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最終更新日:平成29年8月1日
企業の製品安全対策意識の向上と製品安全に係る事業活動を応援するため、近畿地域(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)で、経済産業省の「製品安全対策優良企業表彰 (※1)」を受賞された企業を紹介しています。
今回は第10回表彰(2016年度)において、「大企業 製造・輸入事業者部門 優良賞」を受賞されたダイキン工業株式会社の取組です。
(※1)製品安全対策優良企業表彰
経済産業省が実施する製品安全の取組に対して特に積極的な活動を行っている民間企業を表彰することで、事業活動や消費生活において製品安全が重要であるとする「製品安全文化」を定着させることを目的として、2007年度より実施している制度です。
2016年度製品安全対策優良企業表彰授賞式
(右側が、ダイキン工業株式会社
空調生産本部 品質管理部長 村田 昇氏)
製品安全対策優良企業のみ使用できるロゴマーク
ダイキン工業株式会社では、家庭用から産業用まで、国内向けから海外向けまで、幅広い使用状況に対応した空調製品の安全性を確保するために、国際基準を上回る安全性を目指した設計基準を規定し製品設計に適応しており、その設計基準を全世界共通の『グローバル製品安全性基準』として策定し、安全設計を強化しています。
製品開発では、『商品企画』、『構想設計』、『機能設計・評価』、『生産準備』から『本生産』の開発プロセスの節目にゲートとなるデザインレビューを設けています。デザインレビューでは、厳格にGO(次工程へ)/STOP(再検討)を判断し後工程に不具合を出さないように運営を徹底しています。
また、品質管理部門は、生産準備完了までに『製品安全性監査』を行い、設計基準(製品安全性基準、個別安全規格)への適合性や据付、サービス時の安全性について評価し、製品安全の確保に努めています。
SSM(ストレス・ストレングス・モデル)とは、製品や工程で起こり得るトラブルの発生メカニズムに関する知識を体系化し、設計・計画時のトラブル予測や未然防止に活用するためのフレームワークです。
市場で発生した不具合内容を、SSM知識としてデータベースに蓄積し、これら蓄積された知識を、製品設計の初期段階や最終チェック段階で活用することで、やり直しによるロスの削減や不具合の検証に用いており、品質管理の仕組みに連動したSSM知識の活用を行っています。
SSMの仕組み
品質管理の仕組みに連動したSSM知識の活用
また、製品安全に関する未然防止を強化するために、メカニズムの解明・基準化・監査など実行・開発ラインを指導する専門的な知識をもったメンバーで編成される製品安全性技術チームを空調生産本部長直轄の組織として配置しています。
全世界共通の製品の安全を確保するために、グローバル拠点の開発メンバー向けに、日本のスタッフが製品安全基準の内容を教育し、実際の製品で構造設計の方法を指導し、各拠点で製品安全基準に適合する製品を開発・製造できるように取り組んでいます。
当社はグローバル70ヵ所以上に空調機器の生産拠点を持ち、製造・販売をしています。世界各地で製品に求められる機能や使用環境は様々ですが、安全性について地域差はありません。世界に共通して求められる安全で高品質な製品を提供するため、設計、開発、製造、販売、アフターサービスなど部門を越えた活動を展開していきます。また製品に対しての品質改善や開発だけでなく、グローバル拠点それぞれに密着して技術・技能の伝承など人材育成の取り組みも加速していきます。今回の受賞を弾みに、今後もより一層の製品安全対策活動を推進してまいります。
近畿経済産業局 産業部 消費経済課 製品安全室
電話:06-6966-6098