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関西におけるeスポーツの動向(2)
関西の企業等の動きを紹介します。
担当課室:企画調査課

最終更新日:平成31年3月1日

世界、国内のeスポーツ市場が成長してきています。そして、関西には日本を代表するゲームメーカーがあり、関西においてもeスポーツに関する動きが活発化してきています。今号は、前号に引き続き、関西における企業等のeスポーツの動きを紹介します。

コンテンツ産業の振興、「京都eスポーツサミット2019」の開催

京都府 KYOTO CMEX(本イベント主催:京都府)

KYOTO CMEX コンセプト図

KYOTO CMEX コンセプト図

京都eスポーツサミット2019 Spring

京都eスポーツサミット2019 Spring

京都には、映画、ゲーム、マンガ・アニメといった日本を代表するエンターテインメント&カルチャーの企業が多数存在しています。さらに、伝統文化、世界有数の観光都市、ファッション&音楽、京料理など、京都独自の魅力的なコンテンツを多数有しています。

KYOTO CMEX(シーメックス。Cross Media Experienceの略)は、京都府・京都市・京都商工会議所などオール京都で産学公連携のもと、コ・フェスタ(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)や京都学生祭典などと連携し、それぞれが持つコンテンツを融合することで、その魅力を高め、国内外へ広く発信し、コンテンツ産業の振興と、今後を支える人材の育成交流を図り、国際競争力の強化を目指しています。

このKYOTO CMEXのイベントとして京都府では、eスポーツを通して京都府内ゲーム企業の更なる活性化を図るため、2019年3月9日に、京都リサーチパークにて「京都eスポーツサミット2019 Spring」を開催します。本サミットでは、企業、大学、団体の方々の講演、パネルディスカッションとともに、プロeスポーツ選手(プロゲーマー)によるトークセッションやプロvsプロ、プロvs一般参加者などによるエキシビションマッチを企画しています。また、会場では、ゲーム関連企業等のPRブースを設置し、来場者が参加・体験出来るイベントとなっています。

京都府では、これらの取組により、京都府内の更なるゲーム産業の集積を目指しています。

掲載関連情報

自治体名
京都府
ホームページ
KYOTO CMEX「京都eスポーツサミット2019 Spring」
所在地
京都府京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町(京都府庁)
電話番号
075-414-4852(京都府商工労働観光部ものづくり振興課)

大阪を拠点とするプロチームの運営をはじめとしたeスポーツ市場の醸成

eスポーツコネクト株式会社

CYCLOPS athlete gaming所属 GO1選手

CYCLOPS athlete gaming所属 GO1選手

Osaka esports basement.でのイベント風景

Osaka esports basement.でのイベント風景

eスポーツコネクト株式会社は2016年7月にeスポーツ事業を実施するために設立されました。同社は、本社が東京で代表取締役社長の伊草氏も東京生まれ東京育ちですが、伊草氏の大阪好きに加え、「大阪が元気にならないと日本がダメになる」という信念が高じて、大阪市内に拠点を構え活動するプロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming(CAG)」を運営しています。

CAGは、2016年11月のチーム設立以降、国内外の数々の大会やイベントで活躍する国内トップクラスの実力を誇る大阪、日本を代表するチームです。さらに、選手としてだけではなく、OCA大阪IT&デザイン専門学校、ルネサンス大阪高等学校の講師を務めるなど、大阪発のeスポーツ選手を輩出することにも尽力しています。また、同社はCAGが拠点としている建物の地下スペースを、eスポーツ大会などを開催できる施設「Osaka esports basement.」として提供・運営しており、同施設では様々なゲームコミュニティを支援するイベントが開催されています。

この他、ビットキャッシュ株式会社ではeスポーツに特化したWebメディア「SHIBUYA GAME」を運営しており、株式会社JCGでは大規模な大会の開催運営を行う日本最大のeスポーツ大会プラットフォームを保有するなど、グループ全体でeスポーツに関わる事業を幅広く実施しています。

