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完全無農薬のお茶を海外へ ~京和あずま株式会社~
当局が支援する10の地域ブランド「和束茶」の企業紹介
担当課室:地域ブランド展開支援室

最終更新日:令和3年9月1日

和束茶の特徴

京都府南部に位置する国道も電車も通っていない山間地の小さな町―和束町は、京都府内産茶葉の約4割を生産する府内最大のお茶の産地です。町の中央に流れる和束川と山に囲まれた地形によって、昼夜の寒暖差が大きく霧が発生しやすいといった地理的特徴があり、 その霧の遮光効果により、旨みや香気が強い「和束茶」の特徴が生まれ、この特徴から、和束茶は宇治茶の中の「親茶」と呼ばれ、味の決め手となることから古くから高値で取引されています。
 その一方で、山間地のため茶畑が急峻で、収穫時等の機械化が他の産地(鹿児島県など)よりも進まず、効率化が図れないため、価格競争が難しく、高付加価値な商品の提供ができるビジネスモデルが必要となります。

和束町景観

和束町景観

斜面が急のため、手作業で収穫を行っている。

斜面が急のため、手作業で収穫を行っている。

京和あずま株式会社の取組

同社は、和束町で約6haの茶畑を有し、150年以上前から茶の栽培を行っています。 現在では、宇治茶の産地では極めて数少ない完全無農薬で栽培し、加工から国内販売、輸出販売まで一貫して行っています。 現在では、シンガポール、香港を中心に、アメリカやヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア)など世界の国・地域にお茶を輸出しています。

海外展開のきっかけ

2008年頃から製茶の売上が100%荒茶の出荷に依存する状況から脱却する方法を模索し始めました。
 2010年頃に参加したJETROの商談会の際に、海外バイヤーから有機のお茶を求められましたが、様々なお茶を作っている同社でも有機には対応していなかったため、悔しい思いをしました。 その経験から、SDGsの目標がなかった当時から、今後海外では必ず持続可能な環境に配慮した商品の需要が高まる、さらには、800年の和束町のお茶の歴史を後世に残していくためにも必要な取組と考え、無農薬栽培を始めました。

同社の強み

無農薬栽培を始めてすぐは、害虫がつくため品質が落ちたり、茶葉の収穫量が減るなど、問題もたくさんありました。財政的に余裕のある企業ではなかったため、茶葉が収穫できないと経営が不安定になることも多くありましたが、 以下のような取組を少しずつ試行錯誤しながら行うことで、2017年には全ての茶畑で無農薬栽培の方法を確立しました。


完全無農薬の栽培方法を確立するために実施した取組の例

  • 農薬の散布を通常年間4回から2回にしたり、徐々に回数を減らす
  • 害虫が最も多く発生する夏に虫がつかないようお茶の刈り取り時期をずらす
  • 化成肥料や農薬に頼らなくても土壌がよくなるように、有機質の肥料(魚粉など)を活用する 等

現在では、最も厳しい基準での残留農薬検査も200~250ある全ての項目で不検出になっており、どの国へも安全に輸出ができ、数々の課題を克服し確立したこの完全無農薬の栽培方法が、同社の一番の強みになっています。
 また、同社のお茶は全て無農薬栽培ではありますが、旨味が全く損なわれていないと市場から評価されています。旨味重視の宇治茶は無農薬栽培が特に難しく、無農薬栽培を行うと旨味が落ちると言われています。
 しかし、同社は10年以上研究を重ねることで、現在では国内外での茶道のお濃茶にも使っていただけるクラスの、極限まで旨味を保った抹茶の商品化を実現しています。

商社を通さず直接輸送

同社の輸出は商社を活用せず、小ロットのヨーロッパ、アメリカ等に対しては、EMS等で直接輸送しています。
 輸送コストは、送付数量や到達速度によって違いますが、アメリカの場合は20kg、25,500円で送付可能で、1,275円/kgで輸出することができます。
 お茶は軽量で送料負担も安価のため、付加価値を付けることができれば、他の個人農家や小規模事業者であっても、海外の市場を獲得することができ、 同社のビジネスモデルは、完全無農薬栽培などによる、高付加価値商品を海外に直接輸出するという、日本の農産品の輸出拡大に繋がる模範的なモデルと言えます。

実際に海外に輸出している商品

実際に海外に輸出している商品1
実際に海外に輸出している商品2

掲載関連情報

企業名
京和あずま株式会社(屋号:東茶園)
所在地
京都府相楽郡和束町門前宮野20
電話番号
0774-78-3771

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地域ブランド支援

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 通商部 地域ブランド展開支援室

電話:06-6966-6054

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