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関西スマートエネルギーイニシアティブ
~水素社会の実現に向けて~
担当課室:新エネルギー推進室

最終更新日:令和5年4月3日

関西スマートエネルギーイニシアティブの取組

近畿経済産業局では、産学官金が一体となって、スマートエネルギー関連産業の振興を図る「関西スマートエネルギーイニシアティブ」を主催して、中小企業等のビジネスチャンス拡大や、関西発のエネルギー・環境技術のイノベーション創出による、スマートエネルギー推進拠点の形成等を目的とした活動を実施しています。その中で、水素関連産業の振興を図るため、国内水素サプライチェーン構築支援事業等に取り組んでいます。

水素は、1次エネルギーの90%以上を化石燃料に依存する我が国のエネルギー供給構造を変革・多様化させ、大幅な低炭素化を実現するポテンシャルを有する手段として、大いに期待されているエネルギーです。

優れた特性を持つエネルギーではあるものの、既存のエネルギーに比べてコストが高く、低コスト化が普及に向けての大きな課題となっています。低コストの実現には、供給面では安価な原料で大量に製造・輸送するためのサプライチェーンの構築、利用面ではモビリティや発電等、大量利用に向けた取組が必要となります。

このような課題に対し政府では、2017年12月に「水素基本戦略」を策定し、2030年頃に商用規模のサプライチェーン構築を目指すとしています。関西スマートエネルギーイニシアティブにおいても、これに従い、水素関連分野に取り組む阪神・瀬戸内地域の支援機関が連携し、地域企業による同分野への参入を支援する「国内水素サプライチェーン構築支援事業」を実施しています。

「関西スマートエネルギーイニシアティブ」活動イメージ

「関西スマートエネルギーイニシアティブ」活動イメージ

国内水素サプライチェーン構築支援事業

平成30年度は水素サプライチェーンで必要となる「液化水素移送ポンプシステムの開発」と利活用に資する「国産燃料電池システムの開発」のプロジェクトを創出し支援しています。

令和元年度は、水素の輸送、利用等をテーマとしたセミナーやカリフォルニア州における水素市場動向・技術ニーズ調査等を実施し、関連企業・団体等と連携を図りながら、新たなプロジェクトの創出に向けた取組を進めています。

「CO2フリー水素実装社会を実現する国内水素サプライチェーン構築を目指して」セミナー

「CO2フリー水素実装社会を実現する国内水素サプライチェーン構築を目指して」セミナー

液化水素移送ポンプシステムの開発

従来の液化水素の移送は、貯槽タンク内の圧力を昇圧器で昇圧し、その圧力で液を押し出す仕組みであるため、作業に長時間を要するとともに、貯槽から大量のBOG(ボイルオフガス)を大気中に放出しています。今後の水素の大量消費時代を見据え、極低温(-253℃)下で安定的に動作可能でBOGを排出しない移送ポンプを、これまでに培ったキャンドモーターポンプの技術を進化させ開発するものです。

液化水素移送ポンプシステムのイメージ

液化水素移送ポンプシステムのイメージ

国産燃料電池発電システムの開発

国内では、自動車、エネファーム等の製品で、燃料電池システムが活用されていますが、本格的な水素社会の実現に向けては、新たな用途拡大が期待されます。本プロジェクトでは、商業用モビリティや非常用電源など広範囲なユーザーの要求に柔軟に対応することができる、燃料電池や補器等周辺機器をパッケージ化した国産燃料電池発電システムユニットを開発するものです。

国産燃料電池ユニットとその活用イメージ

国産燃料電池ユニットとその活用イメージ

関連施策へのリンク

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このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 カーボンニュートラル推進室

電話:06-6966-6055

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