポートセンターのマッチング支援を活用することによって、新たな仕事・雇用につながるコネクターハブ企業を創出し、他の市内企業の底上げになるではないかと期待しています。

ロゴ

「デザイン」を考えることが
企業の未来につながる



掲載関連情報

団体名
八尾市経済環境部産業政策課
所在地
大阪府八尾市清水町1丁目1-6
電話番号
072-924-3845

関連施策へのリンク

八尾ものづくりnet.

八尾市製品・サービス開発型クリエイティブ産業創出事業(STADI)

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 総務企画部 広報・情報システム室

電話:06-6966-6009

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