トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 10・11月号 企業・地域の取組紹介
最終更新日:平成30年11月1日
企業の製品安全対策意識の向上と製品安全に係る事業活動を応援するため、近畿地域(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)で、経済産業省の「製品安全対策優良企業表彰 (※)」を受賞された企業を紹介しています。
今回は第11回表彰(2017年度)において、「大企業 製造事業者・輸入時御者部門 優良賞」を受賞された株式会社ワコールの取組を紹介いただきます。
株式会社ワコールは、2016年に発生した事故を契機に、従来の評価基準、評価方法の見直しなどの再発防止に向けた各種取組や、事故発生時の迅速かつ適切な対応による被害の拡大防止のための関連規程類の見直し・対応訓練の実施など、事故発生時の対応向上に向けた積極的な取組を進めている姿勢が評価されました。また、委託加工先から調達先まで材料の安全性・品質を確保するため、材料保証書システムを構築・運用することで、システマチックに漏れの無いように調達品の安全確保を徹底している点が評価されました。
(※)製品安全対策優良企業表彰
経済産業省が実施する製品安全の取組に対して特に積極的な活動を行っている民間企業を表彰することで、事業活動や消費生活において製品安全が重要であるとする「製品安全文化」を定着させることを目的として、2007年度より実施している制度です。
2017年度製品安全対策優良企業表彰授賞式
(右側が、株式会社ワコール 福田有希子氏)
製品安全対策優良企業のみ
使用できるロゴマーク
2016年に発生した表面フラッシュの製品事故を受けて、グループ内での表面フラッシュ燃焼性の評価基準及び評価方法の見直しについて、国内外の法令、他社基準などの比較検証、使用による変化や起毛加工のばらつきの再現検証等を行い、より厳しい表面フラッシュ燃焼性基準及び「商品に付帯するデメリット表示」ルールを新たに作成し、製品事故の再発防止を図っている。
事故発生時におけるより迅速かつ適切な対応の重要性を認識し、既存の対応マニュアルのほかに、対応フローと関係者・関係部門及びその役割・権限を明確化した手引きを新たに作成し、製品不具合・事故発生時における対応力向上を図っている。
問題発生における対応フロー(「品質問題対応の手引き」から抜粋)
委託加工先から調達する材料の安全性・品質を確保するための材料保証書システムを構築・運用している。これにより、設計仕様、性能外観、堅牢度、有害物質の観点から自社が設定した基準への不適合及び必要な書類が具備されていない材料をシステム上で自動的にシャットアウトし、安全性・品質が確保されていない材料を調達できない仕組みとしている。
当社は、インナーウェアやナイトウェアなど素肌に直接着ける衣類を主に扱っており、アパレル業界の中でも、特に安全性が求められる企業であると認識しております。この度は、材料の安全性を担保するシステムの改良や、トラブルをきっかけにさらに安全性の高い商品づくりに取り組んだことなどを評価いただき、たいへん光栄に感じております。前回の審査を通じての気づきや、他の受賞企業様との情報交換の中で得た刺激をもとに、自社の課題に取り組んだ結果が2年連続での受賞につながりました。これからもPDCAの実践により、さらにお客様に愛される、安全で魅力のある商品づくりに努めてまいります。
※(株)ワコールは2005年10月1日、持株会社(株)ワコールホールディングスへ商号変更、新たに設立した(株)ワコールは、(株)ワコールホールディングスの100%子会社。
近畿経済産業局 産業部 消費経済課 製品安全室
電話:06-6966-6098