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最終更新日:平成31年1月7日
経済産業省では、中心市街地の活性化に資する調査、先導的・実証的な商業施設等の整備及び専門人材の招聘に対して重点的支援を行うことにより、まちなかの商機能の活性化・維持を図り、市町村が目指す「コンパクトでにぎわいあふれるまちづくり」を推進しています。
今回は、大津の商店街を中心に点在する歴史ある町屋をホテルとして改装・運営することで、宿泊客を商店街に呼びこみ、商店街のみならず大津市の中心市街地全体の活性化を目指す取組をご紹介します。
古くから交通の要所であり、東海道五十三次の宿場町として栄えた大津は江戸時代には「大津百町」と称されるほどの賑わいを誇っていました。現在も市内には昔ながらの情緒ある街並みが残り、琵琶湖や様々な歴史遺産などの観光スポットで自然や歴史を感じながら、近江牛や琵琶湖でとれる魚などの自然の恵みを堪能することができます。
また、京都や大阪からのアクセスもよく、日本人観光客だけでなく、急増している外国人観光客にとっても少し足を延ばして楽しむには絶好のエリアです。
「商店街HOTEL講大津百町」は、大津の中心市街地に点在する由緒ある町家をリノベーションした7棟の建物で構成された町屋ホテルです。
機能面は現代の設備を取り入れていますが、町屋の外観や内装を活かすことで、町屋が建てられた当時にタイムスリップしたかのような感覚を味わえます。木造家屋の暖かみを残しつつ、現代住宅の快適性をほどよくマッチさせた、いいとこ取りの組み合わせが、外国人観光客だけでなく国内の観光客にも新鮮な驚きを与えてくれる大人の隠れ家のようなホテルとなっています。
7棟はそれぞれ、もともとの町屋の特徴を活かしてデザインされており、町屋ごとにひと味違った趣を味わうことができます。また、家族旅行や団体向けの一棟貸し、ひとり旅や少人数の旅行向けの部屋貸しなど様々なニーズに対応できることから、季節や同行者などのシチュエーション毎にホテルを使い分けてみるといった楽しみ方もできます。
このちょっとユニークなホテルがオープンしたことにより、大津が注目され、遠方からの来街者や外国人観光客がより一層増加することが期待されます。また、大津に新たな魅力を創造する本事業は、単に大津への来街者を増加させるだけでなく、失われつつある日本の伝統的な建物や街並みの保存にも一役買っていると言えます。
商店街HOTEL講大津百町 外観
「商店街HOTEL講大津百町」では単なる宿泊だけでなく、中心市街地全体の活性化につながる取組を積極的に行っています。
たとえばホテル宿泊客に対する中心市街地周遊マップの配布やコンシェルジュによる周辺のおすすめ店舗紹介、宿泊料の一部を商店街に寄付することで商店街の活性化を図る仕組みづくりなど内容は多岐にわたります。
また、こうしたホテルの取組を受けて、商店街でも、100年以上のれんを守り続ける店の商店主自ら発案し、自慢の一品を楽しめるまち歩きツアーを企画するといった動きも出てきています。
これらの取組が進むことで、商店街や中心市街地が活性化し、大津に行けば面白いことがありそうだとの評判を呼び、来街者が増えればホテルのみならず、商店街や中心市街地も賑わっていくという好循環が生まれます。
商店街HOTEL講大津百町 室内
近畿経済産業局としましても、これらの商店街と町屋ホテルが協力して実施する先進的な取組により大津への来街者が増加し、大津の中心市街地が一層活性化することを期待しています。
近畿経済産業局では、中心市街地の活性化を目指す取組を行うための地域ニーズや環境に関する調査・分析事業、これらのニーズに対応する商業施設等の整備及び専門人材の招聘事業に対して支援を行っています。詳細は関連施策へのリンクからご覧ください。
近畿経済産業局 産業部 流通・サービス産業課
電話:06-6966-6025