このようにグループ全体で、幅広く事業を実施している背景には、各社の代表を務める伊草氏の「eスポーツを文化にすることで次代を担う若者を元気にする」という理念があります。それは、プロeスポーツ選手が引退後に、プロチームのコーチ、マネージャーや広報を担当するのはもちろん、大会の企画・運営・実況、ライターや編集者など、eスポーツ業界で仕事ができるようにする。そして、そのようにeスポーツ業界における職業の裾野が広がり、環境が整備されていくことで、他のスポーツと同様に学校や保護者なども後押しをしてくれるようになる。それにより、eスポーツが産業、キャリアの一つとして形成されていく。それが、文化になることだと考えているためです。

今後も、同社は、eスポーツを文化にする、ひいては若者が新たに熱狂できる場を作り、世の中を盛り上げていくべく事業に取り組んでいきます。

掲載関連情報

企業名
eスポーツコネクト株式会社
所在地
東京都渋谷区渋谷3-12-18 渋谷南東急ビル4F
E-mail
info@esports-connect.com

大阪・京都を中心とした大会開催、プロチーム運営によるeスポーツ市場の醸成

株式会社PACkage

PAC-CUPロゴ

PAC-CUPロゴ

PNGロゴ

PNGロゴ

株式会社PACkageは、eスポーツイベントの運営、プロeスポーツチーム「Pro esports team Next Generation(PNG)」の運営、クリエイティブ制作の3つを主な事業としています。

同社は、プロeスポーツチーム「野良連合」に選手、マネージャーとして所属していた同社代表取締役の山口氏が、自身で大会やプロチームの運営を行いたいという思いから、クラウドファンディングで資金を集め2018年2月に設立されました。

同社主催のeスポーツ大会「第1回PAC-CUP」は、総エントリー約250チームにて、2018年4月から8月に行われました。決勝大会は、OCA 大阪デザイン&IT専門学校を大会会場に、2,000円の入場料で約150人の観客が集まりました。その他にも、日中対抗戦を開催するなど、大小様々な大会を開催しています。今後も、「第2回PAC-CUP」が2019年3月から4月にスパワールド世界の大温泉で、eスポーツの交流会「PAC-LAN」が2019年3月30日にヤフー株式会社との共催で開催予定となっています。

また一方で、山口氏は、大阪電気通信大学総合情報学部デジタルゲーム学科(以下、大阪電通大)に在籍する学生でもあります。また、大阪電通大では、教育的観点から、大学間で開催されている交流戦の主催をはじめ、選手や運営スタッフなどeスポーツに関連する人材の育成、eスポーツの発展に寄与することを目的として2018年10月に「esports project」を立ち上げました。その関係から、同社は大会開催において大阪電通大から施設提供や運営支援をしてもらう、大阪電通大は同社からeスポーツに関わる人脈やノウハウなどを提供してもらう、といった連携関係を築いています。今後も、同社では、OCAや大阪電通大と協力して大会の開催などをしていきたいと考えています。

PNGは、京都市山科区を拠点に活動しています。選手は、拠点で暮らす者の他、沖縄から北海道まで、専門学校生や社会人など様々です。新興チームながら、一部のゲームタイトルでは、国内大会で優勝、国際大会に出場するなど、優秀な実績をあげ注目を集めています。また、チーム運営の手腕を買われ、海外企業からプロチームのプロデュース依頼もきており、近々、チームが起ち上がる予定です。

クリエイティブ製作は、イベントやチームのプロデュースをしていく上でも必要となるロゴデザイン・動画製作・Web製作などを手がけており、PNGスポンサーには、料金を割り引くなどのスポンサーメリットを出しています。

今後は、イベント運営を事業のメインに、関西企業として、地域性を出し、関西のeスポーツ発展に貢献していきたいと考えています。また、eスポーツに参加したい企業からのチーム運営委託や、チーム育成指導を行うといったビジネスも考えています。

