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日本の水処理技術を世界へ!
ミャンマーで活躍する‘三方よし’の大五産業株式会社
担当課室:産業課

最終更新日:平成29年7月3日

「正しい事をしたいんや」そう語るのは滋賀県草津市にある大五産業株式会社(以下:大五産業)の権田五雄社長です。

清掃業、浄化槽維持管理業などが本業ですが、現在では他にも飲食業、ビル管理業、福祉介護事業等、多角的な事業展開を行っています。

その大五産業が約5年前から熱い視線を送っているのがミャンマーです。

ミャンマー支援に携わっている、権田社長の知人の話から、自社の浄化槽管理技術がミャンマーで役立つのではないかと思い始めました。

経済発展著しいミャンマーでは急速な都市化が進んでおり、人口500万人の旧首都ヤンゴン市には、イギリス統治時代に敷設された下水道が、都市中心部にのみ普及していますが、老朽化が激しく、また設置されている浄化槽も十分な機能を果たしている状況ではないそうです。

写真:排水がそのまま流入されるため、水質汚濁が著しい公園

排水がそのまま流入されるため、
水質汚濁が著しい公園

写真:浄化槽の仕組み(環境省HPより)

浄化槽の仕組み
(環境省HPより)

琵琶湖のある滋賀県は特に環境意識が高く、県内の浄化槽の事業者は高度な管理技術を培ってきましたが、今では県内の下水道敷設率が88%を越え、浄化槽の管理技術者の能力を発揮する機会の減少が危惧されています。

「せっかくの技術者がもったいない」と忸怩たる思いがあったところに出会ったのが、ミャンマーの水質環境の状況でした。

ミャンマーには、今までにも海外メーカーから設置された浄化槽があったものの、維持管理に関するルールがなく、技術者も満足する能力ではないため機能していないのが実情だそうです。なぜなら、維持管理業務は薄利のため浄化槽を販売する外国メーカーが維持管理のための人材を派遣することは、ほとんど無い状況だからだそうです。

ミャンマーの現状を知った大五産業は、JICA事業による現地調査を行い、平成28年2月から普及・実証事業に取り組んでいます。

実際にヤンゴン市内のマハバンドゥーラ公園及びカンドーミン湖公園に浄化槽を設置して効果を検証するとともに、ヤンゴン市職員に浄化槽の正しい設置方法及び清掃・保守点検維持管理技術を伝え、研修終了後に大五産業より修了証を発行するなど、ヤンゴン市から厚い信頼を得ました。

写真:公園内の浄化槽表示(JICAと大五産業の表記)

公園内の浄化槽表示
(JICAと大五産業の表記)

写真:ヤンゴン市に設置した浄化槽の引き渡しをしている権田社長

ヤンゴン市に設置した浄化槽の
引き渡しをしている権田社長

また、ヤンゴン市からの依頼により進めているのが浄化槽管理のためのルール作りです。ガイドラインを策定し、法律や条令につなげていこうと、ヤンゴン市と共同で作成しています。

現在、大五産業の職員は数ヶ月単位のローテーションで、ミャンマーと往復しながら着実に事業を進めています。

本年8月には維持管理の現地企業を立ち上げ、また、なるべく早く合弁会社を設立し、メイドインミャンマーの浄化槽を東南アジア各地に販売展開することも視野に入れています。

売り手よし、買い手よし、世間よしの近江商人‘三方よし’の大五産業がミャンマーを中心に東南アジア各地での活躍を期待します。

掲載関連情報

企業名
大五産業株式会社
所在地
滋賀県草津市若竹町9番24号
電話番号
077-564-2274

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 産業課

電話:06-6966-6021

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