トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 2021年3・4月号 特集

関西の中堅・中小企業のベトナム進出を支援しています
~10年間の歩み~
担当課室:国際事業課

最終更新日:令和3年3月1日

近畿経済産業局では、2012年以降、関西の中堅・中小企業のベトナム進出支援に取り組んでおり、今年は10年目になります。そこで、その取組背景や具体的活動をご紹介します。

ベトナム進出支援を始めた背景

きっかけは、関西のものづくり中小企業が協働してベトナムの工業団地へ進出するという計画について、当局が相談を受けたことからでした。進出手続に限る相談ではなく、プロジェクト全体に関わる相談であり、その話を聞いた我々は、ベトナム現地との関係を強化していくとともに、具体的な進出支援策をスタートさせました。

関西ベトナム経済交流会議

当時、中小企業のベトナムへの進出ニーズが高まっていく中で、関西地域の各支援機関では、ミッション団派遣やベトナム政府機関を招いての関連セミナー開催等、ベトナム進出のための支援メニューが様々な形で進められていました。

そのような中、当局は関西全体で中堅・中小企業のベトナム進出を包括的・効果的に支援するためのしくみが必要と判断しました。2012年に当局が事務局となり、関西地域の主な産業支援機関等と連携し、「関西ベトナム経済交流会議」を設置しました。各機関のベトナム進出支援取組の情報共有を行うことを通じ、必要に応じて各機関共同でのプロジェクトを企画する等、ベトナムとのビジネス交流促進を強めることを目的としたものです。

ベトナム政府(中央政府・地方政府)との協力関係の構築

ベトナム商工省(H24年11月締結、H27年5月及びH29年6月更新)

まず日越政府間の協力枠組み構築のため、2012年、近畿経済産業局はベトナム商工省との間に、関西とベトナムの経済発展を促進することを目的とした協力文書を締結しました。

この中で、ベトナムにおける裾野産業の育成という目的の下、特に日系企業のベトナム工業団地への進出を支援し、関西の製造業企業の集積形成を進めていくことを、当局の支援取組の主軸としました。

図1:ベトナム商工省との協力文書の内容

図1:ベトナム商工省との協力文書の内容

ベトナム・ドンナイ省人民委員会(H25年4月締結、H27年5月及びH29年9月更新)

さらにその翌年の2013年には、上記商工省との間で結んだ協力内容をより具体化するため、ベトナム南部のドンナイ省をモデル地域として、関西とドンナイ省の経済発展を促進することを目的とした協力文書をドンナイ省政府との間に締結しました。

図2:ベトナム・ドンナイ省人民委員会との協力文書の内容

図2:ベトナム・ドンナイ省人民委員会との協力文書の内容

関西デスク(相談窓口)の設置

ドンナイ省との協力の下、中小企業がドンナイ省に進出しやすい環境を整備するため、特に現地ライセンス取得等の行政手続でつまずくことのないよう、日系企業が同省へ進出する際に、手続面のサポートを包括的に行う「関西デスク」(相談窓口)をドンナイ省の中に設置しました。「関西デスク」では、日本語での相談が可能であり、中小企業の方にも利用しやすいものとなっています。

図3:ドンナイ省関西デスク概要

図3:ドンナイ省関西デスク概要

ベトナム進出における課題

2016年、中小企業のベトナム進出が進み、次のフェーズとして中小企業がベトナムに進出した後の支援策を検討するための調査を実施しました。

その結果、ベトナムで製造業の拠点を確立するための課題として、主に(1)人材不足(特に熟練技術者)、(2)日系企業・ローカル企業及び大学等のネットワークの不足という事実が改めて明らかとなりました。

ベトナム・ドンナイ省コーディネータ人材の育成事業

現地人材の育成としては、大阪府及び(公財)太平洋人材交流センターによる「ものづくり人材育成事業」等が進められる中、当局としては、特に日系企業・ローカル企業・大学等の有機的ネットワークの機会をつくるため、2017年より現在まで「ベトナム・ドンナイ省コーディネータ人材育成事業」に取り組んでいます。ドンナイ省において、日越企業の架け橋となるコーディネータ人材を育成することを目指しています。

具体的には、コーディネータ候補生を日本に招聘し、日本の支援機関・大学・公設試でのコーディネータの活動や産学官連携事例を学んでもらいました。さらに、日本人専門家の指導の下、有望なローカル企業を発掘し、それらと進出日系企業とを結ぶための「ビジネスマッチング会」(ホーチミン日本商工会議所等と共催)や、ドンナイ省内の大学等の卒業生と進出日系企業との交流の場となる「人材交流会」をコーディネータが主導して開催する事業を進めています。なお、ビジネスマッチング会については、現地新聞等でも報道され、ドンナイ省人民委員会からも高い評価を受けています。

2019年には、ドンナイ省人民委員会の承認を得て、本事業で育成した11名をメンバーとする「ドンナイ省コーディネータ組織」(※)が正式に設立されました。同組織はドンナイ省の行政官や大学等教員から構成されているため、地元企業や学生の情報を豊富に持っています。それを適切な形で日本企業に提供し、日越企業の橋渡し役として更なるスキルを養成中です。

(※)ドンナイ省コーディネータ組織について

今後の取組

この10年間で、日本企業のベトナムへの関心は益々高まっております。また、関西で就労する外国人は、2018年からベトナムが一番多く現在も増加しつづけており、日本全体でも2020年に初めてベトナムが中国を抜き1位となりました。日越企業の架け橋となるコーディネータの役割は、ますます重要となります。今後も、更に関西をはじめとする日本とベトナムとの間に企業・人材のWin-Winな出会いを創出し、ビジネスの交流支援に取り組んでいきます。

図4:「ベトナム・ドンナイ省コーディネータ人材育成事業」概要

図4:「ベトナム・ドンナイ省コーディネータ人材育成事業」概要

図5:「ベトナム・ドンナイ省コーディネータ人材育成事業」実施概要

図5:「ベトナム・ドンナイ省コーディネータ人材育成事業」実施概要
図5:「ベトナム・ドンナイ省コーディネータ人材育成事業」実施概要

関連施策へのリンク

関西とベトナムとの経済交流事業

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 通商部 国際事業課

電話:06-6966-6032

他の記事を読む