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最終更新日:平成30年7月2日
近畿経済産業局が参画している「はなやかKANSAI魅力アップフォーラム」(事務局:関西経済連合会)は、平成30年3月6日に、第2回「はなやかKANSAI魅力アップアワード~関西インバウンド大賞~」表彰式を開催しました。本アワードは、関西を拠点とする外国人受入環境整備に係る優良事例を表彰・周知するものです。
前号に引き続き、今号では、特別賞を受賞された5事業についてご紹介します。
同協会は、インバウンド需要への対応も含めた「観光」の観点から、ひとりでも多くの方に寺社に足を運んでもらい、地域に長時間滞在して日本文化を体験してもらうために、「宿坊創生プロジェクト」を推進しています。
主要事業として、国内の宿坊を3か国語(日本語・英語・中国語※)で紹介する寺社宿坊ポータル「和空」の運営や、日本文化体験型の宿泊施設「宿坊(門前宿)和空シリーズ」の新規開設に係る監修をしています。宿泊施設では、周辺の寺社と連携し、朝のお勤めや写経・写仏・坐禅、茶道等の文化体験プログラム、周辺寺社巡りツアー、精進料理などを提供しています。(※英語・中国語は準備中)
寺社宿坊ポータル「和空」には、急激な減少傾向にある宿坊の魅力を知ってもらい、もっと足を運んでもらいたいという気持ちから、日本全国80以上の宿坊を含む文化体験のできる900以上の寺社を掲載しています。
また、日本文化体験型の宿泊施設建設に際しては、地域住民の理解と協力を得るため、説明会や内覧会を積極的に実施しています。宿泊施設で提供する料理を地元の仕出し割烹店に発注するなど、施設周辺の地域活性化にも貢献できるよう努めています。
同プロジェクトでは他の事業として、寺社向け情報誌『寺社Now』を発行し、寺社文化と寺社観光の振興に役立つ情報を発信しています。
また、お寺の民泊予約サイト「テラハク」の監修もしています。同予約サイトにより、“お寺に泊まる”という特別な体験を手軽にし、寺院の宿泊客の増加を図ります。寺院に泊まってもらうことで、利用者には、修行体験などの日本の伝統文化と、四季の景観・近隣の名所などの地域文化をより深く伝えることが可能となります。
日本文化体験型宿泊施設「和空下寺町」の正面玄関
「和空下寺町」での写経体験
「和空下寺町」で提供される精進料理
同社は、医療や介護に携わる人材の定着支援・復職支援・総合人材サービス及びコンタクトセンターサービスを事業の中核としています。
近年、訪日外国人が増加し続ける一方で、医療機関において多言語対応が進んでいないことを受けて、同社が設立した子会社「株式会社日本医療通訳サービス」では、24時間365日対応の遠隔医療通訳サービス・医療機関にたどり着くまでのサポートを提供する病院案内・医療通訳士の養成や就職支援等を行っています。医療通訳環境の整備が訪日・在住外国人向けの安心・安全のインフラになることを目指し、事業を推進しています。
遠隔医療通訳サービスでは、タブレット・スマートフォン等を介して英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語の5カ国語(ポルトガル語、スペイン語は平成30年4月よりサービス開始)で通訳を提供しています。
医療機関は、同サービスに予め利用申込みをしておけば、事前予約は不要で外国語対応が可能となるため、突発的な外国人患者の来訪に対応することができます。
通訳業務はコールセンターに集約しているため、患者情報の保護及び機密保持も万全です。
同サービスは、産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」を活用し、業務範囲や業務フローを細かに作り込むことで、国内で唯一、監督官庁よりサービスの適法性を証明された企業です。
医療通訳士は、語学力だけでなく、患者や医師とのコミュニケーション能力や高い倫理感が求められるため、同社では養成講座や医療通訳メディア事業(医療通訳ナビ)を通して、医療通訳士の養成・雇用創出にも取り組み、活躍の場の拡大を図っています。
Medi-Callサービス事業
