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2025大阪・関西万博を見据えた地域ブランドづくり
世界の人々を魅了する地域ブランドへ
担当課室:地域ブランド展開支援室

最終更新日:令和3年9月1日

鯖江のめがね、泉州タオルなど、関西には数多くの地域ブランドがあります。近畿経済産業局では、想定来場者数を2,820万人とする「2025大阪・関西万博」を好機ととらえ、それら地域ブランドが世界の人々から評価されるものとなるような取組を始めています。

1.取組内容

(1) モデルとなる10の地域ブランドの選定、サポート

昨年10月に「2025年に、国内外のマーケットを獲得するために、あと一押しが必要」と考える関西の地域ブランドの中から10ブランドを選定し、サポートを開始しました。
 サポートの内容としては大阪国税局や近畿農政局等の国の出先機関をはじめ、中小機構やJETRO、INPIT等の支援機関、さらにはデザイナーや弁理士等の専門家とも連携し、各地域ブランドの課題解決に資する施策の活用や、情報提供、ブラッシュアップを行っています。

【参考】選定した10の地域ブランド

1.鯖江のめがね(福井県)、2.信楽焼(滋賀県)、3.和束茶(京都府)、 4.泉州タオル(大阪府)、5.三木の酒米等(兵庫県)、 6.丹波篠山の黒大豆等(兵庫県)、7.淡路島の食と香り(兵庫県) 8.奈良酒(奈良県)、9.広陵くつした(奈良県)、10.和歌山ニット(和歌山県)


(2) 地域ブランドネットワークサロンの開催

地域ブランドの新市場開拓やコラボレーションなどが自然と起こるプラットフォームの形成をめざし、10の地域ブランド関係者と支援機関、専門家等とのネットワークづくりをめざした地域ブランドネットワークサロンを開催しました。 各地域ブランドが抱える課題解決を取り上げたワークショップや、大型商業施設の取組を紹介する講演等を実施し、10の地域ブランド同士の連携や、民間企業と地域の連携の芽が出始めています。


(図1)地域ブランドネットワークサロン

(図1)地域ブランドネットワークサロン

地域ブランドネットワークサロンの様子
地域ブランドネットワークサロンの様子

地域ブランドネットワークサロンの様子


この2つの支援の柱により、地域ブランドのさらなる高付加価値化に向けたサポートを実施していますが、サポートの中では、地域ブランドが好循環に自立する仕組み、「地域ブランドエコシステム」(図2)を念頭に置きつつ、ステークホルダーのベクトル合わせもお手伝いをしています。

(図2)地域ブランドエコシステムのイメージ

(図2)地域ブランドエコシステムのイメージ

こうしたサポートの中から、昨年度に実施した3つの地域ブランドをご紹介いたします。


2. 鯖江のめがね

鯖江のめがねの概要

鯖江のめがね

鯖江のめがね産業は、100年以上の歴史を有しており、鯖江市内で生産されるめがねフレームの生産シェアは、国内の9割以上を占めています。また、歴史的にも分業体制が構築されており、 めがねメーカーや部品メーカー、部材商社等が数多く集積しており、市内の多くの企業がめがね産業に関わっています。近年では、めがね製造技術で培われた加工技術等を活かし、精密機器や医療分野など、異業界からの製品・技術開発に関するニーズも高まっています。

令和2年度の取組

令和2年度は、専門家を地元に派遣し、ステークホルダーが集うブランド構築に向けた会議を4回開催しました。
 めがね関連事業者の有志によるオンライン展示会・商談会「SAN/CHI」イベントに参画している事業者7社、プロデューサーに株式会社ロフトワークの二本栁友彦氏、 マーケット専門家として株式会社インアウトバウンド仙台・松島の西谷雷佐氏、株式会社ロフトワークの加藤修平氏を迎え、地元の(一社)福井県眼鏡協会や鯖江市役所、鯖江商工会議所等も交えた多彩な顔ぶれとなりました。

「SAN/CHI」イベントを通じて、鯖江のめがねのファンを増やすために必要なことは何か、7社を中心に活発な議論がなされてきました。そして、2025年大阪・関西万博を見据えた「SAN/CHI」イベントのビジョンと、 各社が描くそれぞれの未来像を落とし込んだロードマップを作成しました。万博に向けて、オンラインとオフラインの双方を駆使しためがねとふれあう体験の場作りや、地域内外の他産業との融合等、より具体的に大きなムーブメントにしていくことで、一致団結しました。

2025年大阪・関西万博で鯖江から世界へ

2021年春、(一社)福井県眼鏡協会によって、2025年大阪・関西万博に向けてめがね産地を活性化するためのロードマップが作成されました。 今後、産地プロモーションや小売店との連携強化等による認知度・理解度促進のほか、更なる価値構築や品質保証、SDGsの推進など、より多角的な視点で、 協会員一体となった産地ブランディングに取り組みます。2025年には万博を通じて世界中に鯖江ブランドの魅力を伝えていきます。「世界でいちばん素晴らしい眼鏡をつくる産地」を世界へ、これまでにない団結力を持って、動きが活発化しています。


