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地域の魅力・強みを活かしたSDGsの推進について
奈良県五條市の取組
担当課室:資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

最終更新日:令和3年7月1日

2015年9月に国連で採択された2030年までの国際目標であるSDGsは、近年、社会全体で広く知られるようになり、地域においてSDGsの視点を取り入れ、かつ地域の魅力・強みを活かした事業への関心が高まっています。
 2025年の大阪・関西万博は「SDGs万博」でもあります。関西では、2017年12月に関西SDGsプラットフォームが立ち上がるなど、SDGsの達成に向けて様々なステークホルダーにより取組が進められています。
 そこで、環境・リサイクル課では今回から、環境及びリサイクル分野においてSDGsの視点を加味し、かつ地域の魅力・強みを活かした自治体等の取組を紹介していきます。
 第1回目は、奈良県内自治体で初となる気候非常事態宣言を発出され(令和3年(2021年)3月25日発出)、木質バイオマスの利活用にも熱心に取り組んでいる奈良県五條市を紹介します。

INTERVIEW

五條市 市長公室 企画政策課 課長 西本 久雄さん(左)課長補佐 村井 仁さん

五條市 市長公室 企画政策課
課長 西本 久雄さん(左) 課長補佐 村井 仁さん(右)

気候非常事態宣言を発出された目的を教えてください。

市民の皆さん一人一人が環境負荷を低減する生活に意識を向けていただく契機となることを期待して発出しました。本市は市域の74%を山林が占める豊かな自然環境の中、 柿を中心とした農林産物の育成が盛んで、近年は「日本一の柿のまち五條市」と呼ばれるまでになりました。しかし、自然環境に大きく依存した産業は気候変動による影響を直接受け、 今後更に気候変動の悪化が進むと、品質の低下や収穫量の減少、ひいては地場産業の衰退につながることなども危惧されていることが背景にあります。 実際、平成23年(2011年)の紀伊半島大水害では山林の深層崩壊により多くの尊い人命が奪われるなど、本市でも甚大な被害を受けました。
 この宣言により、市民全体で各種事業・活動に取り組むことで、「五條市ビジョン」に掲げる将来像とSDGsの実現にもつながり、本市の新たな成長と発展の礎となるものと確信しています。

五條市気候非常事態宣言(五條市ホームページ)

「五條市ビジョン」とSDGs理念との関係性を教えてください。

「五條 ひと・みちが交わり、新たな価値が生まれるまち」を本市のまちの将来像として、市がめざす方向性を明確化し、実行力のある計画とするために、 令和2年(2020年)3月、「総合計画」「総合戦略」「国土強靭化地域計画」を一体化した最上位計画「五條市ビジョン」を策定しました。
 策定する経緯において、本市としてもSDGs を推進すべく、SDGsのゴールを意識しながら、各種施策に取り組むべきであるという結論に至り、5つの基本理念と当てはまるSDGsゴールとのリンケージを試みました。
 5つの基本理念が、国連が定めたSDGsゴールと深く関わっているということで、市民の皆さんにも、より環境への意識の重要性を認識いただけたと思います。

五條市ビジョン(五條市ホームページ)

環境・エネルギー分野において具体的にはどのような取組をしていますか。

エネルギー資源の地域内循環・地産地消や、新たな産業の育成、雇用促進のため、令和元年度に「五條市林産物加工施設」を建設しました。周辺で搬出された木材を五條市産の建築資材として生産するほか、木質チップに加工し、 近隣のバイオマス発電所等にも供給しています。この取組は、地球温暖化の防止や温室効果ガス削減等の環境対策につながっています。また、土砂災害の防止や森林整備、資源の有効活用などの環境保全活動の推進や地域の雇用促進といった点においても大いに貢献していると思います。

五條市林産物加工施設(五條市大塔町)

五條市林産物加工施設(五條市大塔町)

間伐材の有効活用にもつながっているのですね。

はい、先ほど申しましたが、本市は台風による山林の深層崩壊の被害を幾度となく受けてきて、森林整備の重要性を身に染みて理解しています。 ただ森林整備を進めていくにおいても、経済的に成り立つ循環システムが必要であり、この施設で加工された木材チップを今後、市内の温泉施設等に供給することも検討しています。

ひまわりプロジェクト(五條市上野町)

ひまわりプロジェクト(五條市上野町)

その他、特色ある取組があれば教えてください。

「ひまわりプロジェクト ~ごみ堆肥化で花を咲かそう~」という取組を、資源循環型社会づくりのシンボルとして、平成25年(2013年)度より実施しています。本年度は市農業委員会、市内障がい者就労支援施設などの団体と連携して行う予定です。
 市内で発生する生ごみ堆肥といったバイオマスを有効活用し、遊休農地を利用してひまわりの花を咲かそうというプロジェクトです。市の新たな観光スポットして注目され多くの観光客がお見えになっています。
 また、本プロジェクトを通じ、障がい者の方々の社会参加の機会の創出や、景観づくりなど様々なメリットをもたらしています。

最後に五條市のPRをお願いします。

豊かな自然に恵まれた五條市には、生産量日本一を誇る柿だけでなく、近畿経済産業局地域ブランド展開支援室からも応援いただいている奈良酒など(市内には2つの酒蔵があります)、魅力ある特産品が数多く存在しています。
 特産物、観光ツアーといった魅力的な地域資源をPRし、持続的な発展ができるまちづくり、五條市全体のブランド力強化を実現するため、令和2年(2020年)4月に「五條市地域商社株式会社」を立ち上げました。 さらに本年1月には、五條市山間部の家庭で、古くからハレの日の料理として伝えられてきた郷土料理「さんま寿司」を現代風にアレンジして、 認証商品第一号として販売に至りました。今後も五條市地域商社を通じて、魅力的な特産物をPR、販売していきます。

五條市地域商社株式会社ホームページ

編集後記

「さんま寿司」白さんま(おぼろ昆布仕立て)と黒さんま(焼き海苔仕立て)

「さんま寿司」白さんま(おぼろ昆布仕立て)と黒さんま(焼き海苔仕立て)
(画像提供:五條市地域商社株式会社)

木質バイオマスからのシナジー効果、郷土料理の地域ブランド化など、小さい自治体だからこそできる「地域密着力を活かした取組」に、同じ行政マンとして、多いに勉強になりました。
 後日、「さんま寿司」を購入し、いただきました。本当に美味しかったです!
 お忙しいところ、取材に応じていただき、ありがとうございました。

掲載関連情報

関連施策へのリンク

近畿経済産業局通商部 国際課 ホームページ(関西SDGs貢献チャレンジ)

近畿経済産業局通商部 地域ブランド展開支援室 ホームページ(地域ブランド支援)

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 環境・リサイクル課

電話:06-6966-6018

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