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最終更新日:平成30年11月1日
経済産業省では地域・まちなか商業活性化支援事業により、中心市街地や商店街の活性化のモデルケースとなる先進的な取組に対して支援を行っています。
今回は、観光客や地元住民のニーズを満たす飲食店のバリエーションを増やすことにより、商店街のみならず、町全体の活性化を目指す大野市の取組をご紹介します。
福井県の東部に位置する大野市は奥越地方の中心地として栄えてきました。碁盤目状に区切られた街並みは、400年を超える歴史の昔日を彷彿させる景観を今も色濃く残していることから「北陸の小京都」と呼ばれています。「天空の城 大野城」や城下町誕生の頃から続く七間朝市、各地で湧いているおいしい水等、見どころも多く、観光客の数はこの5年間で約56万人から約97万人とほぼ倍増しています。
また、平成34年に予定されている北陸新幹線の延伸や中部縦貫自動車道路の全線開通により、今後も観光客は増加することが見込まれています。
雲海に浮かぶ大野城
しかし、大野市には、これら大勢の観光客が周遊できるような拠点がなく、また、古くからの城下町ゆえ、飲食店はうどん・そばや定食などの和食が中心でメニューの選択肢が少ないため、観光客や地元住民の「いろいろ選びたい、楽しみたい」というニーズを満たすことができていませんでした。そこで経済産業省の支援策を活用して2つの新たな施設がオープンしました。
1つめは大正時代に建てられた「旧水本学園高等女学校」をリノベーションした「サルトリア ダ 水本」です。今まで大野市内の近郊にはなかったガーデンオープンテラスを備え、地場食材をふんだんに使った本格イタリアンレストランです。近隣の飲食施設では対応できない大型バスでのツアー客など大人数での飲食ニーズに応えるとともに、将来的には、レストランウェディング会場としても活用していく予定です。
また、隣には大野城を一望することが可能なダイニングバーを備えたまちなか宿泊施設も整備されており、これらの施設によって、城下町にはない非日常的な空間が創り出され、まちなかの回遊性が高まることから、地元住民の憩いの場としてだけでなく、観光拠点となることが期待されています。
イタリアンレストラン サルトリア ダ 水本
2つめは「poporo.5(ポポロドットファイブ)」です。大野市の代表的な商店街のひとつである五番商店街振興組合と株式会社まちづくり55.5が整備しました。
「子育て世代の交流の場・孫と祖父母世代の交流・飲食の場」を基本コンセプトとし、人が集い、交流、飲食することができる明るく開放的な施設です。大野市が自慢する水や食材、発酵文化を楽しめる下記の3軒の飲食店のほか、雪の日でも活用できる床暖房を備えた交流スペース、中央にはイベントができる広々とした芝生広場を備えています。
ポポロとは、イタリア語で人々・市民・民衆という意味です。地元住民だけでなく、観光客の憩いの場、魅力的な場所になることで、五番商店街に多くの人が訪れ、活性化につながることが期待されています。
地元住民や観光客の憩いの場 popolo.5
その他にも「サルトリア ダ 水本」と「popolo.5」を結ぶ途中に、大野市民が所有する絵画を展示・紹介する「COCONOアートプレイス」も大野市により整備され、大野城下を巡る楽しみが増えています。
大野城が雲海に包まれるこれからの季節、ぜひ一度みなさんも大野市を訪れて城下町の風情や新しいお店を楽しまれてはいかがでしょうか。
近畿経済産業局 産業部 流通・サービス産業課
電話:06-6966-6025