3. 泉州タオル

泉州タオルの概要

泉州タオル

泉州タオルは、約130年の歴史と伝統を誇る、日本のタオル産業発祥の地である大阪の泉州地域で生産されるタオルのことを指します。 後晒(あとざらし※)製法で、織り上がった後に晒すことにより、吸水性にすぐれた、やさしい肌触りとなり、赤ちゃんや肌の弱い方も安心して使うことができます。 ※タオルの素材である綿糸は、滑りをよくして織りやすくするため糊付けして強度を高めますが、そのままだと水をはじいて吸水性が悪いので、織った後に「さらし」の工程で糊や綿の油分や不純物を洗い落とすのが後晒しです。

令和2年度の取組

令和2年度のサポートでは、大阪タオル工業組合が参加し、プロデューサーにTCI研究所の西堀耕太郎氏、マーケット専門家として元三越バイヤーと無印良品デザイナーを迎え、 地元の泉佐野市も交えて4回の検討会議を行いました。泉州タオルの本質的価値や産地のありたい姿について組合員が考え、活発な議論が展開されました。 そして、マーケットイン視点による専門家からの課題・評価を踏まえて、目指すべきブランドイメージは、「高級路線ではなく、吸水性、扱いやすさ、柔らかさ」であるという認識で一致しました。 ブランドイメージを具現化して「水と生きるタオル」という新たなブランドコンセプト案が生まれました。
 組合アンテナショップである阪急西宮ガーデンズ店(SENSHU TOWEL 1887)での消費者へのアンケート、知的財産保護・活用の観点からの検討を経て、「水とともに生きる 泉州タオル」をこの4月に商標登録されました。

2025年大阪・関西万博を好機に

「グローバル市場でも認知される日本を代表するタオルブランドになる」ことを目指して、2025年に向けたアクションプランに基づき、新ブランドコンセプトに沿った商品開発に取り組み始めています。 同時にPR動画やSNSを活用しての情報発信や国内外の展示会へ出展に向けて準備を始めています。いま、泉州タオルの新たな取組が始まっています。


4. 三木の酒米等

酒米の王者山田錦

酒米の王者山田錦

日本酒造りに適した米の中でも、質量ともに日本一と言われる「山田錦」。兵庫県三木市は山田錦の生産量日本一であり、「米(山田錦)を買うなら土見て買え」と言われるほど重視される土壌、気候風土ともに山田錦の栽培に適した地域であるため、 質の面でも優れた山田錦が作られています。その質の良さの裏付けとして、「村米制度」という市内でも特定の地域おいて、主に灘五郷の決まった酒蔵とのみ取引をする仕組みがあるほか、 買取り価格が最も高い山田錦が作られる地域である「特A地区」と評される地域が市内に多く存在しています。

令和2年度の取組

地域再生などの実績がある方をプロデューサーにお招きし、三木市をはじめ、山田錦の生産農家、市内の酒蔵、三木商工会議所といった地域の方々のほか、マーケットの専門家として日本酒コーディネーター、大手新聞社、広告代理店、映像製作会社の方々をメンバーに、 三木産山田錦のブランド力をどのようにして高めていくのか、古くから続く村米制度などのSDGsとの組合せに加え、西日本一の数を誇るゴルフ場などの地域資源との組合せも視野に、ブランド化のために解決すべき課題など様々な視点から、計3回会議を開催し議論をしました。
 加えて、酒蔵、飲食店、消費者の方々を対象に三木産山田錦に関するマーケットリサーチ(取扱意向、イメージ など)を実施し、三木産山田錦の価値の高さや、潜在需要があることを確認したほか、今後検討しなければならないことの洗い出しもすることができました。
 更には、一般消費者にも分かりやすく様々な場面で三木産山田錦のPRができるように、その価値を分かりやすく伝えるプロモーション映像を作成しました。

◆ようこそ山田錦の郷・三木へ

2025年大阪・関西万博、そしてその先へ

今年度は新型コロナウイルス感染症の影響も見極めつつ、持続可能なブランド化に向けた新たな稼ぐ仕組みとして、特に観光の視点を取り入れ、例えば三木産山田錦の田植え、 稲刈りなどを組み込んだ山田錦テロワールツアー等の体験を伴う旅行商品作りや、お酒以外の三木産山田錦を使った商品作りなど、国内外を問わず多くの方々に三木産山田錦のことを、そして三木のことを認知してもらいブランド化する仕掛けを考えています。
来たるべき2025大阪・関西万博、そしてその先を見据え三木では着々と準備が進められています。


掲載関連情報

「鯖江のめがね」

企業名
(一社)福井県眼鏡協会
所在地
福井県鯖江市新横江2-3-4(めがね会館)
電話番号
0778-52-9111

「泉州タオル」

企業名
大阪タオル工業組合
所在地
大阪府泉佐野市市場西1丁目8番8号(泉州タオル館1F)
電話番号
072-464-4611

「三木の酒米等」

企業名
三木市 総合政策部 縁結び課
所在地
兵庫県三木市上の丸町10-30
電話番号
0794-89-2303(地方創生係)

関連施策へのリンク

地域ブランド支援

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 通商部 地域ブランド展開支援室

電話:06-6966-6054

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