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エネルギー環境教育の取組
大阪ガス株式会社の「次世代教育事業」
担当課室:資源エネルギー環境課

最終更新日:平成29年8月1日

エネルギー教育の推進

エネルギーはあらゆる国民生活、産業活動を支える基礎であり、そのエネルギー源のほとんどを我が国は海外に依存しています。こうした我が国のエネルギーを巡る現状を国民に広く知っていただくことが重要です。とりわけ、将来のエネルギー利用、エネルギー源の選択、エネルギー技術開発を担う次世代の子供達に対して、エネルギー問題に関する総合的な見方や考え方を育成するため、学校教育の場やその他様々な機会において、自発的かつ積極的なエネルギー環境教育を育む環境づくりが必要となっています。

学校教育においては、2002年度から小・中学校で、2003年度から高等学校で順次実施されてきた学習指導要領の改定により、社会や理科の授業、さらに、新設された「総合的な学習の時間」において、体験的・問題解決的な学習の中でエネルギー教育が実施されており、また、民間企業においても、エネルギー関連教材の開発や体験学習など、様々な工夫を凝らした取組が積極的に進められています。

大阪ガス株式会社の「次世代教育事業」とは

大阪ガスロゴ

大阪ガス(株)は、民間企業でのエネルギー環境教育の取組が馴染みの薄かった2006年頃から、地域社会とのコミュニケーションを目的としたCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の一環として、「次世代教育事業」に先進的に取り組んできました。

「次世代教育事業」は、(1)エネルギー環境教育、(2)食育、(3)火育、(4)防災教育の4つを柱として、学校に講師を派遣して体験・実践型で学ぶ「出張授業プログラム」、同社が開発した教材を配布する「教材配布プログラム」、同社が有する体験学習施設(ハグミュージアム、ガス科学館、姫路ガスエネルギー館)を活用した「校外学習プログラム」を展開しており、2016年度までの実施回数は累計8,029回、受講者数は延べ約32万人もの大変高い実績を誇っています。

柱となる4つの事業

「次世代教育事業」の柱となる4つの取組それぞれには、同社ならではの特徴と工夫がみられます。

エネルギー環境教育(2006年~)

同社が最初に取り組んだ「エネルギー環境教育」は、小学生高学年を対象とした「※エコ・クッキング」及び「くらし見直し隊」の出張授業、体験学習施設を活用した校外学習プログラムです。※エコ・クッキングは、東京ガス株式会社の登録商標です。

「エコ・クッキング」は、同社の従業員が講師となって、環境に配慮したゴミを出さない調理法や水を汚さない片付け方法など、地球環境を考えながら、食に関連する一連の行動について学ぶ実践型の出張授業であり、実施した学校からは「子供達に、エコの大切さを考えながら調理する意識が芽生えた」など、大変高い評価を受けています。

また、同社が2015年にオープンした新しいショールーム「ハグミュージアム」でも「エコ・クッキング」を実施しており、グループごとに測定された水・ガスの使用量とゴミの量をデータで確認することにより、エコの成果を振り返ることができるなど、より効果的な授業を行っています。

「くらしの見直し隊」は、二酸化炭素(CO2)排出量の削減を、ゲーム形式で楽しく学ぶ出張授業であり、体験した子供達が、実生活において毎日続けられる工夫を学ぶきっかけとなっています。

『エコ・クッキング』の様子

『エコ・クッキング』の様子

ハグミュージアム

ハグミュージアム

『くらし見直し隊』の様子

『くらし見直し隊』の様子

食育(2008年~)

同社では食を通じて「生きるチカラ」を身につけ、豊かな人間性を育むことを目的に、子供向けの食育料理教室や全国親子クッキングコンテストを開催するとともに、小学校の食育学習向け教材として、現在までに配布数が18万冊を超える「なぜ?なに?食育BOOK」の制作など、地域とともに「食育」活動を広げています。

また、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、2017年度からは世界に誇る和食の良さを伝える「”和食だし”体験講座」を開設し、和食の魅力を次世代に伝承できるよう、ガス火を使って料理する楽しさを学ぶプログラムを実施しています。

「食育」活動の様子

「食育」活動の様子

『なぜ?なに?食育BOOK』

『なぜ?なに?食育BOOK』

火育(2011年~)

「火育」は、炎(火)とともに歩んできた同社ならではの取組です。「火を扱ったことがない」子供が増える中、安全な火のおこし方や扱い方、火を使った調理など、子供達が「火に親しみ、火を学ぶ」体験型学習プログラムです。

「火育」では、”火おこし名人”と呼ばれる同社のOBが、PTA主催のイベントなどで行うデモンストレーションや小学校の授業での体験授業などを数多く実施しています。

また、最近では、子供の自主性や独創性を伸ばす教育活動を展開しているNPO法人プラス・アーツと連携して「レッドベア火育サバイバルキャンプ」を展開しており、キャンプを通じて親子で一緒に避難生活を体験しながら、どんな状況でもたくましく生き抜く知恵や力を楽しみながら身につけられるプログラムにも取り組んでいます。

さらに、同社は全国の都市ガス事業者、LPガス事業者に対して、「火育」の授業を行うための講習会や教材である「火おこし体験キット」の貸し出しなども行っており、その取組は全国に広がっています。

“火おこし名人”のデモンストレーション

“火おこし名人”のデモンストレーション

サバイバルキャンプの様子

サバイバルキャンプの様子

レッドベアのロゴ

レッドベアのロゴ

防災(2014年~)

写真:『考える防災教室』

『考える防災教室』

東日本大震災以降、各地域における防災教育の関心の高まりから、防災をテーマに小学生を対象とした新たな教材「考える防災教室」と教材を元に先生が子供達に教えられるよう「教師用解説書」をセットで制作し、同社の都市ガス供給エリア内の小学校を中心に無料で配布しています。教材では、自然災害時の暮らしの変化をマンガで表現するとともに、身近なもので災害を乗り切る方法をクイズ形式で考えられるものとなっているなど、子供が理解しやすく楽しく学べる教材として、現在までに全国で7万7千冊を配布し、約380校で本教材を活用した防災授業が行われています。

エネルギー環境教育は、一足飛びに実施出来るものでは無く、コストやノウハウの面だけでなく、個々の学校に合わせたカリキュラムやテーマ毎の教材開発など、表には出てこない企業努力の積み重ねによりはじめて実現できるものです。

同社の「次世代教育事業」は、2006年のエネルギー環境教育をはじめとして、既に10年以上に亘る歴史があり、エネルギー環境教育に積極的な企業の中でも、群を抜く出張授業の経験と実績、豊富な教材製作のノウハウを有しているため、いずれのプログラムもリピート率が大変高く、既に年間のプログラム日程が埋まっているものもあります。

同社のような民間企業による「エネルギー環境教育」の広がりは、学校教育の現場での自発的かつ積極的な取り組みの環境づくりにおいて大変重要であるため、今後も引き続き、エネルギー環境教育を牽引する企業としてその活動が期待されています。

掲載関連情報

組織名
大阪ガス株式会社 近畿圏部 ソーシャルデザイン室
ホームページ
大阪ガスグループ
所在地
大阪市中央区平野町4-1-2
電話番号
06-6205-4545

関連施策へのリンク

エネルギー施策

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 資源エネルギー環境課

電話:06-6966-6041

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