掲載関連情報

企業名
株式会社PACkage
所在地
大阪府箕面市粟生間谷東2-24-5
E-mail
info@package-inc.com

eスポーツのプロ選手、事業運営者等の育成

OCA大阪IT&デザイン専門学校

OCA大阪IT&デザイン専門学校は、滋慶学園グループが運営する、ゲーム、IT、メディアデザイン、マンガ・アニメ、eスポーツに関する教育を行う専門学校です。

eスポーツワールド(学科)は、グループ校の東京アニメ・声優専門学校が2016年4月に初めて開講。それに続き、OCAは2018年4月に開講しました。OCAのe-sports科には、2018年度から多数の生徒が入学しており、2019年度は、教室を拡張し、生徒数が倍増する予定です。

OCA大阪IT&デザイン専門学校 eスポーツワールド教室

OCA大阪IT&デザイン専門学校 e-sports科教室

e-sports科には、「プロゲーマー」「イベントスタッフ」、2019年4月より開講する「マネジメント」の3つの専攻があります。カリキュラムは、プロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」の選手による技術指導をはじめ、英会話、メンタルトレーニング、フィジカルトレーニング、イベント企画、マーケティングなど、各専攻で必要とされる様々な内容が組まれています。また、在学中にeスポーツ先進国である米国などを訪問し、学ぶ機会も設けています。

一方、e-sports科の教室は、大会が行える設備が整えられており、近年注目されている実業団チームが戦う関西企業対抗戦をはじめとし、世界大会の予選やコミュニティイベントなど様々な大会やイベントがこの教室で開催されています。

今後は、2019年度からグループ校の5校で新たにe-sports科が開講、合計7校に増える予定です。これにより、グループ校での学校対抗リーグ戦が可能となり、リーグ戦を行うことで競争力を高め、更なる育成の強化を図っていくことが計画されています。

掲載関連情報

学校名
OCA 大阪デザイン&IT専門学校
所在地
大阪府大阪市西区北堀江2-4-6
電話番号
0120-121-807 / 06-6536-7181

高校のカリキュラムに加えてeスポーツも学べる場を提供

ルネサンス大阪高等学校:eスポーツコース

ルネサンス大阪高等学校は、ルネサンス・アカデミー株式会社が運営するeラーニングを活用し、登校日数が少なく自分のやりたいことに時間を有効活用できる通信制の高等学校です。義務教育後(中学卒業後)に、自分のやりたいことを見つける場所を提供できるよう、高校教育のカリキュラムに併せて、英会話、声優、芸能などを学べるコースが設けられています。

そして、

  • 海外ではeスポーツの学校ができている。
  • 誰でもプロを目指して取り組んでもらいやすい。
  • 同校では各種プロ(芸能、ゴルファー等)が卒業した実績がありeスポーツでもプロを輩出したい。

といったことから、2018年4月、子どもが夢(将来の目的)を描くことを楽しみ、自立を促す事を目的(目標)として「eスポーツコース」が新たに設立されました。

ルネサンス大阪高等学校eスポーツコース授業風景

ルネサンス大阪高等学校eスポーツコース授業風景

講師は、近畿大学や大阪電気通信大学などに在籍するeスポーツに強い学生の方たちが担当しています。また、2018年8月1日に、プロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」にも、スポンサー契約を結び、講師として技術指導してもらっています。

授業は、週2日、eスポーツ実技、英語、メンタル&コミュニケーション、YouTube等の動画実況といったプロを目指す上で必要とされる内容の講義、トレーニングが実施されています。

2019年4月からは、ルネサンス高等学校新宿代々木キャンパスでもeスポーツコースを開講します。

同校のeスポーツコースは、2018年4月から5名の定員で開始する予定でしたが、多数の問合せがあり、定員を増やし現在は18名の生徒が同コースを受講しています。大きな反響を受け来年度は、高校のeスポーツ専用としては西日本最大級の施設を作り、2019年4月から移転開講し100名規模で募集する予定です。

今後は、大阪をはじめ関西の企業と一緒にeスポーツを盛り上げる活動を行っていく予定です。また、高校生を参加選手としたeスポーツ大会も開催したいと考えています。

掲載関連情報

学校名
ルネサンス大阪高等学校
所在地
大阪府大阪市北区芝田2-9-20 学園ビル
電話番号
06-6373-5900

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 総務企画部 企画調査課

電話:06-6966-6004

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