同社は、大阪・千日前道具屋筋商店街の他店舗と連携し、食品サンプル制作体験、たこやきクッキング教室、ちょうちん職人体験、チョークアート体験等ができる「道具屋筋モノづくり体験」事業を2016年より実施して、国内外の旅行者にコト体験の機会を提供しています。
同社が一括で、自社ウェブサイトや、パンフレット(日本語、英語)により広報し、予約受付も行っています。
また、「出張!道具屋筋モノづくり体験」では、全国各地のイベント会場等へ赴き体験事業を実施しています。
千日前道具屋筋商店街は、プロ御用達の調理器具をはじめとするキッチン道具専門商店街として、「くいだおれの街」大阪の食文化を支えてきた商店街です。
そんな商店街で、「モノづくり体験」を通じて商店街の道具や職人技術を楽しみながら学び、本物の大阪文化に触れられるのが、「道具屋筋モノづくり体験」事業です。
たこやきクッキング教室等の食べ物体験では、プロが使う道具の説明を受けた後、調理体験と試食ができ、レシピも提供されます。ちょうちん職人等の体験では、作成したものをお土産にできることも人気で、また、漢字への関心の高さから、参加者のおよそ50%を外国人客が占めます。
同社は、体験事業を通じて、商店街の歴史や文化を伝えるとともに、同商店街を大阪の本格的な「体験型商店街」として発信することで、地域ブランドのより一層の向上に取り組んでいます。
食品サンプル制作体験
ちょうちん職人体験
チョークアート体験
同社は、大阪道頓堀で、「毎日4回」・「無予約」・「低価格」で、45分のナイトウォーキングツアーを提供しています。日本語以外に、英語・韓国語にも対応できるガイドが案内します。
名物ガイドによる地元の店や人との交流がゲストに喜ばれており、「大阪ファン」を増やしています。
今後、同様の無予約ツアーを国内他地域へ事業展開することが同社の目標の一つとなっています。
同ツアーは、毎日4回(18:00、19:00、20:00、21:00)、事前の予約なしで集合場所にさえ行けば参加でき、すでに旅行の予定が決まっている方でも、少しの空き時間を利用して、気軽にまち歩きを楽しむことができます。最近は、台湾や韓国からの訪日観光客の利用が増えています。
同社のガイドは、おもてなし精神が旺盛で、観光客のリクエストに柔軟に対応するなど利用者と心を通わせ、交流することを主題においた「交流型ガイドツアー」となっており、利用者は、地元の人との交流を通じて、大阪“ミナミ”の魅力を体感できます。
一般的に日本には夜の娯楽が少ないと訪日観光客に指摘される中、ナイトエンターテイメントとしての役割も果たしています。
ツアーガイド
商店街での様子
まち歩き風景
中東や東南アジア諸国にも輸出可能な基準のハラール認証を受けた工場で、本格的、バリエーション豊富な和総菜、スイーツ、お弁当などのハラール対応食品を製造しています。製品は、主にホテルの朝食向け、国際線の機内食向けに販売するとともに、大学の食堂で、ムスリム留学生等に食事を提供しています。大手企業の社内食堂へのハラール対応メニュー導入も進行中です。
製品は全てハラール対応しているため、国籍・宗教を問わない和食のバリアフリー化を実現しています。
また、野菜等の食材には地場のものを優先して使用することで、地域経済にも貢献しています。
日本ハラール協会によるキッチン認証を2016年9月に受けた工場で、和総菜等を製造しています。そのため、納入先のホテル・レストラン、大学食堂等は独自でハラール認証を取得しなくとも、専用の調理器具と食器を用意するだけでハラール対応食品を利用客に提供することができ、負担が軽減されています。
原材料は全て、ハラール認証を受けたものか、原料と製造工程がすべてハラール対応であるというメーカーの誓約書をとったものだけを使用しています。酒とみりんは一切使用せず、日本メーカーが海外で製造しハラール認証を受けたみりん風調味料のみを使用し、通常の総菜と比べても遜色のない味に仕上げています。
また、同社では、ムスリムの留学生のインターンシップ受入を通じ、ハラール関連情報収集に務めています。
今後は、アジア・中東等への展開を通じた、海外への日本の食文化の発信を目指しています。
ハラール対応メニュー
ハラールキッチン認証書
ハラール対応工場の様子
第2回「はなやかKANSAI魅力アップアワード~関西インバウンド大賞~」の受賞者が決定しました!
近畿経済産業局 通商部 投資交流促進課
電話:06-6966-6033