トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 2019年11・12月号 企業・地域の取組紹介
最終更新日:令和元年11月1日
企業の製品安全対策意識の向上と製品安全に係る事業活動を応援するため、近畿地域(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)で、経済産業省の「製品安全対策優良企業表彰 (※)」を受賞された企業を紹介しています。
今回は第12回表彰(2018年度)において、「中小企業 小売販売事業者部門 技術総括・保安審議官賞」を受賞された有限会社ナルデンの取組を紹介します。
有限会社ナルデンは、家庭用電化製品の販売・修理・設置、太陽光発電システム、リフォーム全般、介護用品・福祉用具の販売及びレンタル等を行っておられ、以下の取組が高い評価を受け、技術総括・保安審議官賞を受賞されました。
(※)製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)
経済産業省が実施する製品安全の取組に対して特に積極的な活動を行っている民間企業を表彰することで、事業活動や消費生活において製品安全が重要であるとする「製品安全文化」を定着させることを目的として、2007年度より実施している制度です。
審査にあたっては「安全な製品を製造・輸入(仕入・販売)するための取組」、「製品を安全に使用してもらうための取組」、「出荷後に安全上の問題が判明した際の取組」、「出荷後に安全上の問題が判明した際の取組」、「製品安全文化構築への取組」の4つの視点で評価が行われています。
2018年度製品安全対策優良企業表彰受賞式
(右側が、有限会社ナルデン
家電部門店長 成瀨 裕之 氏)
製品安全対策優良企業のみ
使用できるロゴマーク
販売しようとする全ての商品について、使用する人にとって安心を提供できるかを、顧客の目線で確認し、安全であると考えられるものについてのみ販売しています。家電製品に限らず、電動車いすのような介護用品についても、実際の商品を実際に使用する場で事前に試用した後に、顧客に提供しています。また、高齢者の日常生活の安全性確保のために、小さな手すり『ちょこっと手すり』を独自に開発しました。
「何でこんなところが黒ずんでるんだろう???」
高齢者のお客様が生活行動の中で色々なものを掴んでいる!!
立ち上がる際にテーブルの角に手をかけたり、タオルハンガーやカーテンフックを手すり代わりに握っている。
もしテーブルが不安定で倒れてしまったら、もしカーテンフックが外れてしまったら、大変なことになる!
そこにちょっとした手すりがあれば・・・
転ばぬ先の『ちょこっと手すり』発案。
60代夫婦向けオリジナル取扱説明書
長年にわたって蓄積した製品と販売先の情報は、リコール発生時の迅速な対応や故障発生時の修理対応に生かされています。また、日常の業務で訪問する際には、家庭内にある家電製品や介護用品の使用状況をチェックし、お客様の年齢やスキルに応じたオリジナルの取扱説明書を用いて安全な使い方のアドバイスを行うなど、製品事故の未然防止に向けて取り組んでいます。
地域と密着した日常の業務を通じて顧客から得られる声や店舗移転に伴い展開した地域コミュニティ事業を通じて得られる声を、製品を開発するメーカーに届けることが製品の安全性向上につながると考え、活動を続けています。顧客が実際に商品を使用した際のヒヤリハット情報についても、メーカーに提供しています。
※地域コミュニティ事業
向かいのビルに店舗を移転し地域コミュニティ事業を拡大
地域情報掲示板を設置したちょこっとカフェ
健康体操教室
量販店やネット販売による販売価格の下落や、顧客の高齢化など、弊社のような『まちの電器屋』を取り巻く環境は決して良いとは言えず、全国的に見ても店舗数は日々減少しています。
しかしながら一方では、超高齢化社会を迎え、人と人が絆で繋がっておりお互いの顔が見える昔ながらの商いの重要性が見直されています。
メーカーがいくら安全な製品を作っても、安全の為の表示をしっかりしてくれていても、ユーザーが安全な製品を適切に選び、正しい使い方をしなければ製品安全は成立しません。
またどんなに正しい使い方をしていても、ある程度の期間が経過すれば必ずメンテナンスが必要となってきます。
弊社のような『まちの電器屋』は、消費者に一番近いポジションであり、一番目線を合わせる事ができるので、使用方法や使用期間などについて適切なアドバイスができます。
製品をお客様にお届けする我々流通を担う者が、製品に安心と安全をプラスしてお届けしなければ製品安全はありえません。
また最近では、製品そのものの安全性だけでなく使用環境や購入状況等の面でも安全性が必要となってきています。
そういった点から、売りっぱなしではなく、お客様の顔が見えていて、効率よりも手間をかけてでもお客様のためを考えて小回りのきいた活動をしている『まちの電器屋』の存在意義は大きいと自負しています。
2010年度の商務流通審議官賞、2013年度の経済産業大臣賞に続き今回3度目の受賞を頂いたことや2015年度「地域課題を解決する中小企業・NPO法人100の取組」に選んで頂いたことにより、顧客の皆様が弊社に対してより一層の安心を感じてくださっています。
今後とも製品安全文化の構築とレベル向上に貢献して参りたいと思います。
近畿経済産業局 産業部 消費経済課 製品安全室
電話:06-6966-6098