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最終更新日:平成29年2月1日
株式会社古谷鉄工所(大阪府門真市)は昭和26年に創業した金属加工会社です。鋳物、普通鋼、アルミ合金、アームス、ステンレス系材料など幅広い材料の加工技術を持った創業65年を超える歴史ある会社で、ポンプ製品、サーボモータ製品、プラケット類、精密加工部品の加工から組立てすべてを担う技術力のある会社です。近年は、JIS Q 9100(国際的に航空宇宙業界で通用する品質規格)を取得し、航空機分野にも力を入れています。
今回、同社を訪問し、航空機分野に参入したきっかけ、同社の技術的な強み、課題などについて、代表取締役 西川町子様、専務取締役 西川信之様にインタビューを行いました。
製品例1
製品例2
近畿経済産業局主催のセミナーに参加したことがきっかけです。当社は従業員数10名程度の小さな工場ですが、実際に参入できた要因としては、一つには、同規模の近隣同業他社よりも早くJIS Q 9100を取得したことが大きいと思います。二つ目には、最新の工作機械や3次元測定器、航空機分野の設計データに対応したCAD/CAMの導入など、積極的な投資を行ったことです。三つ目には、近隣の町工場では難しいサイズの加工や難削材の精密加工を得意としていることです。
このような現場をご覧になった航空機関連メーカー様が当社を認めて下さったことや、近畿経済産業局の支援により、航空機関連メーカーOBの方による指導を受けて、航空機分野の製造ノウハウを獲得していきました。
小規模ながら航空機分野への参入を果たされた古谷鉄工所の皆さん。
前列右端が西川町子代表取締役。後列左端が西川信之専務取締役。
航空機分野に限らず、近年、買い手からの要求は厳しく、特に難しい加工を短納期で求められることが多くなってきました。当社は最新の加工機械を導入しており、これまで培ってきた精密加工技術により、難削材のミクロン単位の加工を得意としています。また、治具開発のノウハウも長年の経験があります。
さらに、最近、技術力の向上と納期短縮に向けて、特別にカスタマイズを施したNC旋盤や3Dプリンターを導入しました。3Dプリンターの導入は、実際に使用する治具の効率的開発と工程設計の効率化が目的です。
このように、いかに効率よく加工機械を稼働させるかを念頭に置き、日々努力を重ね、短納期要請に応えています。
NC旋盤
マシニングセンター
NC立旋盤
航空機産業に参入後、新規受注先も増えつつありますが、航空機部品の生産は手間と時間がかかり機械を長時間占有してしまうため、コストダウンのためには生産の平滑化を進める必要があります。そのため、最新のIT生産システムを導入するなどし、生産性向上を図ることが最大の課題です。次に、使用電力の削減など省エネを進める必要もあります。
さらには人材の確保です。当社は中途採用よりも若手からの育成を中心に考えています。そんな中、地元門真市のものづくり企業ネットの人材部会の役員をさせていただき、市の支援により人材募集の冊子を共同で作成し、企業PRに努めています。
カドマイスターの認定
近畿経済産業局の航空機関連事業には大変お世話になりました。そのほか、ものづくり補助金も活用しています。エビデンスの整備など多少の手間はかかるものの、基本的に使いやすく不満はありません。
また、近年、地元門真市からも様々な支援をいただいています。市の「カドマイスター」(市が認定する卓越した技術を有する企業)の認定を受けてからは採用活動もしやすくなりました。
これからも、近畿経済産業局や門真市をはじめ公的機関の支援も活用しながら、新しい事業にチャレンジし続けたいと思います。
※本ページは、当局若手職員の取材によるものです。
近畿経済産業局 総務企画部 総務課
電話:06-6966-6001