トップページ > 広報誌・E!KANSAI > 2021年3・4月号 TOPICS

国際商取引等での商事紛争解決方法「仲裁」をご存じですか?
一般社団法人 日本商事仲裁協会による、「仲裁」のメリット等のご紹介と、物品の一時輸入のための通関手帳(カルネ)についてのご説明
担当課室:国際課

最終更新日:令和3年3月1日

近畿経済産業局では地域の政府関係機関・自治体・経済界・産業支援機関と連携し、海外展開支援に取り組んでいます。今号では、国際間をはじめとした商取引に係る紛争が起きた場合の解決方法の1つである仲裁について、商事仲裁機関である一般社団法人日本商事仲裁協会(JCAA)から情報提供いただいた仲裁のメリットや関連情報についてご紹介します。

また、同協会が発給している通関手帳(カルネ)、についてもご紹介します。物品の一時輸入の際、カルネを利用することによって、関連規程にもとづいた範囲で一部の輸出入通関書類の省略や、免税措置を受けることができます。

困ったら、裁判ではなく、仲裁

商取引で紛争が生じた場合に、紛争を最終的に解決する手段としては「裁判」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、国際的な調査によれば、国際ビジネス紛争の解決方法としては、裁判よりも「仲裁」のほうが頻繁に利用されているという結果も出ています。日本ではほとんど知られていない事実です。

仲裁は、当事者が、「裁判官」(仲裁人)を選んで、仲裁人に紛争の裁定を委ねる紛争解決手続です。裁判にはない様々なメリットがあるため選ばれています。

Singapore Management Universityによる2020年のアンケート結果グラフ

Singapore Management Universityによる2020年のアンケート結果グラフ

仲裁のメリットについて

決着までのコストと時間の見通しが付きやすい

仲裁は1回限りの判断で、国を超えて裁判所の確定判決と同等の効力を持ちます。しかも、手続は迅速です。JCAA仲裁での平均審理期間は1年5か月で、特に、5千万円未満の紛争案件では、仲裁人選任からおおむね3か月以内に判断が出ます。実際には、仲裁判断まで行くのは全体の2/3で、1/3は手続の途中で和解します。

これに比べて、裁判は、仮に勝訴したとしても、上訴される可能性があり、手続が数年に渡って長期化し、いつ決着がつくのかの見通しが立ちづらくなります。仮に日本で勝ったとしても、相手国で強制執行をすることは容易ではありません。さらに外国での裁判となると、現地の弁護士を探して雇い、現地語での書面の準備、現地語への証拠の翻訳、複数回に及ぶ現地での裁判期日への出席(渡航に伴う時間と経費)等の大きな費用負担を伴います。

事案に即して専門性の高い仲裁人に争いの決着を委ねることが出来る

裁判の場合は裁判官を自分では選ぶことができませんが、仲裁の場合は仲裁人を当事者が(もし、当事者が選任できない場合はJCAAが)選びますので、その分野で専門性の高い、しかも自らが信頼する者に争いの決着を委ねることが出来ます。

利用者のニーズ・環境変化に応じた柔軟な手続

仲裁手続は非公開で行われるほか、言語も当事者が合意で自由に選択できますし、書類の提出は全て電子メールで行い、口頭審理をオンライン形式で実施するなど、状況に応じて柔軟に、迅速に手続を進めることが可能です。

JCCAと協力関係にある日本国際紛争解決センターの東京施設を利用して、オンライン審問をスムーズに実施可能(イメージ映像1)
JCCAと協力関係にある日本国際紛争解決センターの東京施設を利用して、オンライン審問をスムーズに実施可能(イメージ映像2)
JCCAと協力関係にある日本国際紛争解決センターの東京施設を利用して、オンライン審問をスムーズに実施可能(イメージ映像)

仲裁制度を利用するにあたって

必須の仲裁合意

仲裁制度を利用するには、紛争を裁判ではなく仲裁で解決することを当事者が合意していることが必要です。実際に紛争が発生してからこのような合意をすることは難しいため、通常は、契約書を作成する段階で、合意をしておくことがほとんどです。仲裁条項のサンプルは「仲裁条項の書き方」(JCCAホームページ)をご参照ください。

調停という選択

中立的な第三者の支援のもとで、当事者がまずは話し合いにより紛争の解決を図りたいとお考えの場合は、調停の利用がおすすめです。調停は、話し合いによる紛争解決のメリットや解決しないことによるデメリットも踏まえたうえで、調停人が当事者と一緒になって、「落ち着きどころ」を客観的に検討します。通常、1日から2日の集中した話し合いにより、短期の紛争解決を目指します。

セミナーのご案内

日本商事仲裁協会では様々なセミナーを実施しています。JCAAセミナー・イベントカレンダー(JCCAホームページ)と、併せて開催予定セミナー・イベントの詳細ページ(JCAAホームページ)をご参照ください。

(お問い合わせ先)日本商事仲裁協会仲裁調停部(JCAAホームページ)

  • 電話:(東京本部)03-5280-5161、(大阪事務所)06-6944-6163

関税や付加価値税が免税となる通関手帳(カルネ)を使っていますか?

海外の見本市や展示会等のための商品一時輸出入時には免税措置があり、そのために必要な通関手帳(カルネ)を発給しています。カルネは、世界の主要国の間で結ばれている「物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)」に基づく国際的制度による通関用書類です。

カルネは78か国で使用可能で、対象物品は(1)商品見本:車、オートバイ、ロボット、機械・部品等、(2)見本市・展示会出展物:イベント用オーディオ機器、ファッションショー用アパレル製品、工芸品等、(3)職業用具:測定器、性能試験の対象物品、手工具、カメラ、楽器等の3種類となっています。

カルネの活用に必要な申請はオンラインで可能(事前登録必要)となっており、コロナ対策としても安全です。

カルネは、自動車や機械・器具メーカー、放送局やイベント事業者など様々な会社・個人事業者に活用されています。免税措置の適用を受けるためにカルネの活用を是非ご検討ください。

(お問い合わせ先)日本商事仲裁協会カルネ事業部(JCAAホームページ)

掲載関連情報

団体名
一般社団法人 日本商事仲裁協会(JCAA)
所在地
東京都千代田区神田錦町3-17 廣瀬ビル3階
大阪事務所:大阪市中央区本町橋2-8 大阪商工会議所ビル5階
神戸事務所:神戸市中央区港島中町6-1 神戸商工会議所内
電話番号
03-5280-5200(代表)
大阪事務所:06-6944-6163〜6165
神戸事務所:078-303-5806

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 通商部 国際課

電話:06-6966-6031

他の記事を読む