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(株)ネイチャーギフトのご紹介
~植物を未来の資源に変える挑戦~
担当課室:製造産業課

最終更新日:令和3年11月1日

近畿経済産業局では、セルロースナノファイバー(CNF)の実用化を図るため、2014年度より京都市産業技術研究所、京都大学との連携の下、プラスチック、ゴム、不織布などへのCNF素材活用に向けた取組を行ってきたところですが、 2021年度より「関西CNFプラットフォーム」を立ち上げ各関係機関とより一層の連携を深めながら、CNFの社会実装の更なる加速化を目指し活動しています。
 今回は、疎水系CNFの社会実装を目指し、昨年9月に設立された京大発ベンチャー「(株)ネイチャーギフト」をご紹介します。

セルロースナノファイバー(CNF)とは

植物繊維の主成分「セルロース」を細かくほぐすことで得られる素材です。環境負荷が少ない持続型資源でありながら鉄鋼の1/5の軽さで5倍の強度を持つなどの特性を有する、次世代のバイオマス素材です。
 解繊方法により、水系(水分散系)CNFと非水系CNFに大きく分けられ、化学素材から天然素材まで様々なものに混ぜることで新たな機能をもたらすことから、すでに、生活用品やスポーツシューズ、文具や食品など様々な場面の製品に応用されています。
 近年では、SDGsやカーボンニュートラル達成に向けた世の中の潮流にあわせ、CNF素材の量産化の動きや幅広い用途への活用研究が進むなど、今後ますますの実装が期待されています。

セルロースナノファイバーとその活用イメージ

セルロースナノファイバーとその活用イメージ

ネイチャーギフトのご紹介

CNFの課題~川上企業と川下企業~

CNFの普及にとって大きな課題と言われているのが、コストパフォーマンスと各使用用途へのカスタマイズ(作り込み)です。 特に後者については、疎水系の分野において、CNF自体の特徴(鉄鋼の1/5の軽さで5倍の強度)に注目が集まったため、川上のCNF提供企業と川下のユーザー企業が協力して行う各ニーズに合わせた作り込みの部分が不十分となり、 製品化に至らなかった事例が多くあります。CNFは非常に高機能な素材ですが万能ではなく、CNFを単に混ぜ込むだけではなく、それに合わせた製造プロセスや金型などの設備の調整などユーザー側の努力が必須と言えます。 また、CNF自体の十分なカスタマイズを進めるためには、川上企業と川下企業の協力と間をつなぐ川中企業の存在が重要になります。

設立までの道のり

設立者の一人でもある、京都大学生存圏研究所 矢野 浩之教授は、2013年度よりNEDOプロジェクトの中でCNFの部材化技術開発を進めていました。その中で疎水化CNFを低コストで熱可塑性樹脂に複合するパルプ直接混練法“京都プロセス”を開発しました。 プロジェクトは2019年度をもって終了しましたが、京都プロセスの実用化の推進と、川上と川下をつなぎCNFをより広く使っていただくために、京都プロセスの材料製造を委託していた(株)ヘキサケミカルと共同で、2020年9月に「(株)ネイチャーギフト」が設立されました。

ネイチャーギフトの事業イメージ(設立講演会資料より引用)

ネイチャーギフトの事業イメージ(設立講演会資料より引用)

会社の特徴

当社は、京都プロセスを活用し樹脂コンパウンドとそのマスターバッチの生産、販売を行っています。樹脂コンパウンドとは、自動車や通信機器・電気製品ほか様々な用途の製品に成形するためのCNF入りの原材料で、 この原材料で成形した製品は、軽くて高強度という特性が期待できるとともに、マテリアルリサイクルが容易です。また、マスターバッチとは CNF を高濃度で樹脂に混練させたもので、用途に見合った樹脂で所要の濃度に希釈して成形に使用するものです。
 当社がユーザーに対して、良い材料を提供し、ユーザーの試作において良い結果が得られたものは、川上企業でのCNF量産化に繋げる、アンテナショップとしての役割を果たしています。

10%CNF強化樹脂の製品サンプル(コンパウンド品)

10%CNF強化樹脂の製品サンプル(コンパウンド品)

当社製品(バイオPE、PP)を(株)上山製作所で成型したサンプル

当社製品(バイオPE、PP)を(株)上山製作所で成型したサンプル

CNFの普及とその先のカーボンニュートラル実現に向けて

環境に優しい植物由来のCNFでプラスチック樹脂と複合化する技術をベースに、昨年9月の設立からの1年は「信頼のおける材料をしっかり提供する」ということをモットーに事業を進めています。 大学発ベンチャーの強みを活かし、川上・川下をつなぐ川中企業としてオープンイノベーションで相互にキャッチボールを重ねながら、CNFの社会実装を推進、拡大していくことがより一層重要となってきます。
 すでに様々な用途や分野への活用が始まっているCNFですが、現在、「バイオプラスチック×CNF」や「再生プラスチック×CNF」など、よりカーボンニュートラルの達成に向けた応用研究も始まっています。 様々な業界において、2050年にはカーボンニュートラルの達成が求められていますが、今後、ネイチャーギフトの活動がよりCNFの普及とその先のカーボンニュートラルの達成に向けて大きく寄与することが期待されます。

掲載関連情報

企 業
株式会社ネイチャーギフト
所在地
本  社:京都府京都市中京区御池通東洞院東入笹屋町436 永和御池ビル
大阪支店:大阪市中央区西心斎橋一丁目8番18号 ヒカリビル4階
連絡先
電話:06-4704-7234 FAX:06-6251-0710
E-mail
info@naturegifts.co.jp

関連施策へのリンク

部素材産業-CNF(セルロースナノファイバー)実用化への取組み

このページに関するお問い合わせ先

近畿経済産業局 産業部 製造産業課

電話:06-6966-6022

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