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最終更新日:平成29年3月1日
企業の製品安全対策意識の向上と製品安全に係る事業活動を応援するため、近畿地域(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)で、経済産業省の「製品安全対策優良企業表彰 (※1)」を受賞した企業を紹介しています。
今回は、第10回表彰(2016年度)において「中小企業製造・輸入事業者部門 経済産業大臣賞」を受賞した京都機械工具株式会社の取組です。
(※1)製品安全対策優良企業表彰
経済産業省が実施する製品安全の取組に対して特に積極的な活動を行っている民間企業を表彰することで、事業活動や消費生活において製品安全が重要であるとする「製品安全文化」を定着させることを目的として、2007年度より実施している制度です。
京都機械工具株式会社は、自動車やバイク、産業機械の組立・修理・メンテナンスに供するプロメカニックに多く使用されるプロ向けの専用工具を多く製造しています。これら工具は使用頻度が大変高く、使用方法を誤ると大きな事故に繋がるおそれがあります。
そのことから、ユーザーの安全確保や、使いやすさなどの快適性、利便性による作業の効率化を優先して、製品安全活動に取組んでいます。
特に、ユーザーの安全確保については、製造上の工程、材料等を考慮し、工具に過大な力が掛かった場合には、あえて壊れる構造に設計するなど、ユーザーの安全確保を実施しています。
破壊試験による強度の妥当性確認を実施。 ラチェットハンドルにJIS規定値以上のトルクをかけ、想定した破壊個所(差込角)がねじ切れることを確認。
ユーザーは、リペアキットを購入し、ねじ切れた差込角を含む部品(ドライブギア)を交換することで、再使用が可能。
ソーシャルネットワーキングサイト(Social Networking Site :SNS)や会員サイトの運営により、ユーザーと繰り返し何度も直接コミュニケーションし情報交換することで、工具を使用するユーザーのスキルアップを図っています。また、製品安全に関する理解を深めてもらえるよう、定期的に様々な情報を提供する等の工夫を行っています。
特に2012年からは、Facebookページの運用を開始し、現在では6万人を超えるファンの方との交流チャネルへと成長しており、この取り組みが評価され、経済産業省「企業のソーシャルメディア活用に関する調査報告書」の先進的な事例に取り上げられています。
Facebookで若手担当者が、なるほど!と感じた工具の特徴をイラスト付きでレポートした掲載記事「なるほど!工具ノート」は、工具選びの入門編として、書籍でも販売されています。
工具の安全な使用方法の教育と普及のために、ユーザーとのコミュニケーションスペースとして「KTCものづくり技術館」を設置し、様々な工具を展示するとともに、自動車の整備を体験できる研修用ピット等も備え、代理店や販売店を対象とした工具研修会や、学生やユーザーを対象とした使用体験会を実施する等、安全を学べる場所を提供することで、安全文化の発信に貢献しています。
次世代開発本部 ブランド戦略部 ブランディンググループ マネージャー
KTCは、スパナやソケットレンチといった作業工具や各種専用工具の製造販売を行い、主にプロメカニックの方々に使用いただいています。
一般家庭とは異なり、業務用途として酷使されること、使用方法を誤ると大きな事故に繋がることから、製品を使われるお客様の安全確保が最重要使命であると考え、「安全、快適、能率・効率」をコンセプトにした製品と、製品を安全に使用していただくための情報を提供してまいりました。
今回、経済産業大臣賞という最高の評価をいただけたことは、社員一同大変光栄に感じております。今後もお客様の安全を確保できる製品の提供と、製品を安全に使用していただくための取組みを進め、安全な作業環境づくりに貢献できるよう努めて参ります。
近畿経済産業局 産業部 消費経済課 製品安全室
電話:06-6966-6098